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バンコク・グルメトレンドレポート

五感で味わうタイ料理〜デュシタニ「ベンジャロン」〜

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デンマーク人シェフによる新生タイレストラン

2014年にデンマーク人のシェフ、モートン氏をグループ全体のシェフとして迎え入れてから、ガラリと装いも新たに生まれ変わったデュシタニ・バンコク内にあるタイレストラン「BENJARONG(ベンジャロン)」。内装は従来と同じ重厚感を残しつつも、モダンなテイストを取り入れた、BENJARONGらしさを活かした空間にまとめている。

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世界のデュシットグループ全体のタイ料理を見て回るモートン氏。
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ワンランク上のコンテンポラリータイ料理

最近のバンコク・タイ料理界のトレンドとして、「コンテンポラリータイ料理」を軸にしているレストランが多くあるが、ここ、BENJARONGの目指すものは、他とははっきりとした違いがある。
 
1つ目が、5感をフルに使った料理の演出をしていることだ。料理は主に味覚、そして目で見て楽しい視覚を使うが、BENJARONGでは野菜やフルーツに至るまで、多くの料理にバーナーを使用することで香りを立たせ嗅覚を刺激し、さらには目の前で料理を完成させることで、聴覚や体感覚を使う演出がなされている。ひとつひとつの料理にきちんとストーリー性があるため、サーブされてから口に運ぶまでがとても楽しいのも特徴的だ。
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2つ目は、フュージョンを演出しながらも、正統派タイ料理の味に仕上げていること。フュージョンというと、どこか元のタイ料理の味がぼんやりしてしまうものもある中で、それぞれの料理は口の中でしっかりタイ料理の味に完結するように作られている。

 

いま、味わいたい極上メニューの数々

数あるメニューの中でも、日本人に特に好まれるメニューという事でおすすめ頂いたのが以下の4品。

■ローストダックのスープ仕立て
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Geng Juet of Roast Duck,Crabmeat,Young Coconut,Basil(290THB)

スープは別にサーブされ、テーブルの上で料理が完成するという演出が取られている。スープを注ぐとふわっとローストダックの香りが立ち、食欲をそそられる。

 
■ポークスペアリブ
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See Krong Moo Krob Wan(320THB)

ポークスペアリブを使った伝統的なタイ料理の味付けのアクセントになっているのが、タイ風キムチ。味は限りなく本場のキムチに近いのだが、本場のそれとは違い生姜、ニンニク、レモングラス、そして世界的に有名となったシーラチャーソースで漬け込んでいる正真正銘のタイキムチだ。スペアリブの甘味を、口の中でキムチの酸味がキュッしめてくれる。

 
■エビのサテー
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Goong Satay(480THB)

サテ、というと日本人が思い浮かべるのは、豚の串焼きではないだろうか。モートン氏の手にかかると、エビをサテのように炭火で焼くとどうしても硬くなってしまうため、カラッと素揚げにとどめて素材の味をギュッと閉じ込めている。添えられている3種類のソースは混ぜることで完成形。焼き色のついたお野菜、エビ、そしてソースを全て一度に口に入れることで、シェフの表現したかった、Goong Satayが完成する。

 
■ホタテのタタキ スープ仕立て
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Seared Scallop(850THB)

メディア初登場となる新メニューは、北海道産ホタテを使った、鮮やかな緑が特徴的な一品。白いスープの正体は、トムカースープにグリルしたトマトの酸味を加えて味と香りを際立たせたもの。また、ピクルスにした野菜はホタテとの相性抜群なので、是非一度に口に運んでみてほしい。

 
モートン氏の世界は、料理だけに留まらない。
 

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Yoghurt sorbet and Burnt Mang with Coffee Brownie and Mango Marshmallow(190THB)

マンゴーをバーナーで炙るという一手間を加えることで、甘みを残したまま香りが引き立つ。アイスクリームの酸味と、コーヒーブラウニーのほのかな苦みとを一緒に口の中で感じてみてほしい。

 

BENJARONGが表現したいタイ料理とは、

ーすべての素材を一度に口に入れた時に、口の中で味が完結する。

ーバーナーで野菜やフルーツを炙ることで、素材の香りを引き立たせる。

他店では味わうことの出来ない世界を感じることが出来る。

 
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5星ホテルの品格やクオリティを保ちながらも、常に新しいメニューに挑戦し続けているBENJARONG。バンコクに滞在するのなら、一度は味わってほしい「一流のタイ料理」であり、「本物のプロの料理」である。

 
(photo : Chef  text : NatJanG)

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