タイ
グルメ
知る人ぞ知る旧市街の至宝!

バンコクの人気インスタグラマーたちも通う“激うまイマドキ食堂”

著者撮影

ワットプラケオやワットポーなどの観光名所も多く集まるバンコクの旧市街。かつて街の中心地だったこのエリアには古くから愛される老舗レストランが多く集まっていますが、最近注目を集めているのは若手オーナーたちがBTS沿いやビジネスエリアを離れ、敢えてこのエリアにオープンさせたおしゃれなカフェやレストランの数々。

タイの人気インスタグラマーたちもこぞって訪れるそんな旧市街の注目店の中から、バンコクを訪れたらぜひ行きたいおいしくておしゃれな2軒の食堂をご紹介します。


 

味もインスタ映えも抜群!
古い家を改装した小さな予約困難店「Baan Nual」

シェフはお姉さん。昔ながらのタイのキッチンで1人腕を振るいます   著者撮影

今、旧市街のタイ料理店でもっとも注目を集めている店のひとつがここ。グラフィックデザイナー兼フードスタイリストのオーナーが数ヶ月前にお姉さんと始めた小さな食堂です。

「タイの昔ながらの暮らしを感じられる旧市街で、自分の店をやりたかったんだ」と話してくれたオーナーの言葉を裏付けるように、60年ほど前に建てられたというタイの古民家をリノベーションしたおしゃれな店内には、昔ながらのタイのキッチンが。便利な道具は敢えて使わず、古くからタイに伝わる伝統的な調理器具と調理法で作る、家庭的な料理を提供してくれます。

もともとはケータリングのみで営業していたそうですが、余計なものを加えず、オーナーたちが自ら選ぶ新鮮な食材で丁寧に作られる家庭的な味わいが評判を呼び、この店を開くことに。

どこか懐かしいのに洗練された味と雰囲気に魅了されるタイ人は後を絶たず、インスタグラムやタイの口コミサイトには「旧市街の隠れた宝石!」と絶賛する声が多数。その評判は瞬く間に広がり、中心街から離れた便利とは言い難い場所にあるのにも関わらず、今では予約必須の人気店となっています。

クンパットマンクン 280B   著者撮影

ここを訪れたら絶対に食べてほしいのが、エビとエビみそのニンニク炒めです。エビみその旨味とニンニクの香りをギュッと閉じこめた極上のひと品。プリプリのエビにソースが絡みまくり、ごはんが止まらない! オーナー姉弟のお母さんのレシピを参考にしているそうで、家庭料理だけに油が強すぎず、いくらでも食べられそうな優しい仕上がり。ソース一滴まで食べ尽したくなるほど、忘れられないおいしさです!

ムーパットガピ 100B   著者撮影

もうひとつ、忘れてはいけないのがこちらのムーパットガピです。もともとこの店を勧めてくれたタイの友人からも、「絶対に食べてね!」と推薦されていたメニュー。こちらも豚肉をガピ(シュリンプペースト)と炒めたシンプルな料理ですが、ガピの香りをまとった豚肉の柔らかさと甘み、噛みしめるほどに深まる旨味はまさに絶品! すでに数回こちらを訪れていますが、このムーパットガピとクンパットマンクンは必ず毎回オーダーするほど気に入っています。

ムックパットガティアム サイカジョン 180B   著者撮影

イカとドックカジョンという花のつぼみをニンニクで炒めたもの。この店の炒めものはタイの小粒のニンニクを使っているので、大粒のニンニクとは違う刺さるような香りと旨味があり、シーフードの旨味を存分に引き立ててくれます。通常メニューにあるのはイカのニンニク炒めで、ドックカジョンはオプションで付けていただいたのですが、ドックカジョンのシャクシャクとした食感がアクセントになり大正解でした!

ラープタオフー 150B   著者撮影

タイの卵豆腐を使ったラープ。すっきりと刺さるような辛さのタレとフルフルと柔らかな豆腐のバランスがよく、汗が吹き出るほどにスパイシーなのに、なぜか止められないおいしさ。辛い料理が好きな方にはとくにおすすめですよ。

デザイナー兼フードスタイリストのオーナーらしく、グリーンを効かせた店内は、どこを撮ってもフォトジェニック。   著者撮影

炒めもの中心のチョイスでも胃に重さを感じずおいしくいただけるのは、家庭料理をベースにした体に優しい料理が中心だから。「タイ料理はヘルシーじゃない」という印象を持っている方も多いかもしれませんが、米食文化で発酵食品を多く取るタイの人々の昔ながらの食事は、和食との共通点も感じられるくらいに健康的なメニューも多数あります。日本ではなかなか味わえないタイの昔ながらの味と雰囲気を、ぜひバンコクの旧市街で堪能してみてください。

Baan Nual
・住所:Soi 2 Samsean Rd., Bangkok
・電話:(+66)81-889-7403(要予約/タイ語、英語のみ)
・時間:12:00-15:00/17:00-21:00(火-金)   16:00-21:00(土日) ※月休

 

肉・にく・ニク!
肉好き、イサーン好き必見の男めし食堂「Rarb」

著者撮影

とにかく肉が好き!という方に訪れてほしいのが、プラアティット通りにあるこちらの食堂。小さなカフェやパブ、おしゃれなレストランなどが軒を連ねるプラアティット通りのなかでも、食通たちから注目を集めている一軒です。

肉料理のほか、お酒も豊富に揃う   著者撮影

こちらは、同じくプラアティット通りにある『Escapade』というバーガーショップと同じ経営。それだけに肉料理には定評があり、日によって牛肉や豚肉、鶏肉のほかに羊やカエルなども揃っています。

提供しているのは、イサーン料理が中心。といっても、日本人がイメージするようなソムタム、ガイヤーンなどではなく、例えば血入りのナムトックなど、イサーンの酒場で男たちが強い酒のアテに食べるようなものばかり。野菜メニューもほとんどないので、「体に優しく、いいものを少しだけ」なんて女性にはちょっと向かないかもしれません……。ですが、シェフが自分の感性でじっくり選んだ食材を使って仕上げる料理はどれも武骨さの中においしさへの探究心や繊細さが見え隠れ。しっかりと噛みごたえのある肉を噛みしめるほどにいつしかその魅力にはまっていくような、不思議な力を湛えた料理ばかりです。

カオナーヌア 260B   著者撮影

牛肉にエビみそを絡めて炒めたものを、ごはんにのせたシンプルなメニュー。噛みごたえのある赤身肉は甘みが強く、エビみその塩気と旨味が絡んで美味。肉の力強さを感じさせる仕上がりで、ふっくらと炊きあがったタイ米ともよく合います。ほかに豚肉や羊もあるので、赤身のかたい牛肉が苦手な人は、ほかの肉でチャレンジしてみるのもおすすめです!

ナムトックヌアルアット 240B   著者撮影

本気のイサーン料理好きにはたまらない、熟成牛の血入りナムトック。コリコリとした食感の牛肉に、血のコクと旨味が加わったスパイシーかつ濃厚なタレがしっかり絡むツウ好みな一品です。イサーンで地元の人に混ざってナムトックを食べた経験のある人なら、「そうそう、この味!」ときっと懐かしくなるはず。後を引くおいしさで、もち米はもちろんビールとの相性も最高! ナムトックのほかにラープもあるので、好きな肉を選んでいろいろ味比べしてみるのも楽しそう。

ゲーングラドゥークムー 140B   著者撮影

ホロホロと崩れるほどに柔らかなスペアリブがおいしいスープは、チャオームというアカシアの新芽の香りが効いたすっきりとした味わい。トロトロに煮込まれたブワップ(ヘチマ)やスペアリブの甘みがスープに溶けだし、なんとも味わい深い優しい仕上がりです。

天井にはタイの漫画がぎっしりと!   著者撮影

店内を行き交うスタッフは、タトゥーだらけでがたいのいい男性ばかりなので女性だけだとちょっと尻込みしてしまうかもしれませんが、実はみんなとても優しいので心配はご無用。グランドメニューのほか、その日のおすすめもいろいろあるのでオーダーで迷ったら気軽に相談してみるのもいいかも。おいしいお酒と肉料理で、たまにはちょっと男っぽいバンコクの夜を味わってみるのも楽しいですよ!

Rarb
・住所:49 Phra Athit Rd., Bangkok
・電話:(+66)81-406-3773
・時間:17:00-23:00(ドリンクは24:00まで) 月曜定休

 
(text & photo : 白石路以)

 
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