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- 突然の豪雨でもサバーイ、サバーイ? ~雨季をも楽しむタイ人気質~
はしゃぎならが冠水した道路を渡る 著者撮影
雨季も明けてベストシーズンに入ったタイ。雨季が明ける前には多かれ少なかれあるのが道路の冠水。10月も後半、知人と食事をして深夜帰宅しようと思ったら突然の豪雨。傘をさしても数秒でビショ濡れになってしまうほど。軒先から全く動けない。
お店の前にはみるみる水が溜まり水面のように動き始めた。30分経っても雨は弱まる気配はない。傘を持っていた友人は意を決して帰宅。傘を買おうにもコンビニに行くまでにビショ濡れ。タイ人たちは頭にコンビニのビニール袋を被ったり、足にコンビニの袋を履いたりしてるけどはっきり言って無意味。
川のようになってしまったスクムビット通り 著者撮影
1時間ほどすると雨も弱まった。スクムビット通りに出ると大渋滞。歩道すら足首より上まで水が溜まっていた。空車のタクシーもほとんど来ない。来たとしても大渋滞でいつ家に着くかも分からない。自宅方面に向かって歩き始めた。歩くにつれ水かさは増す。一番深いところでは太ももまで達した。
バイクは水没しないように空ぶかし。爆音だけがこだまする。普段は歩かないタイ人たちもこの時ばかりはあきらめたのか歩き出す人たちも多かった。交差点の真ん中で立ち往生する車も多数。
スマホで洪水の様子を撮りまくるタイ人たち 著者撮影
深夜の大雨洪水にもかかわらず、タイ人たちはなぜか楽しそうだ。スマホで写真を撮ってSNSにアップしたり、奇声を上げたりとお祭り騒ぎ。
そんな中、突然の洪水に軒下で途方に暮れる日本人サラリーマンがいた。足元は革靴にスラックス。タイ人は日頃からサンダル系の履き物が多く、濡れても余り気にならないのかジャブジャブと歩いている。中には靴を脱いでいる強者もいた。
どこまで歩道だかわからなくなってしまった 著者撮影
気がつけば自分のGパンも太ももまでビッショリだ。一刻も早く帰宅して着替えたいのだが、無邪気にはしゃぐタイ人たちを見ると「こんな洪水は滅多にないのかも?」と思うようになり写真を撮りながら家路に向うことにした。普段なら絶対に歩かないような距離を踏破し、深夜3時過ぎ無事に家にたどり着いた。
一番深いところは太ももくらいまで冠水していた 著者撮影
(text & photo : 中島貴義)
熱帯写真家フォトエッセイ「アジアの街角から」
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