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女子1人旅でも気軽に寄れる

バンコク星付きシェフが手がける! ぶっかけご飯のおしゃれ食堂

2018年、バンコクのタイ料理界で話題となったのが、David Thompsonシェフの「nahm」離脱のニュース。ロンドンの「nahm」でミシュランの星を獲得した後、満を持してバンコクにも店舗をオープン。バンコクで外国人のタイ料理シェフがまだ珍しかった当時、オーストラリア人のタイ料理シェフとして期待と少しの不安を持って迎えられた彼は、本場タイでも「nahm」を瞬く間に予約困難店へと導き大成功を収めました。そのDavid Thompsonシェフが「nahm」を離れた翌年、同じバンコクにオープンしたのが、ここ「Someday Everyday」です。

好きなおかずをごはんにかけるタイ屋台スタイルが大好評!
「Someday Everyday」


選べるおかずはタイのストリートフードが中心 著者撮影

バンコクでも屈指の高級タイ料理レストランだった「nahm」とは打って変わって、こちらはタイではカオラートゲーンと呼ばれる、いわゆるぶっかけごはんスタイルのカジュアルな食堂。カオはごはん、ラートはかける、ゲーンはおかずを意味し、ずらりと並んだバットの中から好きなおかずを1〜3種類ほど選びごはんにかけてもらって食べる、タイの屋台や食堂でよく見かけるタイプのお店です。


1階には料理が入った鍋などが並ぶカウンターが。料理を注文したら、奥で会計をするシステム 著者撮影

ストリートにあるカオラートゲーン屋台と同様に、こちらでもその日のおかずが入った鍋やバットにずらっと並んでいるので、オーダーは基本指差しでもOK。料理名を聞いてもどんな料理かわからないからつい同じものばかりオーダーしてしまう、という人も、ここなら料理を見ながらオーダーできるのでいつもとは違うメニューにも挑戦しやすいはず。また、ごはんにおかずを1品かけると90バーツ、2品かけると120バーツなど、値段のシステムがわかりやすいのも外国人には嬉しい点です。


ごはんとは別盛りのおかずスタイルでもオーダー可能 著者撮影

ごはんを盛った皿に何種類かのおかずを直接かけていただくスタイルが一般的なカオラートゲーンの店ですが、実はごはんにかけず、別盛りでオーダーすることも可能。わたしもそうですが数種類のおかずの味が混ざるのが嫌な人や何人かでいろんなおかずをシェアしたい場合などに、このおかずスタイルでオーダーしているタイ人を屋台でもよく見かけます。ごはんにかける場合は「ラートカオ」、別盛りにしたい場合は「ガップカオ」と言うだけで、屋台でも簡単に通じるのでお試しを。もちろん、この店でも別盛りも可能。その場合はごはん1皿とおかず1品で120THB、ごはん1皿とおかず2品で220THBなど、ぶっかけの場合とは少し値段が変わります。


ジャップチャーイ  著者撮影

パットマクア著者撮影

カジュアルなカオラートゲーンの食堂といっても、手がけているのがDavid Thompson氏とかつて「nahm」のヘッドシェフとして活躍していたPrin Polsuk氏というタイ料理界の超エリートだけに、普通の屋台では決して食べられないような手の込んだメニューも。例えば野菜をクタクタになるまで煮込んだ中華系タイ料理の定番メニュー、ジャップチャーイにはスモークダックをトッピング。和食にも通ずるあっさりとした味わいの野菜煮込みに燻製の香りとダックの旨みが加わり、口に含んだ瞬間にふわりと広がる香りにハッとさせられます。バジルの香りがナスの甘さを引き立てるパットマクアや辛さと酸味のバランスが絶妙なスープ、ゲーンソムも、普通の屋台とは一線を画す味わい深さ。ハーブやスパイスをパキッと効かせた鮮やかな味わいは、アレンジを加えず昔ながらのタイ料理の味を守っていたnahm時代を彷彿とさせてくれます。並ぶおかずは日によって異なりますが、ハーブ&スパイス使いの技が際立つ辛さのあるスープやカレー系のメニューは、ぜひ一品味わってみることをおすすめします。


デザート各種 50 THB〜 著者撮影

タイの伝統的なメニューを中心に、デザートも4〜5種類用意。どれも程よい甘さで食べやすいのですが、個人的にはもち米とココナッツミルクの組み合わせがタイ版のお汁粉みたいでおいしいカオニャオピアックがおすすめ。食後に食べるには正直ちょっと重い気もしますが、和菓子とココナッツミルクが好きな方なら、きっと気に入ると思います。


2階の広々とした飲食スペース 著者撮影

料理の注文と支払いを終えて2階に上がると、明るい自然光が入る広々としたスペースが。内装はバンコクの話題のスポットをたくさん手がけているタイの有名建築家、Duangrit Bunnag氏が担当。フォトジェニックでとってもかわいい店内は、まるでヨーロッパの人気カフェのような洗練された雰囲気です。今話題のショップやカフェ、スパなどが集まるWarehouse30の中にあり、ショッピングがてら訪れるのにもぴったり。女子1人旅でも気負わずに有名シェフのタイ料理を味わえる、今までのバンコクにはありそうでなかった一軒です。

 
(text & photo : 白石路以)

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