ミャンマー
観光
パゴダ参りからローカル居酒屋まで

2度目の旅におすすめする、世界遺産・バガンの歩き方

ミャンマー旅行鉄板の旅先、世界遺産のバガン。団体旅行ですと一般的には、有名パゴダをいくつか回って夜は操り人形劇ディナーを楽しみ、翌朝は朝焼けを鑑賞して漆工房を見学。ツアーによっては、バガンタワーや遊覧船で夕日も堪能したり、ローカル市場を体験したり、はたまた気球で空中遊覧するといったオプションがつくことがあるかもしれません。

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赤茶けた草原に無数の仏塔が散在するのがバガンの魅力 著者撮影

一方、個人旅行だと馬車を貸し切ったり、レンタル電気バイクを借りたりして、自由に行きたい遺跡を決めるスタイルでしょうか。時間に余裕があれば、ポッパ山を訪れる人も多そうです。
しかし、バガンはまだまだ、バリエーションたっぷりの楽しみ方ができる場所です。以前に、地元の村を楽しむ旅をご紹介しましたが、さらにマニアックな回り方をしてみたい方のために、ちょっと趣きの異なる旅をご提案しましょう。


5仏像に参って満願成就

バガンには、決まった5つの仏像すべてで同じ願いごとをすると叶う、という言い伝えがあります。5つの仏像は「スータウンピー(ビルマ語で「満願成就の仏像」の意味)仏」、これらを巡礼することを「ピーガーピー(ビルマ語で「願が叶う5つ」の意味)」と言います。
5つの仏像は、次の4ヶ所のパゴダが安置しています。

①ダーマヤジカ・パゴダ
②ローカナンダ・パゴダ
③シュエサンドー・パゴダ
④タマネイ・パゴダ

ダーマヤジカ・パゴダだけ2体、あとは1体ずつです。境内に仏像がたくさんあったり、仏塔から離れた場所に仏像を安置してあったりするパゴダもあるので、境内で係の人に「ピーガーピーをしたい」と言って、仏像の場所を教えてもらうとよいでしょう。


タマネイ・パゴダのスータウンピー仏 著者撮影

Dhamma Yazaka Pagoda

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Law Ka Nanda Pagoda

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Shwe San Daw Pagoda

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Thar Ma Nay Pagoda

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バガンを囲む4パゴダ参り

バガンの初代王アノーヤターが、スリランカから持ち帰った仏舎利を象の背に乗せて運ぶ途中、象がうずくまった4つの場所にパゴダを建て、それらが囲む場所に都を築きました。それがバガンのいわれです。象がうずくまった4つのパゴダが以下です。

①タンチータウン・パゴダ
②トゥインタウン・パゴダ
③ローカナンダ・パゴダ
④シュエジゴン・パゴダ


写真はローカナンダ・パゴダ。ニューバガンの川沿いにある 著者撮影

これら4つのパゴダを、同じ願い事をしながら昼の12時までに回り切れれば願い事がかなうと言われています。上述のピーガーピーもそうですが、ミャンマー人は本当にこうした願掛けが大好き。このために、夜明け前にホテルを出発するミャンマー人がかなりの数にのぼります。
4ヶ所のうち③と④は中心部にありますが、①と②はかなり離れており、とりわけ②は舟をチャーターして対岸に渡る必要があります。しかし、①と②はいずれも山の頂上にあり、はるかに見晴らせる眺望はなかなかのものです。


トゥインタウン・パゴダからの眺望。ヤシ酒の採れるトッティの木がたくさんあるのがわかる 著者撮影

Tant Kyi Taung Pagoda

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Tuyin Taung Pagoda

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Law Ka Nanda Pagoda

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Shwe Zi Gon Pagoda

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“マイ・パゴダ”を見つけよう!

バガン遺跡の特徴は、広大な草原に無数のパゴダが散らばっていること。有名なパゴダにはもちろんお参りしたいですが、無名のパゴダもなかなか味わい深いところがたくさんあります。
自由時間がたっぷりある旅なら電動バイクや自転車をレンタルし、あまたに散在する無名パゴダをさまよって、自分だけの“マイ・パゴダ”を探してみては。誰も来ない小さなパゴダでひとり、いにしえの声に耳を傾け静かな時間をもつ、なんてのも素敵な旅の思い出になるかも。


小さな無名パゴダでも、きれいに整備されていることが少なくない 著者撮影

ヤシ酒酒場で地元っ子気分の宴会

ポッパ山に行かれた方は、道中でヤシ酒工房を見学されたのではないでしょうか? ニャウンウーから20分ほどポッパ山方面に車を走らせると、たくさんのヤシ酒工房が道沿いに並びます。ここ数年、ミャンマー人の国内旅行ブームを反映してか、それらの工房はどんどん大型化し、数も増えました。


ヤシ酒2種と、ヒョウタン天ぷら、黒豆の玉ネギ和え、茶葉漬物セット 著者撮影

多くのミャンマー人旅行者は、こうした工房に併設された居酒屋で、ヤシ酒を飲みながら食事を楽しんでいます。地元っ子に人気なのは、「ペイン・パームハウス」。ローカル居酒屋の雰囲気を楽しみたい方はぜひ!


ペイン・パームハウスはかなりローカル色が強い店なので、お腹に自信のない人はやめておいた方がいいかも 著者撮影

Paing Palm House

住所 16km from Nyaung-U, Kyaukpadaung-Nyaung U Rd., Nyaung-U
電話 09-4025-01308
営業時間 7:00~20:00
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バガンは何度訪れても、そのたびに新しい発見がある奥の深いスポットです。1回目はただただ感動する旅に、2度目は歴史書を携えての探求の旅もいいですし、何も考えないふらふら自由な旅というのも素敵かもしれません。

 
(text & photo : 板坂 真季)



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