ミャンマー
観光
行きにくくとも一見の価値あり!

神が宿る聖なる岩を巡礼。ミャンマーの奇岩の聖地6選

ミャンマー旅行のツアーパンフレットに必ずといっていいほど載っている写真が、ゴールデンロックです。崖から落ちそうで落ちない位置にひっかかる、大きな金色の岩を見たことがある人は多いのではないでしょうか。

ミャンマー人はこのような、自然界に出現した不思議な造形の岩や岩山を崇拝の対象にしています。仏教普及以前に人びとが傾倒していた精霊信仰と関係があると考えられています。日本の神道が、奇岩や巨木を祀るのと似ているかもしれません。
以前、ご紹介したポッパ山も聖なる岩山のひとつですが、ミャンマーには数えきれないほどのこうした聖地があります。今回はその代表格をご紹介します。

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実は浮いている「チャイティヨー(ゴールデンロック)」

著者撮影

冒頭でもご紹介した、ミャンマー随一の奇岩の聖地を、地元では「チャイティヨー・パゴダ」と呼んでいます。崖っぷちギリギリの巨岩は、実は地面から髪の毛1本分、宙に浮いているといわれています。周囲の山並みの中でもひときわ高い山の頂上にこんな不思議な岩があるなんて、確かに神の御業と考えたくなるのもわかります。

Kyaiktiyo Pagoda (Golden Rock)

アクセス ヤンゴンから車で約4時間の麓の町キンプンから、専用車に乗って約40分で頂上へ。早朝にヤンゴンを出発すれば、日帰りも可能。
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二段重ねの奇跡「ノアラボー」

著者撮影
チャイティヨーからモーラミャインへ行く途中にある奇岩です。こちらは3つの岩が絶妙のバランスで積み重なっており、地震の多いミャンマーで、よく何百年も崩れなかったと、驚愕モノです。チャイティヨーに比べて少し小ぶりなこともあって、外国人観光客はあまり足を伸ばさないので、ゆったり拝観することが来ます。

Nawrlaboo Pagoda

アクセス モーラミャインから北へ22km、車で約20分。さらに麓からチャイティヨーとよく似たトラックバスで約20分上ると頂上に着く。

 

インスタ映えNo.1 「ザロンタウン」

著者撮影

個人的に1番好きなのがここ。カチン州に近いザガインの山奥にそびえる、目を見張るような巨岩の聖地です。麓からはピックアップトラックを改造した専用車で行くのですが、そのスリルはチャイティヨーの比ではありません。かつてジョージ・オーウェルが住んでいたコロニアル情緒満点の街、カターも近いので、ついでに行ってみては。

Zalon Taung Pagoda

アクセス カチン州ミッチーナから麓の町バーマウまで車で約5時間。さらに専用車(詳細はマンダ石を参照)で頂上へ。マンダレーからも行けるが、ミッチーナからよりも遠い。
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巨大なキノコ?! 「マンダ石」

著者撮影

頭でっかちの平たい巨岩です。ザロンタウンへ行く専用車が途中に立ち寄り、30分ほどの拝観時間を設けてくれます。同乗した人たちを覚えておき、一緒に車へ戻るようにしましょう。置いて行かれることはないですが、全員揃わないと出発できないので、遅れると迷惑をかけてしまいます。男性のみ、岩の上へも登れます。

Kyaut Mandut

アクセス バーマウまではザロンタウンを参照。専用車でバーマウ→約40分→マンダ石(約30分停車)→約30分→ザロンタウン。ザロンタウンからは別の車で、一気にバーマウへ(約1時間)。

 

今にも折れそうな「チャウッカラ」

著者撮影

カレン州パーアンの近郊にあるチャウッカラは、細長いシルエットの中ほどがぐっとくびれているにもかかわらず、折れずにそびえたつ不思議な岩です。くびれのあたりまでは誰でも登れますが、そこから先は修行僧のみにしか許されていません。周囲が池になっており、少し離れたところから、水面に映る影と写真を撮るのがおすすめ。

Kyaut Ka Latt Pagoda

アクセス ヤンゴンからパーアンまでは車で約6時間。飛行機もあるが、便数が少なく不便。パーアンからチャウッカラまでは車で約20分。
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街中にそびえる「タウンングエ」

著者撮影

ミャンマー語で「割れた岩」を意味するタウングエ・パゴダは、カヤー州の州都ロイコーにあります。街中にあり行きやすいので、近くのホテルに泊まって日没や日の出を楽しんでもいいかもしれません。日帰り可能な近郊には、「首長族」の名で知られるカヤン族の集落もあるので、組み合わせて観光するのもおすすめです。

Taung Gwe Pagoda

アクセス ヤンゴンからロイコーまで空路で約1時間、車で約9時間。タウングエパゴダはロイコーの中心部にある。
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奇岩の聖地はそのほとんどが、山奥の非常に行きにくい場所にあります。狭い山道を昇り降りすることもあって安全のため、麓から専用車の利用を義務付けているところが多くなっています。

チャイティヨーを除き頂上に外国人が宿泊できる施設はないので、移動の時間も考慮に入れた余裕あるスケジュールを組む必要があります。なお、チャイティヨーに泊まりたい場合、頂上のホテルはたいへん混み合うので、必ず早めの予約を。

聖なる岩にひれ伏す地元の人たちや、自然の驚異に感嘆の声を上げざるを得ない荘厳な光景を堪能できる奇岩の聖地は、たとえ行きにくくとも一見の価値があります。ぜひ、足を伸ばしてみてください。

 
(text & photo : 板坂 真季)

 



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