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- 小さなカンボジアをお届け!手仕事雑貨のオンラインショップ
写真提供:SALASUSU
長らく続くパンデミックによる移動制限。海外旅行再開を心待ちにしている方も多いと思いますが、もう少し時間がかかりそうな様相です。
今回は、日本でオーダーできる、カンボジアで作られた手仕事雑貨のオンラインショップをご紹介。プロダクトのバックストーリーとともに、カンボジアの温かい風をお届けします。
コロナ禍のカンボジア
アンコール・ワット 著者撮影
カンボジアはコロナウィルス感染者が比較的少なく(2020年8月31日現在、累計感染者274名、死者0名)、一部の施設や学校を除き、今では普段通りに近い生活が営まれるようになりました。
しかし、海外との往来は厳しく制限されており、外国から旅行客はほぼ入って来られない状態です。シェムリアップ空港も、国際線ターミナルはクローズ。年間200万人以上の外国人旅行者を受け入れてきた観光の街は、ひっそりと静まり返っています。現地の人は「こんなシェムリアップ初めてだ」と、肩を落としていました。
写真提供:pavanasara
それでも彼らはたくましい。もともと「人との距離が近い」カンボジア人。コロナ禍でも人との繋がりは絶えることなく、お互いを支え合いながら、笑顔でこの苦境を乗り越えようとしています。
カンボジアでは当たり前の「人と人との触れ合い」は、人との距離が離れてしまった今、私たちが最も求めているものではないでしょうか。彼らが一つひとつ作り上げた、ハンドメイドのプロダクト。そこに宿る、人の温もりとやさしさを感じてみてください。
しなやかでたくましい、トンレサップ育ちのカゴバッグ
pavanasara
写真提供:pavanasara
カンボジアが有する、東南アジア最大の湖・トンレサップ湖。pavanasara(パヴァナサラ)は、トンレサップ湖に自生する水草・ウォーターヒヤシンスで編んだバッグや小物をプロデュースしています。
トンレサップ湖での刈り取り風景 写真提供:pavanasara
バッグを編む村の女性 写真提供:pavanasara
シェムリアップ観光の人気コースとして知られる、トンレサップ湖クルーズ。pavanasaraのバッグは、その乗船場近くにある、プノンクロム村の女性たちによって作られています。
ウォーターヒヤシンスは、雨季になると湖面をびっしりと覆い尽くします。女性たちは手漕ぎ船で刈りに行き、10日間ほど天日干しに。それを炭火で蒸すことで、硬く真緑の水草は柔らかい乳白色になります。その後もう一度乾燥させて、ようやく編み作業に取りかかります。
刈り取りから約2週間、ついにバッグの完成です。湖に浮かんでいた水草が美しいバッグに変身するまでには、長い時間と人の手間がかかっているのです。
左/トートバッグ チェンダ、右/バッグ・アマラ 写真提供:pavanasara
ウォーターヒヤシンスの茎は、繊維が強く中が空洞なので、軽いのに強くてしなやか。はじめは少し固さを感じますが、使い込むほどいい塩梅に。手にやさしく馴染む感触は、自然素材ならではの魅力です。
バッグは小さめのお出かけ用から、ノートPCも持ち運べる大きなものまで様々。自分好みの「マイ・カゴバッグ」を見つけてください。
■pavanasara
https://www.pavanasara.com
バナナペーパーに描かれる、自由で多彩なカンボジア
Ashi
写真提供:Ashi
バナナの木の幹から作られた、濡れても破れない特殊な紙Ashi(亜紙)。「カンボジア」をテーマにした多種多彩なイラストが描かれたAshiのポーチは、シェムリアップみやげの新定番として注目されています。
自然な風合いのバナナペーパー。後方はバナナの木 写真提供:Ashi
バナナは、カンボジアのどの家にも常備されている身近な果物。「カンボジアにある素材でものづくりをしたい」と考えていた代表の山勢拓弥さんは、バナナの木の幹の繊維を使った、バナナペーパー作りに挑戦。さらにそこから独自に開発を進め、1年間の試行錯誤の末に生まれたのがAshiです。異なる素材と組み合わせることで、洗っても破れない、強度の高いクリーンな素材を生み出しました。
作業風景 写真提供:Ashi
Ashiの工房はシェムリアップから25km離れたアンルンピー村とプノムダイ村にあります。ゴミ山のある村としても知られる場所ですが、商品作りを進める中、「ここで働きたい」という村民が徐々に集まり、今は13名の作り手さんが従事しています。
フラットポーチ 写真提供:Ashi
アンコール・ワットの文様柄。右下はコースター 写真提供:Ashi
Ashiの顔とも言えるフラットポーチ。その絵柄は少しずつ増えて、現在は55種類にもなるそうです。“バナナのキャンバス”から生まれる無限のデザイン。のびのびと描かれたそれらは、制限されることに慣れた私たちの心を、明るく自由に解き放ってくれるようです。
そっとカバンにしのばせて、「自由なカンボジア」をいつでも供にしてください。
■Ashi
https://kumae.handcrafted.jp
「学校」から生まれたライフスタイルブランド
写真提供:SALASUSU
「人生という旅を応援する」ライフスタイルブランドSALASUSU(サラスースー)。シンプルで上質、それでいて気取らない。どこにでも持っていきたくなるバッグや小物は、特別な日のギフトとしても喜ばれています。
クチャ村にある工房 写真提供:SALASUSU
バッグを縫う女性スタッフ 写真提供:SALASUSU
シェムリアップから35km離れたクチャ村にあるSALASUSUの工房では、現在43名のカンボジア人女性が働いています。
SALASUSUのSALAは、クメール語で「学校」の意味。この工房は彼女たちの働く場でもあり、学びの場でもあります。ここで働く女性の多くは、小学校を中退するなど、生い立ちに困難を抱えているそうです。工房では、生きていくためのライフスキルを教えるプログラムや、託児所を用意。女性たちが安心して働きながら学べる、環境づくりに力を入れています。
左/トラベルサコッシュ、右/ホリデイトート 写真提供:SALASUSU
「完成度が高い」と評判のSALASUSUのプロダクトは、小さなアップデートが何度も重ねられています。顧客からのフィードバックを反映し、改善する。スタッフの隅々まで声が行き渡る、チームワークの良さが商品に表れているようです。
SALASUSUでは、工房訪問のオンラインツアーを2020年10月中にリリース予定。作り手さんに会える企画も進行中だそうです。画面越しに、カンボジアの村にトリップしてみませんか?
■SALASUSU
https://salasusu.com
「新しい日常」に彩とワクワクを
Sui-Joh
Sui-Joh webサイトより
プノンペン発のアパレルブランドSui-Joh(スイジョー)。2012年のオープン以来、仕立ての良いカスタムメイドシャツや機能的な服飾小物を中心に、実力派テーラーとして人気を集めています。
本店の看板 写真提供:Sui-Joh
工房で作業をするカンボジア人テーラー 写真提供:Sui-Joh
プノンペンのシンボル・独立記念塔近くの路地にある、Sui-Johの本店兼工房。ショップの奥の小さな作業場からは、毎日ミシンの音がカタカタと響いています。
オーナーの浅野佑介さんは、2010年に渡カンボジア。プノンペンの大学院に通う中、地元のテーラーでシャツを作ってみたところ、その技術の高さに驚いたそうです。カンボジアでもいいものが作れる、そして、負のイメージが先行しがちなカンボジアの良い面を発信していきたい。そんな想いから、プノンペンで起業をしました。
テーラーメイドリネン7分丈シャツ 写真提供:Sui-Joh
ブックカバー 写真提供:Sui-Joh
Sui-Johの商品は、「カンボジア?」と思ってしまうくらいに、シンプル&スタイリッシュ。ですがよく見てみると、シャツの襟口や小物の裏地に、カンボジアの伝統織物「クロマー」やゾウの柄布が使われていたりします。伝統と洗練、そして遊び心がミックスされたデザインは、エネルギッシュに発展する首都プノンペンそのもののようです。
Sui-Johのアイテムは、少しくすんだ「新しい日常」に、彩とワクワクを添えてくれることでしょう。
■Sui-Joh
https://www.suijoh.shop
アフターコロナには、ぜひ現地のお店や工房を訪ねてみてください。きっと笑顔で迎えてくれるはず!
(text: 矢羽野 晶子)
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