ペナン島心にもお財布にも優しい、厳選ブティックホテル

第一回は、2008年に街ごとユネスコ世界遺産に登録され、ますます熱い注目を集めるマレーシア・ペナン島ジョージタウンをフィーチャー。イギリス領時代には貿易都市として栄え、東洋と西洋がミックスしたその独特の街並みに、訪れる者はたちまち虜になっている。遺産建築を生まれ変わらせた魅力的なホテルの数々から、一度は泊まってみたい、“プチプラ”人気ブティックホテルをご紹介します。

1．キャンベル・ハウス・ペナン
Campbell House Penang

かつての華人入植者の生活様式を伺い知ることができるチャイナタウンの中心部。1903年にホテルとして建てられて以降、住宅として使用されていたコロニアル時代の建物を、地元出身のナーディアとイタリア人の夫・ロベルトの夫婦が2011年に改装し、11部屋のブティックホテルとしてオープン。（2019年現在は全12部屋）
高い天井に広々とした部屋にはアンティークの品々が並び、落ち着いたプライベート空間に。

ホテル向かいには人気小籠包レストラン「大東酒楼」もあるが、ホテル内にも絶品ベネチアン料理をふるまう魅力的レストラン「Il Bacaro」があり、いい香りに誘惑されそうだ。また、観光に便利な自転車やバイクのレンタル、料理教室の開催などもあり、至れり尽くせり。

Campbell House Penang

2．コーヒー・アトリエ
Coffee Atelier

部屋数はわずかに4部屋のみ。感度の高いショップやレストランが並ぶスチュワート通りに、2011年にオープンした4つ星ホテル「コーヒー・アトリエ」はその名前の通り、かつてはコーヒー焙煎工房として軒を構えていた由緒あるスポット。1927年に建てられた中国式のショップハウスで、かつての趣を残したままアジアンリゾート風の心地よさを演出している。

また、アートに情熱を傾けるオーナーの計らいで、併設のギャラリーではマレーシアや世界各国のアーティストたちによる展示を無料で楽しめたり、大切に保存されているコーヒー工房を見学することもでき、宿泊だけでない楽しみがここにはある。同じく併設されている「55カフェ＆レストラン」で人気のコピ（コーヒー）もオススメ。

Coffee Atelier

3．イェンケン・ホテル
Yeng Keng Hotel

目の覚めるような黄色の外壁と鮮やかな唐草模様のデコレーションが目印の「イェンケン・ホテル」。19世紀半ばに建てられたインド系富豪の邸宅だった建物は洋風シノワズリーに改装され、それぞれ鮮やかな黄色や青、緑、赤などのエネルギー色に統一されたゲストルーム（全19室）は、色彩美で見た目にも楽しませてくれる。

また、屋外プールがあるのもこの規模のホテルでは珍しいポイント。夜になれば、ホテルが建つチュリア通り界隈には多くの屋台が並ぶので、ぜひそこで絶品グルメに舌鼓を打ちつつ、それでも物足りないという方は部屋に戻る前に、深夜まで営業しているホテル併設のカフェ・バーで一杯楽しんでみるのはいかが？

Yeng Keng Hotel

4．23 ラブレーン
23 Love Lane

白壁に囲まれた美しき中国式の門をくぐれば、そこは喧騒から離れたラグジュアリー空間。1800年代の邸宅を3年かけて改装した建物内には、中国式やインド式など5つの時代にまたがる建築様式の部屋が同居している。

異なるインテリアが楽しめる部屋は、一人旅行やカップル、家族など旅のスタイルに合わせて選べるという心配り。計10部屋のスイートに加えて、グループで訪れる人にオススメなアジョイニングルームもあり、これまたお財布にも優しい価格だ。また、日が沈むと優雅な灯りに包まれる、中庭を望むテラスでカクテルを片手に至福の時間を過ごすのも良し。

23 Love Lane

5．ムントリ・ミュース
Muntri Mews

古くは荷物を運ぶ馬車置き場であり、職人たちの住居でもあった2階建ての建物が、モダンな空間に大変身。東洋折衷スタイルの住宅が多く残るムントリ通りに「ムントリ・ミューズ」は閑静に佇む。多くの旅行者にも愛されるこのホテルの象徴と言えば、スイートにもれなく付いてくるテラスだろう。ゆったりとしたスペースでベンチに横たわってお茶をしたり、くつろいだり…先代の住人たちのライフスタイルが息づいている。

数々の観光スポットから程近く、ジャランジャラン（お散歩）にも最適な好立地とあって、同ホテルでは建築巡りやローカルの市場巡りといったウォーキングツアー、また穴場グルメスポットなどの相談にも乗ってくれたりと、そのホスピタリティの高さも人々に愛される大きな理由のようだ。

Muntri Mews

このほかにも、上質の空間とホスピタリティをリーズナブルな価格で提供するブティックホテルが数多くあるジョージタウン。それぞれの歴史とこだわり、愛着を感じながら、極上のくつろぎ時間を旅に取り入れてみてはいかが？

 
（text: Izumi Kakeya）

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初回投稿日：2014年5月24日
情報更新日：2019年9月11日（情報追加更新）