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タイで大人気!カルビーのスナック菓子はディップして食べる!?

著者撮影

タイには日本のお菓子メーカーが多数進出しています。明治製菓、グリコ、ロッテ、森永製菓、亀田製菓。すっかりスーパーマーケットやコンビニの定番と化し、タイ人の舌に馴染んだ菓子も少なくありません。  

カルビーの「かっぱえびせん」もその一つ。日本版よりも少し味を濃くした「かっぱえびせん」はタイ人に人気のアイテムに成長していますが、カルビータナワット社(カルビーの現地法人)の売上の60%ほどを占めているのは看板商品の「かっぱえびせん」ではなく、スティックタイプのポテトスナック「ジャックス」。日本では販売されていないスナック菓子です。

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なぜ、「ジャックス」が売れているのでしょう。味もパッケージもよく似た商品が氾濫し、強い競合が存在する「かっぱえびせん」とは別に、新たな売上の柱を作りたいと考えたカルビータナワット社は、フレンチフライの「ジャックス」を1998年に発売しました。  

これが大成功。タイ人の支持を得たのです。成功した要因は、フレンチフライのさくさくとした食感に加えて、ケチャップ入り小袋を入れたこと。フレンチフライにたっぷりとケチャップをつけて食べるタイ人が多いことにヒントを得た商品設計です。  

食べてみるとわかりますが、小袋に入ったケチャップはやや甘め。甘さを好むタイ人に受けるケチャップは、フレンチフライとよくマッチします。食感とケチャップとの組み合わせが「ジャックス」をヒット商品に押し上げました。  

著者撮影

興味深いのは、「ジャックス」には競合がほとんど見当たらないこと。一つの商品が人気を得るや否や、明らかにそれを真似した商品が後追いする菓子の市場では珍しい現象です。 理由は、ケチャップを入れている小袋を作る技術力にありました。小袋にケチャップを詰める作業は、完全に機械化ができないといいます。特定の工程は人的な作業が欠かせません。ケチャップを一定量詰める作業、製造ラインで流れてくるフレンチフライの袋にケチャップの小袋をタイミング良く入れる作業には繊細な目配りが必要です。  

カルビータナワット社では問題を見つけると、仮説を立て検証を繰り返し、商品の精度を上げました。いまでは「ジャックス」の小袋に関するクレームは限りなくゼロ。競合が現れても、この精度を実現できる菓子メーカーはなく、進出しては撤退が繰り返されています。結果、ケチャップをディップして食べるフレンチフライのスナック菓子ジャンルは「ジャックス」の独壇場なのです。タイに来たらぜひ、日本の技術力と改善活動が実現した「ジャックス」を味わってみませんか?    

(text & photo : 三田村蕗子)

 
タイのビジネスシーン探訪
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