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- タイサッカー界のスター選手が日本でプレー!タイ人Jリーガーの活躍に注目
チャナティップ選手 photo:Taro Ueno
今シーズンのJリーグでは複数のタイ人選手がプレーしている。北海道コンサドーレ札幌のチャナティップ選手、サンフレッチェ広島のティーラシン選手、ヴィッセル神戸のティーラトン選手、FC東京のジャキット選手、セレッソ大阪のチャウワット選手の計5名だ。チャナティップ選手、ティーラシン選手、ティーラトン選手の3選手は開幕からチームの主力としてJ1(1部リーグ)のピッチに立っている。
Jリーグで初めてタイ人選手がプレーしたのは昨シーズンだった。J3(3部リーグ)の鹿児島ユナイテッドにタイ期待の若手FWであるシティチョーク・パソ選手が加入して初のタイ人Jリーガーとなると、7月にはFC東京がU-23タイ代表のジャキット選手を期限付き移籍で獲得。そして、タイサッカー界のスーパースターであるチャナティップ選手が北海道コンサドーレ札幌に入団してJ1でプレーする初のタイ人選手となった。
photo:Taro Ueno
Jリーグは2012年頃から「アジア戦略」として東南アジア出身のJリーガー排出に力を注いできた。そのなかでインドネシアやベトナムなどからJリーグでプレーする選手が生まれてきたが、プレーの面で確かな足跡を残すことはできず。だが昨年、札幌でプレーしたチャナティップ選手は加入直後からチームに欠かせない戦力として力を発揮。印象的な活躍を見せたことで、タイ人選手がJリーグでプレーする道が一気に開かれた。
photo:Taro Ueno
自国のヒーローの活躍によって、タイにおけるJリーグへの注目度も一気に高まった。Jリーグのテレビ放送が本格的にスタートし、スポーツ紙は札幌に記者を派遣して連日チャナティップ選手の動向を報道。Jリーグのタイ語版フェイスブックページで公開された札幌での初練習の模様は視聴回数100万回を超えるなど、チャナティップ選手の存在がタイのサッカーファンの目をJリーグに向けさせた。
photo:Taro Ueno
さらに、「チャナティップ効果」はインバウンドの面にも表れている。北海道はもともとタイ人に人気の観光地だが、チャナティップ選手の来日以来、チャナティップ選手を目当てに北海道を訪れるタイ人観光客も増えているのだ。チャナティップ選手はタイ人選手がJリーグで通用することを証明しただけでなく、タイとJリーグ、さらにはタイと北海道をつなぐ役割も果たしたと言える。
昨シーズンからJリーグは「提携国枠」という制度を設け、リーグ間提携を結ぶアジアの国(タイを含む9カ国)出身の選手は日本人選手と同じ扱いで試合に出場できることとなった。大きなルール改正が行われたシーズンにチャナティップ選手が活躍したことで、タイ人選手に関心を示すJリーグクラブが急増。その結果、今シーズンはチャナティップ選手に続くタイ人選手たちが次々とJリーグ移籍を果たした。
ティーラシン選手 photo:Taro Ueno
今シーズンからJリーグでプレーする広島のティーラシン選手と神戸のティーラトン選手は、チャナティップ選手と並ぶタイサッカー界のスター選手だ。タイでの注目度は非常に高く、タイのメディアでは両選手が所属するチームのホームタウンである広島市や神戸市についても詳しく紹介されている。チャナティップ選手を目当てに札幌を訪れるタイ人観光客がいるように、今季は広島や神戸でも同様の現象が起きる可能性が高いだろう。
ティーラトン選手 photo:Taro Ueno
タイは急成長する東南アジアのサッカー界を引っ張ってきた存在だが、ついにJリーグでも旋風を起こし始めた。今後はタイ以外の東南アジア諸国からも多くのJリーグで活躍する選手が生まれ、Jリーグで東南アジアの選手がプレーすることが当たり前の時代がやってくるかもしれない。サッカーにおいても日本と東南アジアの関係が深まりつつある今、その象徴とも言えるタイ人Jリーガーたちの活躍に今シーズンはぜひ注目してほしい。
(text : 本多 辰成 )
スポーツコラム「スポーツが繋ぐ! 東南アジアと日本の新時代」
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