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- ベトナムの歴史に触れる旅!いつか行きたい3つの世界遺産
フエ:ミンマン帝陵の崇恩殿 photo:ひさほ ゆう
ベトナムには悠久の歴史を感じることができる世界遺産がたくさんあります。これらの世界遺産は、様々な国からの植民地支配を受けながら、独自のベトナム文化を発展させてきたことを物語っています。2020年6月末現在、なかなか海外を訪れることができない日々が続いていますが、またいつか旅に出るなら、ベトナムの歴史に思いを馳せる旅はいかがでしょうか?
今回の記事では、ベトナム中部ホイアン拠点で、歴史に触れることができる世界遺産3件を、3泊5日でまわるモデルプランを一挙にご紹介。
1日目 いざホイアンへ!
14:30 直行便でダナンに到着 車でホイアンへ
ベトナム航空で成田から約5時間半でダナンに到着。なお、飛行機の時刻については、2019年12月の情報なので、最新の情報をチェックして下さいね。
ダナンの空港からホイアン市内まで車で約1時間かけて移動します。ホイアンのホテルにチェックイン。
18:00 世界遺産「古都ホイアン」で夜景を堪能
幻想的なランタン photo:ひさほゆう
ホイアンは、古くは中国やインド、アラブを結ぶ中継貿易都市として、15世紀から19世紀にかけてはヨーロッパとの交易の中心地となり、ベトナムの経済を支え続けてきた都市です。
様々な国の文化の影響を受けたノスタルジックな街並みが魅力。16世紀~17世紀には朱印船貿易の中継地点として多くの日本人が移住し日本人町も形成されました。
朝、昼、夜と異なる姿を見ることができるホイアンですが、まず初日はロマンチックな夜景を堪能。ホイアン名物を味わうのもお忘れなく。
左上:カオ・ラウ 右上:ホワイト・ローズ 左下:揚げワンタン
どれもビールとの相性が抜群! photo:世界遺産イェーイ!
2日目に備えて早めに就寝しましょう。
2日目 世界遺産フエ&ホイアンを観光!
7:00 世界遺産「フエの歴史的建造物群」1日ツアーへ出発
2日目は世界遺産「フエの歴史的建造物群」へ日帰りショートトリップ!ホイアンのホテル発着の1日ツアーを利用します。
「フエの歴史的建造物群」は、1802年から1945年まで続いたベトナム最後の王朝、グエン(阮)朝の都だったフエに残る建造物群です。建造物群というだけあっていくつかの見所で構成されており、大きく分けると「グエン朝王宮」、「グエン朝各皇帝の陵墓」、「ティエンムー寺」の3つに分けることができます。見どころが点在しているため効率よく回るにはやはりツアーの利用が便利。ホテルまで送迎がついているツアーを選ぶと楽ちんです。
10:30 グエン朝各皇帝の陵墓めぐり
グエン朝各皇帝の陵墓は郊外に点在しており、3つの陵墓をまわるツアーが一般的です。
トゥドゥック帝陵 photo:世界遺産イェーイ!
グエン朝の皇帝の中で最も在位が長かった第4代皇帝トゥドゥックの帝陵。中国の陵制にならって作られていて中庭があるのが特徴。
カイディン帝陵 photo:世界遺産イェーイ!
第12代皇帝カイディンのお墓、「カイディン帝陵」。1920年から20年かけて作られました。
陵を守る石像 photo:世界遺産イェーイ!
トゥドゥック帝陵が中国の影響を受けていたのに対し、こちらはフランス・バロック様式の影響を受けています。
ミンマン帝陵 photo:世界遺産イェーイ!
第2代皇帝ミンマンのお墓。トゥドゥック帝陵と同様中国風に作られているミンマン帝陵。中国式の中庭や池があります。ミンマン帝は役人の登用試験を採用するなど賢帝として知られています。
それぞれの陵墓の間は、車で10分~15分。
12:30 ランチはフエ名物「ブン・ボー・フエ」
photo:世界遺産イェーイ!
コクのあるピリ辛スープに米でできた麺「ブン」が入っています。「ボー」は牛肉のこと。柔らかい牛肉がたっぷりとトッピングされています。
13:15 王宮&ティエンムー寺観光
王宮正門 photo:世界遺産イェーイ!
フエ観光のメインとなる王宮は、北京の紫禁城(故宮)の4分の3の縮尺でつくられたと言われています。約600m四方の城壁に囲まれた王宮内にフラッグタワー、大和殿などの遺跡があります。
大和殿 photo:ひさほ ゆう
ベトナム戦争で破壊されたものが多いですが、王宮正門などは補修が施され現在もその姿を残しています。
ティエンムー寺 photo:ひさほ ゆう
1601年に建てられたフエで最も古い寺院。お寺のシンボルで高さ21.24mの七層八角形のトゥニャン塔が、フォーン川に面してそびえ立っています。ここには、かつて老婆が「ここに支配者がやってきて塔を建てるだろう。」と言ったという伝説があります。実はその老婆が天女で、その天女を記念してティエンムー寺が建てられたそう。そのため「天女の寺」とも呼ばれています。
15:00 フエを出発
もし日程に余裕があればフエに1泊して、グエン朝の皇帝たちも舌鼓を打ったという華麗な宮廷料理を味わってみたいところ。
18:00 ホイアン到着!
2日目の夜はホイアンでゆったりと。ホイアンは街が世界遺産なので、ホテルを一歩出れば、それは世界遺産散歩。車や電車に乗って遠出をしなくても世界遺産が堪能できるのは、ホイアンならではの楽しみです。
ライトアップされた来遠橋 photo:ひさほ ゆう
ベトナムの2万ドン札にも印刷されている来遠橋は、1593年に日本の職人が作ったとされる木造の橋。当時、朱印船貿易の中継地点として多くの日本人がホイアンに移住し、最盛期には1000人もの人々が暮らし、日本人町がつくられました。
フエで華麗な王朝建築を堪能したあとは、国際貿易港として繁栄を誇ったホイアンでその面影を感じる・・・1日にベトナムを代表する2つの世界遺産を観光する贅沢な2日目。翌日も朝から世界遺産ツアーなので、早めに就寝しましょう。
3日目 世界遺産ミーソン&ホイアンを観光!
8:00 世界遺産「ミーソン聖域」半日ツアーへ出発
2日目は世界遺産「ミーソン聖域」へショートトリップ!フエと同様に、ホイアンのホテル発着半日ツアーを利用。ミーソン聖域は、ホイアンの南西約45kmとホイアンからはバスで1時間ほどのところに位置します。
photo:世界遺産イェーイ!
「ミーソン聖域」は2~19世紀までと長い間栄えたチャム人の国「チャンパー王国」の聖地で、ヒンドゥーの神々を祀るために4世紀頃に造営された宗教建築遺跡です。
チャンパー王国は、2世紀に中部フエ地方でチャム人が興した海洋国家。チャンパー王国は貿易の拠点となったことから繁栄を誇りました。
10:00 ミーソン遺跡到着!いざ観光へ
各ホテルでお客さんをピックアップしていくため少し時間がかかって到着。遺跡の入口でチケットを購入します。カートに乗って10分くらいで遺跡の入口に到着します。ミーソン遺跡はグループAからH に分類されており「グループBCD」、「グループA」、「グループEF」の3区画が主な見所。各グループの間は歩いて回ります。日を遮るものが全くないので、日傘や帽子はマスト!
グループBCD photo:世界遺産イェーイ!
遺跡のハイライトとなるグループBCD。しっかりと形が残されている遺跡が多いです。ミーソンの建造物はレンガを少しずつずらして積み上げて屋根を支える独自の構造で、接着剤を使わずに建てられているのが特徴。
グループBCD photo:世界遺産イェーイ!
壁面の装飾彫刻も美しい姿が残されています。グループAには東南アジア「チャンパの大塔」と呼ばれる28mの祠堂がありましたが、ベトナム戦争中、アメリカの爆撃により破壊され今は跡形が残るのみです。
グループEF photo:世界遺産イェーイ!
こちらにはミーソン最古の建造物があったと言われていましたが、戦争で消失。現在はこのように保護されています。ミーソン遺跡めぐりは、ジャングルの中の秘境探検みたいで楽しいです!ただ、とにかく暑いので熱中症対策はしっかりとして下さいね。
12:00 ホイアンへ出発
遺跡を観光するのは約2時間。バスに集合してホイアンへ戻ります。
13:45 ホイアン到着
ホイアンに戻ってきたら少し遅めのランチを。ホイアン旧市街の古民家カフェなどはいかがでしょうか。ホイアンには雰囲気の良いカフェがたくさんあります。
15:00 ホイアン観光
お腹もいっぱいになったところで、ホイアンの観光へ。暑い時間帯は、ホイアンのノスタルジックな建物の中を見学してみましょう。
陳祠堂(チャン家の祠堂) photo:ひさほ ゆう
19世紀に中国系の方が建てた、祖先礼拝をする場所兼住居です。ホイアンでは、チケットを買うと、陳祠堂のようなベトナム、日本、中国の建築様式が混在した伝統的家屋を見学することができます。
馮興家(フーンフンの家) photo:ひさほ ゆう
来遠橋から徒歩1分の馮興家。馮興家は約200年前に貿易商人の住居として建てられた家です。建物の中は中国っぽいレトロな雰囲気。2階からは来遠橋を見ることができます。
均勝號(クアンタンの家)の中庭 photo:ひさほ ゆう
典型的なホイアンの平屋の住宅。ホイアンには中庭のある造りの住宅が多いです。繊細な彫刻が美しい欄間も必見。
古くは海のシルクロードの拠点として栄え、17世紀には日本町、中国町などが形成され国際貿易港として繁栄したホイアン。最盛期には1000人以上の日本人が居住していたそうですが、江戸幕府の鎖国政策で帰国してしまいます。そのため日本人町は衰退し、現在の町並みはその後移り住んできた中国人の影響が強く残っています。
18:00 ホイアンの夕景を堪能
photo:世界遺産イェーイ!
ホイアンの建築に触れたあとは、どこか懐かしい風景が広がるホイアンを散歩してみませんか。ホイアンは夕暮れ時の風景も絵になります。やがて、色とりどりのランタンが飾られ、来遠橋など名所がライトアップされます。
photo:ひさほ ゆう
アンティークなカフェで夕食を食べたり、アンホイ島のナイトマーケットで屋台グルメを楽しんだりと、ホイアンの夜をゆっくりと過ごしましょう。
4日目 日本へ帰国
7:30 ホイアンの朝を堪能
photo:世界遺産イェーイ!
いよいよ帰国の日。ちょっとだけ早起きして、朝の風景を楽しんでみるのはいかが?実はアクセスを考えると、空港があるダナンの方が便利です。あえてホイアンを拠点とした理由は、ホイアンの朝、昼、夜と変化する風景を楽しんで頂きたかったからなのです。
朝の風景を堪能して朝食を頂いた後は、深夜までフリータイム。ダナン~日本便は深夜出発なので、4日目も有効活用できます。最終日は、空港があるダナンに移動して、ダナンの五行山や市内観光をしてみてはいかがでしょうか。
また雨季などスコールも多いベトナム中部。2日目のフエや3日目のミーソンなど、ツアーの日に天候が悪い場合は、ツアー会社と相談した上で旅程を入れ替えて、4日目にツアーを利用するのもおすすめの過ごし方です。
深夜 ダナン空港から日本へ出発
ベトナム航空のダナン~成田便は深夜出発です。なお、飛行機の時刻については、2019年12月の情報なので、最新の情報をチェックして下さいね。
以上、3泊5日歴史に触れるベトナム中部の旅はいかがだったでしょうか?毎朝早起きで少々忙しい感もありますが、世界遺産3件を余すことなく堪能できるスケジュールになっています。世界遺産めぐりは天候が良い日を狙いたいので、最終日を使って旅程の変更ができるのもポイントです。
(text : 鈴木かの子)
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