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- バンコクで究極のガパオ炒めを探す旅
著者撮影
コンビニのお弁当などにも登場するほど、日本でも人気のあるガパオ炒め。日本ではピーマンや玉ねぎなどを加えることもありますが、タイで食べられているガパオ炒めは、肉、ガパオ(ホーリーバジル)、ニンニク、唐辛子のみを加えるシンプルなものが主流。肉の旨みとガパオの香り、ニンニクと唐辛子の刺激をガツン!とストレートに味わえるのが魅力なので、玉ねぎなどを加えることで水分や甘味が出てしまうのは、ちょっともったいないかな……、という気もします。
材料と調理法がシンプルな分、ちょっとした調味料の配合や炒め具合で味わいに大きな差が出ることも。それだけに、「ここだ!」と思えるお気に入りの店を見つけるのが意外と難しい料理でもあります。そこで今回は、個人的に信頼している舌を持つタイ人からの口コミを元に、評判の店を食べ歩いてみることに。究極!と思える逸品から、初心者にも食べやすい入門編まで、さまざまなガパオ炒めをご紹介します。
タイスキ食堂の隠れ人気メニュー!究極においしい牛肉のガパオ炒め
「イアウ フア スッキーボラーン」
タイスキ専門店。1階席には1人用の小鍋が並ぶ 著者撮影
バンコクで人気のタイ料理店を経営する友人に「おいしいガパオ炒めを食べられる食堂、知ってる?」と聞いたところ、1番に上がったのがここ。店名の通りタイスキの専門店なのですが、もともと柔らかく、甘みのある上質な牛肉がタイスキで食べられる、ということで評判になった店なのだとか。一品料理として出しているガパオ炒めにもその牛肉を使用しているため、いつしかその味わいが評判に。今ではガパオ炒めだけを食べに来る人も多く、食通タイ人の間では「パットガパオヌア(牛肉のガパオ炒め)がおいしい店」として有名になっています。
カオラート パットガパオヌア 120B。目玉焼きは20B 著者撮影
ひと口食べて驚くのは、牛肉の柔らかさ。タイの牛肉を使っているとは思えないほどに柔らかな肉に、ニンニクの香りと唐辛子の辛さ、大ぶりで香りの強いガパオの葉の爽やかな香りがしっかりと絡み、噛みしめるほどに牛肉の甘みが引き立ちます。炒める前にマリネすることで柔らかさを出したり、大ぶりのガパオの葉を使用したり。シンプルな料理だからこそ、おいしくするための細部へのこだわりが感じられる、究極のひと皿。鶏肉のガパオ炒めもありますが、断然牛肉がおすすめです。
著者撮影
イアウ フア スッキーボラーン
・住所:12 Soi Chula 14, Bangkok
・電話:(+66)2-214-4558
・時間:11:00-22:00 ※定休なし
路地裏のローカル食堂で見つけた、正統派のシンプルガパオ炒め
「ラーン カイチアオ」
パットガパオガイ カイダーオ 45B 著者撮影
何気なくインスタを眺めていた時に、目に留まったのがここのガパオ炒め。いつもおいしいタイ料理店を教えてくれるタイ人インスタグラマーの方がアップしていたので、早速場所を聞いて訪ねてみました。教えられていた通り、そこはなんの変哲もない小さな食堂でしたが、次々と現れる近所の人らしきタイ人客のほぼ全員がガパオ炒めをオーダーすることからも、その実力はうかがい知れます。
目の前に運ばれてきたガパオ炒めの皿を見た瞬間、その予想は確信へと変わりました。テーブルの上にふわっと広がる爽やかで刺激的なガパオの香り、余計な野菜などは加えず、あくまで肉の旨みを引き立たせるためのシンプルな具材。べちゃべちゃと水分が広がることなく、パラッとしたその仕上がりからは必要以上の調味料を加えず、あくまで素材の味を生かしていること、強火で手際よく炒められたことがわかります。
口に運んでみると、まず感じるのは強いガパオの香り。噛みしめるとニンニクの味と香り、肉の旨み、そして、刺さるような刺激的な辛さが口中に広がります。調味料の味は濃すぎず、ごはんとのバランスのいい程よい味の濃さと辛さで最後のひと口までおいしい!中華鍋を1人で振り続けるお母さんの矜持を感じる、シンプルでどこまでも正しいガパオ炒め、という印象。屋台や食堂で出される、タイ人が子どもの頃から食べている“普通”のガパオ炒めを食べたい方におすすめの一軒です。
著者撮影
ラーン カイチアオ
・住所:95/1 Sukhumvit Rd., Bangkok
・電話:(+66)2-311-6689
・時間:6:00-15:00くらい ※不定休
具だくさんで甘め&濃厚!日本人好みのシーフードガパオ炒め
「バイファイ アハンタームサン」
パットガパオタレー 40B 著者撮影
「正統派とかじゃなく、日本風のなじみあるガパオが食べたい」という方におすすめなのが、ラマ4世通り沿いの大型スーパーマーケット『BIG C』の隣にある市場の屋台。こちらはインスタで人気のタイ人モデルさんからの情報ですが、観光客も多く訪れる立地でアクセスしやすく、フードコートのような雰囲気なので1人でも気軽に行けるのも魅力です。
ここで人気なのが、タレー(シーフード)のガパオ炒め。イカとエビがたっぷりで40Bという安さは屋台ならでは。濃厚かつ甘みのある味付けが西洋や日本の料理に慣れた若いタイ人の一部にも受けているようで、市場の中にたくさんの屋台があるのにも関わらず、ここは行列ができていることが多い人気店です。
パットガパオムー カイダオ 40B 著者撮影
豚肉のガパオ炒めも、調味料の味が濃く甘めの仕上がり。好みは分かれるところかと思いますが、辛さが引き立つ現地の味が苦手な方や、パラッとした仕上がりが物足りない方にはいいかも。正直、わたしは断然上の2軒のほうが好みですが、日本から遊びに来ていた友人の1人は「ここのガパオ炒めが1番イメージに近い!」と気に入っていました。
『BIG C』の隣にある市場の外観。この中に屋台が何軒も入っています 著者撮影
こちらは夕方には閉店してしまうのですが、市場の中のほかの注文食堂でも近い味わいのガパオ炒めを提供しているので、もしこちらが閉まっていたら違う場所で試してみるのもいいかもしれません。
著者撮影
バイファイ アハンタームサン
・住所:Rama4 Rd., Bangkok(Big C横、タラートナット ビッグシー プララムシー内)
・電話:なし
・時間:6:30-16:30くらい ※不定休
お気に入りの店は見つかったけど、まだまだ奥が深い本場のガパオ炒めの世界。ほかにも知らないおいしい店があるはずなので、いいところを見つけたら第2弾、第3弾もお届けできればと思います!
(text & photo : 白石路以)
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