ミャンマー
カルチャー

【旅を深めるミニ講座】体感する、ミャンマー仏教 ー後編ー

TRIPPING!では、より賢くディープな旅を楽しむためのアレコレを達人に訊く、“出発前”のミニ講座を開講! 第1回は、ミャンマー旅行の前に知っておきたい「ミャンマーの仏教」について予習します。そこで、同国に渡って尼修行をした経験をもつ、「みんなの寺」坊守の天野和公さんに話を伺いました。

ミャンマーの仏教の基本についておさらいした前編に続いて、実際にミャンマーを訪れたならお勧めする仏教スポットや、気をつけるべきマナーなどを学びます。

 

*前編のおさらいはコチラ>

 

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前編でも触れたが、実は一回目の修行の一年後に再びミャンマーを訪れた天野さん。

 

Q.ずばりミャンマーに戻りたくなった理由とは?

 

「『修行とはこういうものだ』という自分勝手な妄想や期待をいったんリセットして、もう一度行ってみたかったんですね。楽しもうと思いました。そうしたら、やっぱり楽しかったんです(笑)。ミャンマー人はもちろん、いろんな国から来た修行者と知り合いました。みんなそれぞれ生き生きと、一所懸命そこにある。言葉はなくとも、その姿に教えられ励まされました」

 

Q.旅の数だけ人との出会いがあり、いろんな意味で刺激を受けるもの。二度にわたるミャンマーでの生活を通して、天野さんが感じた魅力とは?

 

「人が良くて親切で、ちょっとルーズだけれど憎めない。ミャンマーを旅する方はみなさん同様のご感想を持つのではないでしょうか。謙虚でシャイなところは日本人にも似ていると思います。私が尊敬しているのは、僧侶はもちろん、親や先生、年長者をとても大切にするところです。親類縁者の絆も固いですね。『日本人は親に冷たくてアジア人らしくない』と指摘されたことがあり、肩身が狭かったです」

 

Q.では、これからミャンマーに行く人、行きたいという人にお勧めする「仏教」スポットはある?

 

「ミャンマーといえば寺院めぐりですが、ミャンマー人にとってのパヤー(仏塔)、チャウン(僧院)は歴史的建造物でも観光地でもなく、生きた信仰の対象、自分とブッダがつながる場所です。ですからブッダとはどのような方だったのか、仏教とはどのような教えなのか、少しでもその中味に興味を持っていただけると嬉しいです。

ヤンゴン市内のメーラムー・パヤーボウタタウン・パゴダなどは、ブッダの生涯のエピソードを模したオブジェがあって分かりやすく、面白いですよ」

 

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Q.最後に、実際に訪れたときに気をつけたいマナー、そしてミャンマーでの旅がもっと楽しくなるアイディアをお裾分けください。

 

「まず仏塔・寺院での注意点ですが、参拝の際にはサンダルや靴下を脱いで完全な裸足になること。タンクトップやミニスカートなど、肌を露出する服装は避けてくださいお坊さんには合掌する道を譲るなど、礼儀正しくしていただければと思います。

小学校から英語教育を受ける国ですので英語はよく通じますが、少しでもミャンマー語を覚えて会話することを是非是非オススメします。ミャンマー語は活用もなく、文法は非常に単純です。ミャンマー語を話す旅行者が少ないからこそ、ぐっと現地の方と仲良くなれること間違いなしです!

皆さまとミャンマーの魅力を共有できることを心より願っております」

 

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※こちらもcheck!→「知っておきたいミャンマーの現地事情」

 

<プロフィール>

天野和公(あまの・わこう)
1978年青森県生まれ。お寺の生まれではないものの、なぜか小さい頃から宗教好き。東北大学(宗教学)を卒業した翌2002年、夫と宮城県仙台市に「みんなの寺」を開山。「いつでも誰でも自由に立ち寄れる、みんなのための小さなお寺」として活動を続けている。2004年ミャンマーで尼僧となり3ヶ月間修行、その体験を4コマ漫画に描き『ミャンマーで尼になりました』(イースト・プレス)として出版した。他の著書に『ブッダの娘たちへ』(春秋社)『みんなの寺のつくり方』(雷鳥社)『みんなの寺絵日記』(サンガ)、共著に『ミャンマー仏教を語る』(現代書林)がある。

http://www.mintera.info

 

(text: Izumi Kakeya)

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