ミャンマー
観光
パゴダなど聖地の候補をご紹介!

ミャンマーの3大聖なるパヤー。では“4つ目”は?

日本人もですがミャンマー人も、数あるスポットの中から「○大仏塔」や「△大仏像」(○△には数字が入ります)といったトップ3やトップ5を選ぶのが大好きです。ミャンマーの観光地では、それらの写真を1枚のポスターにまとめたものを土産物として売っているのをよく見かけます。

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「3大パヤー(聖なるもの)」をミャンマー人に尋ねると解答はほぼ決まっていて、ヤンゴンのシュエダゴンパゴダ、マンダレーのマハムニ仏、チャイティヨーのゴールデンロックの3つです。では「4大パヤー」をあげるとしたら、4つ目はどこになるのでしょうか?

この質問をぶつけると、自分の地元に近い場所や自身が信仰する神様に関係した場所を選ぶ人が多いようです。しかしどこも、ミャンマーを代表する聖地には違いありません。今回はそういった、4つ目として選ばれがちな聖地をご紹介します。

 

シュエジーゴンパゴダ:遺跡群にそびえる黄金のパゴダ


仏塔建築史においても画期的とされるデザイン。  著者撮影

もっともよく名前があがるのが、バガンのシュエジーゴンです。11世紀にバガンの初代王アノーヤターによって建造が始まったパゴダで、ミャンマー仏教史上とても重要な存在なのです。

当時この地で信仰を集めていた土着のナッ神は、実は仏陀の守護神ダジャーミンの配下にあると説明することで、王は地元の人びとを仏教に取り込もうとしました。このパゴダでは王の意図を汲み、土台部分にナッ神があしらってあるのが特徴です。

特に、仏塔東側の祈祷所前にレリーフされているナッ神は病を治すとされ、参拝者が自身のからだの悪い部分に相当する箇所に金箔を貼ると効果があると人気です。みなさんもお試しあれ。

レリーフの前には金箔を貼りたい人の長蛇の列が。   著者撮影

 

ポッパ山:ナッ神信仰の総本山

台形に見える姿がユニーク。   著者撮影

ナッ神信仰は今も根強く残っており、その中心がポッパ山です。ナッ神信者にとっての4つ目は間違いなくこの山。先端を切り取ったようなユニークな姿は、大昔に噴火で先端が吹き飛んだ名残りだとか。

この山は、ミャンマー錬金術師界最大のスーパースターで死後に神格化されたボーミンガウンが修行していたことでも有名です。彼が亡くなったのは1952年。残された中で最も有名な写真の彼は、仁義なきシリーズの菅原文太そっくり。この写真を元に造った像があちこちに祀ってあり、日本人にはどうにも神様には見えず微妙な気持ちになってしまいます。でもこれもミャンマーらしさ。ぜひ味わってください。

 

ファウンドーウーパゴダ:金箔の厚みがありがたさの尺度?

水上に浮かぶように建つファウンドーウーパゴダ。   著者撮影

インレー湖に浮かぶように建つファウンドーウーパゴダを4つ目にあげるのは、インレー湖周辺に住むシャン族やパオ族の人が多いようです。このパゴダで重要なのは、御本尊である5体の仏像。というか、元仏像というべきかも。

すでに原形をとどめない御本尊。   著者撮影

ミャンマーでは仏像に金箔を貼ると功徳を積めるとされますが、この仏像はもともと小ぶりなうえ、12世紀にここに安置されてから多大な信仰を集めてきたため、金箔が幾重にも重なり、とうとう原型をとどめないお団子状態になってしまっているのです。

このまま金箔が貼られ続けると、いつしか5つのお団子もひとつの大きなお団子になってしまうかもしれません。

 

シュエウーミン洞窟パゴダ:洞窟内にびっしりと並ぶ仏像が圧巻

天井の上の方まで仏像がたくさん。   著者撮影

仏塔や仏像を含めず「3大聖地」を選ぶ際に含まれることが多いのがこの洞窟パゴダ。所在地の地名から「ピンダヤ洞窟パゴダ」とも呼ばれることも。インレー湖観光の拠点となるニャウウシュエからは車で3時間ほどの距離にあります。

高い岩山の内部に大小3つの洞窟を擁し、最も長いもので150m。内部の壁という壁は、8000柱を超える仏像でびっしりうまっています。それぞれの仏像には寄進した人の名前と居住場所が刻まれており、シンガポールやアメリカ、アイルランドなんていうのもあります。

洞内はすべて聖域のため裸足で歩かねばならないのですが、水滴で滑りやすいのでご注意ください。

 
(text & photo : 板坂 真季)

 
隅から隅まで!魅惑のミャンマー探検
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