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- 日本の有給休暇事情2020年! 取得率5年ぶり減も若者はステイホーム上手?
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世界的な総合旅行ブランドの一角を担うエクスペディアが、10年以上継続して行っている「有給休暇の国際比較調査」。世界中がコロナ禍に見舞われた2020年の調査結果が発表され、日本人の有給休暇取得日数・取得率は5年ぶりに減少したことが分かった。
2013年以来初の年間有休取得日数10日割れ
写真提供:エクスペディア・ジャパン
世界16の地域、計9,200名を対象とした今回の調査。新型コロナウイルスの影響から、2020年の有給休暇の取得日数は世界的に減少傾向となっており、日本の場合は例年の10日から2020年は9日と、一日減少している。年間取得日数が10日を下回るのは、2013年ぶりだ。
もともと日本では2016年からの4年間、有給休暇取得日数が10日、取得率にして50%を維持していた。それが2019年4月より導入された「年5日の有給休暇取得の義務化」(出典:厚生労働省「年次有給休暇の時季指定」)により、2020年は取得日数の増加・改善が見込まれるはずであった。しかし新型コロナウイルスの蔓延とそれに伴う緊急事態宣言発出などの劇的な環境変化により、5年ぶりに有休取得日数・取得率とも低下したと見られる。
ちなみに取得日数がどれだけ減少したかのみに焦点を絞ると、日本の数値は世界的には最も少ない減少幅となっており、例えばイギリスは前年から8日減、マレーシアやオーストラリアは7日減、イタリアやニュージーランド、アメリカは5日減だった。ただし有休取得率45%という数字は、世界的に見て低い水準なのは間違いない。(※1より)
■参照元:エクスペディア・ジャパン「有給休暇・国際比較調査2020」第一弾(※1)
https://welove.expedia.co.jp/press/50614/
若い世代ほど“おうち時間”に適応? 2020年は「休み不足を感じる」率が減少
写真提供:エクスペディア・ジャパン
次に、3つに分けた世代別の取得状況を見てみよう。
2020年最も有休取得が少なかったのは、50歳以上の9日だ。しかしながら2019年との減少幅で見ると、最も変動があったのは18歳~34歳。2019年の15日から、5日減った10日の取得日数と、実に2/3に低下する結果となった。
ちなみに「コロナ禍において有給休暇の取得は簡単だったか、困難だったか」という問いに対し、日本は「変化なし」と答えた割合が76%にのぼり、これは調査対象地域のなかでもトップの数字となっている。(※1より)
写真提供:エクスペディア・ジャパン
一方で、「休み不足を感じているか」という問いではまた違った結果が。
18歳~34歳のうち、2019年に「休み不足」だと回答した人は68%だったのに対し、2020年は有休取得が減っているにもかかわらず、これが41%。つまり「休み足りない」と感じている人の割合は、若い世代では減っているのだ。これは35〜49歳の中堅世代も同様で、2019年の53%が2020年は43%となっている。これに対し、50歳以上の世代では「休み不足」と感じている割合は50%のまま、変化がなかった。
外出制限とそれに伴う自粛生活が長引き、リモートワークも進んだ結果、自宅で過ごす時間が増え、若い世代ほど休暇取得日数の低下や「休み不足」を感じなかった……とも考えられる。なお「直近の休暇はどこにも行かず、家で過ごした」と回答した割合が、日本は76%。このステイホーム率は世界一で、調査対象地域のなかでも第2位の香港58%に大きく差をつけている。(※1より)
「有休取ります!」は言いやすい時代に? 「上司・会社が協力的」は増加傾向
写真提供:エクスペディア・ジャパン
日本らしいと言って片付けるのは残念だが、「休みたくても言い出しづらい……」という人は、やはりまだまだ少なくないのではないだろうか。しかし2020年の調査では、この点に改善の兆しが見られた。
「上司/会社が休暇取得に協力的か?」という質問に対し、「はい」と回答した人は前年の53%から65%に上昇。12%の増加が見られた。これも先の「年5日の有給休暇の取得義務化」が良い影響を及ぼしたのかもしれない。
写真提供:エクスペディア・ジャパン
しかし世代別の結果を見ると、「はい」と回答した割合が最も低いのは18歳~34歳の若手世代。また「わからない」と回答した人の割合も、25%とどの世代よりも高くなっている。やはり若手ほど会社や上司に休暇を言い出しづらい……というムードはありそう。反対に会社や上司の視点からは、より気軽に社員が休暇を取りやすい環境づくりをする必要があるといえるだろう。
あなたの理想の休暇は? 世代別“最も幸せな”過ごし方
写真提供:エクスペディア・ジャパン
最後に「最も幸せだと感じる休暇の過ごし方」という設問では、世代間で回答にばらつきが見られた。
18歳〜34歳の若手世代では「なにもせずにリラックスできること」が1位、「いつもよりも睡眠をとれること」が2位になっているのに対し、50歳以上の世代では「日常のルーティーンから解放されること」 が1位に。この結果から、若い世代は休暇に癒しやリラックスを、50歳以上の世代は休暇の際は普段と違う時間を過ごしリフレッシュすることを求めているようだ。また50歳以上の世代のみ、トップ3に「家族や友人と上質な時間を過ごすこと」がランクインしている。
なお「なにもせずにリラックスできること」「日常のルーティーンから解放されること」は、それぞれどの世代でもトップ3にランクインしている。その最良の過ごし方といえば、やはり東南アジアのリゾート地をはじめ、海外もしくは国内への旅行だろう。実際今回の調査からも日本人の旅行熱が高まっていることが見て取れ、「死ぬまでに行きたい旅行先リストが増えた」と答えた人は55%、「2021年は予定より旅行に費用をかけようと考えている」と答えた人は59%と半数以上を占めた。(※1より)
世界情勢が落ち着いた頃にまた旅行へ赴き、思う存分休暇を楽しめるその日まで、今は旅先の情報収集や、おうちで旅行気分が味わえるコンテンツなどを利用して過ごそう。
■アンケート概要
サンプル数:計9,200名/16地域
調査対象:日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、オーストラリア、 ニュージーランド、香港、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、台湾
調査期間:2020年11月18日~12月9日
調査方法:インターネットリサーチ
調査会社:Northstar Research Partners
※本調査では小数点第1位で四捨五入しているため、足し上げても合計数値が100%とならない場合があります。
■参照元:エクスペディア・ジャパン「有給休暇・国際比較調査2020」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000219.000003373.html
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