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- ベトナム北部・中部・南部に見る味付けの違い!各地域の代表的な麺料理を2つずつ紹介
南北に長い国土を持つベトナムでは、地域によって好まれる味も異なります。首都・ハノイを中心とした北部ではヌックマムや醤油を多用した塩辛い味の料理、ダナン・ホイアンを中心とした中部では唐辛子を使った辛い味、ホーチミンを中心とした南部では砂糖やココナッツミルクを使った甘く濃い味付けの料理が好まれます。そこで今回は、麺料理が豊富なベトナムにおいて、北部・中部・南部で代表的な麺料理を紹介したいと思います。気軽に旅行に行けるようになる前に、この機会に基本的な情報をおさらいしておきましょう。
北部
フォー(Phở)
著者撮影
ベトナム全土で食べられているフォーは、実は北部発祥の麺料理。現地では鶏肉より牛肉のフォーのほうが人気があります。北部のフォーは、旨味が凝縮された濃厚なスープが主役で、一杯で味が完成されている感じがします。具は肉と玉ねぎ、青ねぎ(パクチー)程度とシンプル。それに対し、南部のフォーはスープが甘め且つあっさりしていて、卓上の調味料で自分好みの味に調えながら食べるのが醍醐味。野菜(もやし)やハーブがどっさりと添えられるのも特徴です。
ブンチャー(Bún chả)
著者撮影
炭火で焼いた豚バラ肉とつくねが入った甘酸っぱいタレに、ブン(米麺)・香草・生野菜をちぎり入れながら食べるハノイ名物のつけ麺のような料理。初心者でもトライしやすい味で、「フォーよりもブンチャーが好き」という人も多いほど人気のある麺料理です。オバマ米元大統領がブンチャーのお店を訪れたときは話題になりました。
中部
ブンボーフエ(Bún bò Huế)
著者撮影
ベトナム中部に位置する古都・フエ名物の麺料理で、ベトナム全土で人気があります。牛肉、豚足、レモングラス、“マムルォック”と呼ばれる海老を発酵させて作る塩辛いペースト状の調味料など多数の材料から作り上げる滋味深いスープが特徴のピリ辛麺です。添えられる生野菜の中に、バナナの花の千切り、空芯菜の茎を割いたものが入るのが定番です。
ミークアン(Mì Quảng)
著者撮影
数年前から人気が高まっている中部の都市、ダナン名物。濃いめで少なめの汁に、きしめんを思わせる平たい麺や具が入った麺料理です。具は豚肉と海老が一般的で、そこに揚げせんべいや香草をお好みで入れながら食べます。「Mì」はベトナム語で小麦粉から作られた麺を意味しますが、この場合は例外でミークアンの麺は米粉からできています。小麦粉から作られた麺のようにコシがあるため「Mì」とされているようです。
南部
フーティウ(Hủ tiếu)
著者撮影
フーティウはベトナム南部で食べられている麺料理で、柔らかくつるっとした喉越しを楽しむ北部のフォーに対し、フーティウの麺は半乾燥させてから裁断するためコシがあるのが特徴です。そのフーティウ麺を使った代表的な料理がフーティウナムヴァン(Hủ Tiếu Nam Vang)。Nam Vang=南旺(プノンペン)の意味で、カンボジアから伝わったといわれています。フーティウナムヴァンは、豚骨ベースの甘めでクリアなスープに海老・豚肉・ひき肉・レバーなどの具がたっぷりのり、付け合せに生のモヤシ・春菊・レタス・ニラが添えられるのが一般的。大抵の店では汁あり(Nước)と汁なし(Khô)が選べます。
ブンティットヌン(Bún thịt nướng)
著者撮影
ホーチミンを中心に南部で食べられているブンティットヌン。日本語にすると、‟豚焼肉のせサラダ麺”といったところでしょうか。下味に漬けこんで炭火で香ばしく焼いた豚肉、ブン(細い米麺)、なます、ピーナッツ、ネギ油、ハーブや生野菜にヌックマムベースの甘辛いタレをかけて、全体をよく混ぜて食べる麺料理です。中には豚焼肉と揚げ春巻きを半々でのせられるお店もあります。とてもさっぱりしているので、暑い日や食欲のないときでもおいしく食べられると思います。
ベトナム料理の人気の高まりにより、日本国内でもベトナム料理店が増えています。これを機会に国内でベトナムの麺料理を楽しむのもいいですね。
(text & photo:グッチ)
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