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熱帯写真家フォトエッセイ

タイビーチリゾートの老舗、パタヤの歴史

パタヤのウォーキングストリート   著者撮影

プーケットやクラビなど、タイには多くのリゾートがある。数ある中でもパタヤこそリゾート開発の先駆けともいえる。

 
かつては静かな小さな漁村でしかなかったパタヤのリゾート開発が始まったのは今から約50年ほど前のこと。時代はベトナム戦争に遡る。パタヤから車で約1時間ほどの距離にあるウタパオ空港。当時、アメリカ軍がベトナムへの作戦の拠点としてウタパオ空港を使用し、多くのアメリカ兵が駐留していた。その兵士たちの保養地としてパタヤの開発が始まり、アメリカ式のビーチリゾート開発が始まった。

夕暮れ迫るパタヤビーチ   著者撮影

ナイトエンターテイメントの多くもアメリカ人が好むようなものが多く、ゴーゴーバーやカウンター式のバーもそれらのひとつだ。今でこそその影はないが、ベトナム戦争当時、街はアメリカ兵で溢れ、バーでは前線から無事に帰ってきた兵士たちがビールを片手に派手に酔っ払い、ダンサーの女性たちにおひねりを渡していたのだろう。アメリカ兵が撤退した後は、ヨーロッパからの観光客の誘致にも成功し、タイを代表するビーチリゾートへと発展した。

カウンタースタイルのバーも多い   著者撮影

今ではロシアや中国からの団体旅行客で溢れ、街中には中国語やロシア語の看板も目立つ。ナイトエンターテイメントのエリアとして有名なウォーキングストリート。夜になると連日、ガイドに連れられて歩く中国人観光客の姿を目にする。多くの観光客は店に入ることもなく、歩いて通り過ぎてしまうだけだが。

ガイドに引率され夜の街を観光する中国人ツアー客   著者撮影

今ではタイ国内のビーチリゾートの開発が進み、パタヤの魅力も半減してしまったかのようだが、スワンナプーム空港からの直通バスもあり、ビーチこそキレイではないが、タイのビーチリゾートの老舗は今夜も健在だ。

ビーチ沿いのレストランは高めだ他、路地には屋台がある  著者撮影

 
(text & photo : 中島貴義)

 
熱帯写真家フォトエッセイ「アジアの街角から」
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