タイ
グルメ
開店から1時間で売り切れも!

一度は食べたいバンコク中華街名店のガチョウ煮込み

著者撮影
ヤワラー通りから1本はずれた、中華街の細い路地の一角。ここに、いつも満席で賑わう小さな食堂があります。店頭に下げられているのは、カオマンガイとは一味違う焦げ茶色、さらにタイで人気のペットパロー(ダックの煮込み)よりひと回り大きい、ガチョウの煮込み! ハーンパローと呼ばれるこの料理を求めて、店の前にはオープン前から中華系のおじさんたちが集まり、開店から1、2時間後には売り切れてしまうことがほとんど。そのため常連さんの多くは予約をして訪れるという超人気店なのです。

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臭みもクセもない肉は柔らかく弾力があり、奥深い香り!
「ウライ ハーンパロー」


オープン30分前にはすでに待っている人の姿が。スタッフッはまだ食事中(笑) 著者撮影 
知らなければ通りすぎてしまうような地味な食堂ながら、実は先代から50年以上続いているという老舗。それだけに、家族代々中華街で暮らす人たちの間では知らない人がいないほどの有名店で、オープン前から予約の電話が鳴り止むことはありません。


初代オーナーの息子さん。二代目として、店を切り盛り 著者撮影 
おいしさの秘密は、一度に最大で20羽ほど煮込めるという大鍋に注がれたスープにあります。シナモンや八角などの中華スパイスのほか、ニンニク、パクチーの根なども入ったスープは、50年以上にわたりつぎ足しながら使われているというこだわりが詰まったもの。そのスープで煮込まれたガチョウの肉は、しっかりと濃い茶色に染まった見た目からは想像もできないほど上品で香りがよく、優しい味わい。柔らかく弾力のある肉は臭みやクセも一切なく、いくらでも食べられそうなおいしさです。


ハーンジャンヤイ(大) 320THB 著者撮影 
こちらは3人くらいで食べるのにちょうどいいサイズ。あっさりと食べやすい肉と、脂身もある柔らかな肉が盛られていて、バランスよく楽しめます。タレは醤油ベースのものと酸味のある爽やかな味わいの2種類があり、両方を使いわけつつ味わっていると、あっという間に完食! とくに酸っぱいタレはほんのりと甘みのある脂の旨みを引き立ててくれて、皮との相性が抜群です。醤油ベースの茶色いタレは、ご飯に直接かけて食べるのもおすすめだそう。もっと小さいサイズはもちろん、頭や足などの部位をオーダーすることも可能。また量が少ないため週に2日ほどしか出せないというホルモンもあるので、気になる方はぜひ予約してお試しを!

ナムゲーン 50THB 著者撮影 
嬉しいのが、野菜たっぷりなスープもオーダーできること。タイのこういった煮込み店には具の少ないシンプルなスープしかないことも多いのですが、ここのスープは青菜がたっぷりと入っていて、ガチョウ煮込みの箸休めにぴったり。この日は苦味が爽やかな中国野菜、グリーンセロリでしたが、野菜の種類は日によって変わることもあるようです。


朝からガチョウ煮込みを囲む、中華系タイ人のおじさんたち 著者撮影 
営業時間は朝10時から13時まで、ということになっていますが、12時前には売り切れてしまうことがほとんど。早い時には11時前後に売り切れることもあるそうなので、確実に食べたいのなら予約をして出かけるか、開店前から店に行って席を確保しておくのがおすすめです。


裏路地にある小さな食堂。赤い看板とガチョウが目印 著者撮影 
もともとは潮州料理だというこのハーンパロー。ヤワラー付近は潮州出身の中華系タイ人が多いこともあり、営業中はいつもたくさんのお客さんで賑わっています。並んでいることはほぼないのでそれほど混んでいないようにも見えますが、大量にお持ち帰りをする人も多いので油断は禁物。まだ空いているから後で来よう、なんて思うとあっという間に売り切れるので、諸々の用事は後に回して、ヤワラー散策はまずここからスタートするのが正解です!

(text & photo : 白石路以)

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