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アユタヤのワット・ヤイ・チャイ・モンコンphoto:世界遺産イェーイ!
悠々と横たわる涅槃像に、尖った屋根が目を引く寺院。タイにはアユタヤをはじめとした、日本では見ることができないような世界遺産があります。まだまだ海外旅行をするのは難しい日々が続いていますが、次に訪れるならタイでエキゾチックな世界遺産をめぐる旅はいかがでしょうか?
今回の記事では、タイを代表する世界遺産アユタヤとスコータイに注目!また今は世界遺産ではないけれど、将来世界遺産になるかもしれないスポットについてもご紹介していきます。
アユタヤと周辺の歴史地区
ワット・ヤイ・チャイ・モンコン photo:世界遺産イェーイ!
3つの川に囲まれた中洲にあり、まるで島のようなアユタヤ。その恵まれた立地から、国際都市として発展し「水の都」ともよばれていました。アユタヤ朝の都として最も栄えていたときには、3つの宮殿、100の門、400の寺院、1万体もの仏像があったそう!絢爛豪華な寺院の数々は、ビルマ軍信仰により被害を受けましたが、現在は壮麗な遺跡としてアユタヤ時代の栄華を伝えています。
ワット・プラ・シー・サンペット photo:世界遺産イェーイ!
代表的な寺院は、3つの川に囲まれた中州内に集まっています。こちらは中洲にある、3人の王が眠るアユタヤ最大の寺院「ワット・プラ・シー・サンペット」。3基の仏塔は高さ約40m!漆喰でつくられおり、天をつくような尖った塔が特徴。このような塔の様式を「スリランカ様式」と言います。
ワット・ヤイ・チャイ・モンコン photo:ひさほ ゆう
アユタヤの島の外側(南東)にある「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」。高さ62メートルの仏塔を囲むようにずらりとたくさんの座仏像が並んでいます。仏像が羽織っている黄色い袈裟は、信徒から寄進されたもの。タイは敬虔な仏教徒が多い国。アユタヤは現在でも仏教信仰の中心地なのです。
ワット・プラ・マハータート photo:世界遺産イェーイ!
ビルマ軍にアユタヤが滅ぼされたときに切り落とされた仏像の頭部。長い年月をかけて菩提樹に絡み取られたために、驚くほど神秘的な雰囲気をたたえています。ここだけ空気が違うような、この神聖な雰囲気は実際に目の当たりにした人にしかわからないかも?と思ってしまうほどです。なお、人と仏頭を一緒に記念撮影するときは、仏頭よりも人の頭が高い位置にならないようにご注意を!信仰の場でもあるので、マナーを守って観光しましょう。
ゆったりと象が歩くアユタヤ photo:世界遺産イェーイ!
バンコクからアユタヤまでは車で約1時間半。日帰りトリップも可能です。ちなみに「初めての海外旅行でおすすめの世界遺産は?」と聞かれた時に、筆者がおすすめしているのがアユタヤ。見応え、アクセス、治安、旅行のしやすさなど、どれをとってもおすすめできる世界遺産です。
アユタヤと周辺の歴史地区
登録 | 1991年 |
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登録基準 | 「③文明の証拠」 |
アクセス | 日本からタイの首都バンコクまで直行便で約5時間半。バンコクからアユタヤは車で約1時間半。 |
スコータイと周辺の歴史地区
ワット・スラシー photo:世界遺産イェーイ!
スコータイ朝は、カンボジアのアンコール朝の支配から独立し、タイ人初の独立国家となった王朝。約200年の間隆盛を誇ったスコータイには、王宮や多くの寺院が存在しました。このスコータイ朝は、後にアユタヤ朝に併合され幕を閉じることになります。
ワット・スラシー photo:世界遺産イェーイ!
アユタヤ併合後は放置されジャングルに埋もれていましたが、1960年代にユネスコの支援のもとに修復され、現在のような姿になりました。破壊されてしまった遺跡が多いアユタヤとは違い、スコータイの遺跡は当時のままの形が残されているものが多いです。
スコータイは、城壁に囲まれたメインエリア、城壁北エリア、城壁西エリア、城壁南エリア、城壁東エリアの5つのエリアに分かれています。メインエリアだけでも東西約1.8km、南北約1.6km、約70万平方mと巨大です!
ワット・マハータート photo:世界遺産イェーイ!
城壁の中心にある「ワット・マハータート」。200m四方の巨大な境内には200以上もの大小の仏塔が並んでいます。仏塔の上の方が少し膨らんでいるように見えますが、これは蓮のつぼみの形をデザインしたもので、スコータイ寺院の特徴のひとつ。「スコータイ様式」とよばれています。
ワット・トラパン・ングン photo:世界遺産イェーイ!
こちらは城壁内にある「ワット・トラパン・ングン」にある遊行(ゆぎょう)仏で、仏陀の歩く姿を描いてます。ほっそりとして流れるような体の線が美しい仏像のデザインも「スコータイ様式」の特徴。歴代で最も美しい形の仏像とされています。
スコータイと周辺の歴史地区
登録 | 1992年 |
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登録基準 | 「①人間がつくった傑作」、「③文明の証拠」 |
アクセス | 日本からバンコクまで直行便で約6時間。バンコクからスコータイまで飛行機で約1時間半。 |
ここからは未来の世界遺産についてご紹介!世界遺産登録を目指している物件は「暫定リスト」という国別の候補リストに記載されます。このなかから条件が整ったものが推薦され様々な審議を経て世界遺産に登録されるのです。現在タイで暫定リストに掲載されているのは、全部で7件。その中からぜひおすすめしたい2件をご紹介します!
チェンマイ
北方のバラとも称される古都チェンマイ。タイ北部を治めていたラーンナー・タイ王国の首都として約600年も都として栄えたところです。チェンマイ市内には数多くの歴史ある寺院が残されています。観光地としても人気上昇中で、荘厳な仏教寺院をまわったり、おしゃれなカフェを訪れたりとマルチに楽しめる街でもあります。
ワット・プラ・タート・ドイ・ステープ ©TRIPPING!
世界遺産に登録されるかもしれないのは、バンコクなどでは見ることができないような、ラーンナー・タイ王国独自のスタイルである寺院など。インド、ビルマ、スコータイ、アユタヤなどからの影響を受けたラーンナー・タイ王国の建物は必見です。
タイ北部で最も神聖な寺院とも言われている「ワット・プラ・タート・ドイ・ステープ」。チェンマイ市内から車で約30分、標高1080mのステープ山の山頂にあり、タイ仏教の聖地としても信仰を集めています。仏塔の脇に建てられた金色の傘はラーンナー風のスタイル。寺院の境内には、チェンマイ市内を一望できるテラスもあるので、緑あふれる美しい街を見渡してみましょう。
ワット・スアン・ドーク photo:世界遺産イェーイ!
チェンマイ市内にある多くの寺院も、未来の世界遺産かもしれません。こちらの「ワット・スアン・ドーク」は、城壁の東側にある寺院。巨大な座像と立像が背中合わせに安置されている姿に圧倒されます。
パノム・ルン遺跡
写真提供:タイ国政府観光庁
タイ東北部カンボジアとの国境近くに位置するパノム・ルンは、クメール王国の神殿跡で、こちらも暫定リストに掲載されています。遺跡の建立はアンコール・ワットとほぼ同じ時期である12世紀頃。パノム・ルンとはクメール語で「大きな丘」を意味し、天気の良い日には丘の上に建てられた神殿からカンボジアの国境まで見渡すことができます。
またパノム・ルン遺跡から5kmほどのところにあるムアン・タム遺跡も見逃せないスポット。クメール様式のヒンドゥー教寺院でパノム・ルンよりも少し前の10世紀~11世紀に建てられたとされます。遺跡公園の隣には、貯水池として使われた巨大な人工池があり、これは歴史的に大変価値のあるものです。
改めてタイには魅力的なスポットがたくさんあることを感じます。実は筆者が今一番訪れたい国はタイ。自由に海外を訪れることができる日がやってきたら、この記事でご紹介したところをゆっくりとめぐりたいです。
(text : 鈴木かの子)
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