ミャンマー
観光
民族文化に触れる旅

少数民族フリーク垂涎の旅先ミャンマー。おすすめエリアはここ!

ヤンゴンで年に1回開催する少数民族フェスティバルで、ダンスを披露するカヤー族 著者撮影

ミャンマーには、実に135もの民族が住んでいます。基本的に東南アジアの国々はどこも多民族国家ですが、ミャンマーは人口に占める少数民族の割合が3割以上ととても高く、歴史的にはシャン族やモン族といった、現在は少数派となっている民族が覇権を握っていた時代もあり、現在も少数民族が国内の一大勢力となっています。

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ただし、日本人がイメージするような民族衣装を日常的に着ている人々は少数派。“いかにも”な少数民族に出会いたいなら、旅行先を選ぶ必要があります。今回は、そんな少数民族フリークにおすすめの旅先をご紹介します。

 

湖畔の五日市が見どころ・インレー湖

ミャンマーきっての観光地で日本人の訪問も多いシャン州インレー湖は、少数民族と一番気軽に遭遇できるスポットです。湖畔の村が持ち回りで開催する朝市には、多くの少数民族が集います。ただし、このエリアで今も民族衣装を着ているのはパオ族のみ。そのため、旅行者の中には「少数民族は少ししかいない」という印象を持たれる方も多いですが、実は開催する村によってはビルマ語がほとんど通じないほど、少数民族比率の高い所もあるのです。

頭に派手なターバンを巻き、黒っぽい民族衣装を着ているのがパオ族 著者撮影

Inlay Lake

アクセス ヤンゴンから飛行機で約1時間~1時間半(経由便あり)。1日に数便あり、アクセスしやすい。
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民族衣装を着てパチリ・ミッソン

カチン州のミッソンは、2つの川が合流してエーヤワディ川になる地点。色合いの異なる2つの川の合流地点を遊覧船で楽しみます。しかし、ここを訪れるミャンマー人の一番の目的は、カチン族の民族衣装を着て写真を撮ること。赤と黒を基調にし、銀の装飾がたくさんついたカチン族の民族衣装は、他民族に大人気なのです。河原には民族衣装のレンタルショップがずらり。ブルーのフレアスカートがかわいいリス族の衣装を選ぶ人も目につきます。

河原は民族衣装で写真を撮り合う人々でいっぱい。観光客はほとんどがカチン族ではない。 著者撮影

Myit Sone

アクセス ヤンゴンから飛行機で約2~3時間半(経由便が多い)の州都ミッチーナから、車で約1時間。
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様々な民族衣装を堪能するなら・チャイントン

ミャンマーで、民族独自の文化が最も色濃く残るのがシャン州東部です。中心都市のチャイントンは他の地方都市とさほど変わりませんが、車で数時間の山間部では様々な民族が独自の暮らしを守っています。どの村も車は手前数kmまでしか入れませんので、観光のメインはトレッキングになります。ガイドを雇い、数日間のプログラムを組んでもらうのがおすすめです。居住する民族の種類もバラエティに富むので、少数民族好きにはたまらないエリアです。

エン族の村にて。ほとんどの住民が民族衣装を着て生活している 著者撮影

Keng Tung

アクセス チャイントンへのフライトは1日数便あり、ヤンゴンからは約1時間半~2時間半(経由便あり)。見どころとなる村を回るなら、最低2日はみておきたい。
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“首長族”はミャンマーが本場・ロイコー

首長族として知られるカヤン族村観光はタイ北部が有名ですが、タイのカヤン族はミャンマーの内戦から逃れた難民たち。カヤー州ロイコー郊外なら、昔ながらの文化を守って暮らす“本物”のカヤン族に出会えます。ミャンマーではタイのようにカヤン族が見世物化しないよう、観光プログラムに沿って訪問するシステムになっています。詳しくは旅行会社などにお問い合わせください。周辺にはカヤー族やリス族、アカ族などの村もあります。

カヤン族村観光はCommunity Based Tourism(CBT)という、観光地の住民に利益をもたらすよう設計した観光システムで訪れる。 著者撮影

Loikaw

アクセス ヤンゴンから週に数便のフライトあり。約1時間。観光可能なカヤン族の村は、ロイコーから車で約1時間。
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消えゆく刺青文化に触れる・ミンダ

女性が顔一面に刺青を入れるチン族も、世界的に知られたミャンマーの民族です。多くがチン州に住んでいますが、最も行きやすいのはミンダです。町中でも刺青女性をよく見みかけますが、郊外の村をトレッキングすれば、玄関に数多くの動物の頭蓋骨を飾ったりといった、ディープなチン文化にも触れられます。ただ、刺青の習慣は急速に廃れつつあり、数年うちには消える運命にありますので、この文化に触れたい人は早めの訪問をおすすめします。

刺青女性の写真を撮らせてもらいたい場合は、必ずご本人の許可をとってから。 著者撮影

Mindat

アクセス バガンから車で約4時間。バガンへはヤンゴンから約1時間~1時間半(経由便あり)で、1日数便のフライトがあり行きやすい。
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ミャンマーは民主化以降、急速に近代化が進み、地方にも経済発展の波が押し寄せています。民族文化好きには残念ですが、彼らの幸せを考えれば致し方ないところです。今後、こうした少数民族文化を観光に活かしていく流れも出てくるかもしれませんが、素朴な民族文化に触れたいなら、これらのエリアへは早めに訪問する方がよいかもしれません。

 
(text & photo : 板坂 真季)

 



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