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未来の世界遺産も先取り!

2回目のカンボジアで訪れたい遺跡5選

アンコール・ワット photo:世界遺産イェーイ!

カンボジアは一度訪れると何度も行きたくなってしまう国。熱帯ジャングルの中じっくりと遺跡を見ながら歩き回るのは忘れられない体験です。そして何より声を大にして言いたいのは、何回訪れても遺跡を全て見尽くすことはない!ということ。アンコール・ワットに代表されるアンコール王朝が建てた遺跡の数は1,000以上とも言われており、遺跡をまわればまわるほど、訪れたい遺跡が増えてしまう国でもあるのです。今回の記事では、2回目のカンボジアで訪れたい遺跡を5つご紹介します。

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1.リピート率No.1!アンコール・ワット


アンコール・ワット photo:世界遺産イェーイ!

言わずとしれたアンコール・ワットはクメール王朝のスーリヤヴァルマン2世によって1113年頃から約35年かけて造営されたビシュヌ神などを祀るヒンドゥー教の大寺院。1回目に行ったのにまた行くの?と思われた方も多いかと思いますが、2回目でも何回目でも絶対に外せないのがアンコール・ワット。私は4回カンボジアを訪れたことがあるのですが、アンコール・ワットは毎回訪れています。2回目以降のアンコール・ワットは、ポイントを絞って観光しましょう。

朝日のアンコール・ワット

アンコール・ワット photo:世界遺産イェーイ!

2回目以降ともなると、朝日を鑑賞できる絶好のスポットも把握しているはず。迷わずに参道を進んだ北側の聖池前へ。水面に寺院が反射する「逆さアンコール・ワット」を楽しむにはここがベストスポットです。大勢の観光客で混雑しますので、私の場合は朝3時に起きて絶好のポジションを確保!ちょっと早すぎる?!

じっくりとレリーフ(浮き彫り)鑑賞


photo:世界遺産イェーイ!

アンコール・ワットは3重の回廊で中央祠堂を囲む造りになっています。一番外側にある第1回廊の壁面には1辺に2個ずつ、ヒンドゥー教などの物語をモチーフにしたレリーフがびっしりと描かれています。2回目のアンコール・ワットは、ツアーに参加してガイドさんにじっくりと解説してもらうのがおすすめ。ガイドブック片手に、どのレリーフがどの場面なのか自分で探すのも楽しいのですが、重要な場面を見落とすことも・・・ガイドさんと一緒だと、レリーフの細かい場面の一つ一つを解説してもらえるので、理解が深まります。

アンコールの遺跡群

登録 1992年
登録基準 「人間がつくった傑作」、「文化交流」、「文明の証拠」、「建築技術」
アクセス 日本からプノンペンまで直行便で約6時間半。プノンペンからシェムリアップまで飛行機で約1時間

 

2.プレア・ヴィヘア寺院


photo:ひさほ ゆう

カンボジアで2件目に登録された世界遺産「プレア・ヴィヘア寺院」。アンコール・ワット観光の拠点となるシェムリアップから車で約4時間北上したところにある遺跡で、タイとの国境沿いに位置します。アンコール・ワットから、かなり遠いため1回目は訪れることができなかった方も多いのではないでしょうか。


photo:世界遺産イェーイ!

「プレア・ヴィヘア寺院」は、9世紀に建てられたヒンドゥー教のシヴァ神を祀る祠堂を、11世紀~12世紀頃スーリヤヴァルマン1世と2世が改築し王家の寺院としたものです。カンボジアの2000リエル紙幣の図柄のデザインになっている、カンボジアを代表する遺跡のひとつです。


photo:ひさほ ゆう

5つの塔門が800mに渡って一直前上に配置されており、山頂へ向けて階段を登りながら観光して行きます。登るのは大変ですが、山頂からは素晴らしい絶景が!長年カンボジアとタイとの領有権問題で緊張状態が続いていましたが、近年少しずつ緊張が和らいできています。2015年から一般公開が開始されました。

プレア・ヴィヘア寺院

登録 2008年
登録基準 「人間がつくった傑作」
アクセス 日本からプノンペンまで直行便で約6時間半。プノンペンからシェムリアップまで飛行機で約1時間。シェムリアップから車で約4時間

 

3.サンボー・プレイ・クックの寺院地区と古代イーシャナプラの考古遺跡


photo:世界遺産イェーイ!

2017年にカンボジア3件目の世界遺産として登録された「サンボー・プレイ・クックの寺院地区と古代イーシャナプラの考古遺跡」は、アンコールの遺跡群が誕生する前の時代、7世紀頃、チェンラ王国の都・イシャナプラに作られた寺院群です。


photo:世界遺産イェーイ!

八角形の祠堂などはアンコール遺跡群では見られないものが多く、サンボー様式と呼ばれています。このサンボー様式が、アンコール・ワットに代表されるクメール様式の礎となったと言われています。


西洋との交流が感じられる顔の彫刻 photo:世界遺産イェーイ!

アンコール・ワットがあるシェムリアップ中心地から、車で約4時間。こちらもプレア・ヴィヘア寺院と同様に、1回目のカンボジアでは、訪れることができなかった方も多いですよね。また2017年までは世界遺産に登録されていなかったので、その存在を知らなかった方もいらっしゃるのでは。森の中に佇んでいる雰囲気も含めて、体感して頂きたい遺跡です。

サンボー・プレイ・クックの寺院地区と古代イーシャナプラの考古遺跡

登録 2017年
登録基準 「文化交流」、「文明の証拠」、「出来事や宗教、芸術」
アクセス 日本からプノンペンまで直行便で約6時間半。プノンペンからサンボー・プレイ・クックまで車で約4時間

 
ここからは未来の世界遺産をご紹介!

世界遺産登録を目指している物件は「暫定リスト」という国別の候補リストに記載されます。このなかから条件が整ったものが推薦されて様々な審議を経て世界遺産に登録されることとなります。現在カンボジアで暫定リストに掲載されている物件は、全部で8件あります。この中から2件の物件をご紹介!

 

4.コー・ケー遺跡

コー・ケー遺跡は、アンコール王朝時代の10世紀前半、コー・ケーに都が置かれていた際に作られたものです。都が置かれていたため、コーケー遺跡は都城となっており、多くの寺院や貯水施設が広い範囲に点在しています。その中心となる寺院が高さ約35m の7段ピラミッド寺院プラサット・トム。その他にも象の彫像や、木の根が巻き付いた遺跡の神秘的な景観など見どころ満載の遺跡です。後に、都は現在のシェムリアップに移されコー・ケーは放棄されてしまいます。

都が置かれていたこともあり、歴史的にも大変重要なコー・ケー遺跡。アクセスは、アンコール・ワットがあるシェムリアップから車で約3時間。

 

5.ベン・メリア遺跡


photo:世界遺産イェーイ!

ジャングルに埋もれた秘境感たっぷりの遺跡「ベン・メリア」。アンコール・ワットより約20年前に、アンコール・ワットの練習台として作られたとも言われています。そのためアンコール・ワットと作りが似ているのが特徴。修復がほとんどされていないため、崩壊した遺跡の石が散乱していたりと、神秘的な雰囲気を味わうことができますよ。アクセスは、シェムリアップからは車で約1時間半。

 

未来の世界遺産

なお、現在カンボジアで暫定リストに掲載されている物件はこちらです。

・コーケー遺跡
・ベン・メリア遺跡
・プノン・クーレン遺跡
・大プリヤ・カン遺跡
・バンテアイ・チュマール遺跡
・アンコール・ボレイとプノン・ダ遺跡
・古都ウドン
・トゥール・スレン博物館

ユネスコのサイトを仮訳

アンコール王朝に関連した遺跡が多いですが、首都プノンペンにあるトゥール・スレーン博物館のように、内戦時におけるポル・ポト派の残虐行為を伝えるものも暫定リストに入っています。カンボジア内戦というのは、どういうことが行われていたのかを知っておくのも、カンボジアを理解するには必要なこと。2回目のカンボジアでは、様々な面から触れてみるのも一案です。

(text : 鈴木かの子)

【連載】世界遺産のプロが教える! アジア イェーイな旅

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