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- 日本とタイを結ぶ「美味しい」かけはし 〜後編〜
出発前に知っておくと、もっと旅が楽しくなる「旅を深めるミニ講座」。今回は、日本とタイを「食」のイベントで繋ぐ「Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN」代表の西田誠治さんのストーリーをお届け。食を通じてタイへの愛情を形にする彼ならではの、食&旅のこだわりスタイルとは?
日本の地方食材+タイ風スパイスの化学反応
Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN vol.15|青森県ver.より
日本の食材で、新しいタイ料理を提案している西田さん。タイ料理と言うと、鼻を抜けるような独特のスパイスやハーブが思い浮かぶのだが、日本の食材をマッチさせる上で意識していることとは?
「料理に使う食材は、直接産地に出向いて一番旬なものを調達しています。調理方法は魚一つでも煮る、蒸す、焼くなど様々な方法がありますが、基本的には食材に合わせて決めて、それにタイ風の味付けをプラスする。それだけで他にはない美味しさが表現できるのです。日本料理のように、タイ料理にも野菜や果物を彫刻するカーヴィングなど美しさを表現する伝統文化がありますが、見た目にも美味しさを表現するのも大事ですよね」
自分の足で、日本全国各地の希少な素材を発掘して紹介する。そのスタイルは、旅においても通ずる部分があるとか。西田さん流のタイ旅行の楽しみ方とは?
「とにかく歩くことです(笑)。たしかに、電車やタクシーは涼しくてとても便利ですが、歩くことで路地裏の店や表からは見られない生活感が覗けるので、とても楽しいです。歩きの何が良いかというと、喉も乾くし腹も減ること。それで気になる店があったら迷わずに入って、どんどん食べて飲んでみてください。あと、タイに行ったら僕は必ず足つぼマッサージ店に行きます。宿泊先の近くでいい店に目をつけておいて、一日の歩き疲れをほぐしてもらいに毎日通うのです。歩いて、食べて、疲れを癒すのがタイ旅行の醍醐味です」
タイ+食の旅を100%楽しむ方法
まだバンコクの街を象が闊歩していた、初めてのタイ旅行から約20年。いまでは気ままな一人旅をする時間が少なくなったものの、出張でタイを訪れた際には、空いた時間を見つけては知らない路地を歩くのが楽しみだそう。
「いまは経済が発展していて、最先端のものも手に入るし、一本裏道に入れば昔ながらの生活が垣間見られる。そのギャップが極端ながらも共存しているのが面白いですよね。最近行って面白かったのは、かつては治安が悪く、あまり近づいてはいけないとも言われていた、クロントゥーイ市場。市場特有のちょっとビリビリした雰囲気で、『ここは気をつけないといけないな』という、タイに初めて訪れたときのドキドキ、ヒリヒリする感じが未だに残っていました。初めてタイに行く方にはおすすめできませんが(笑)」
では、ビギナーの人が「食」をテーマにタイを楽しむなら、どんな旅をすすめたい?
「まず、一般的なタイ料理のカタログとして、デパートのフードコートに行くことをお薦めします。あらゆる料理が揃っているので、そこでお気に入りの料理を見つけて、あとは街中の屋台で同じ料理を見つけたら、飛び込んでみる。そこから料理の選択肢を広げていくのはどうでしょう。そして、お気に入りの店は地図に印をつけていくことで、自分だけのマップが出来上がります。ガイドブックをなぞるのではなく、街に自分の足跡をたくさん残していくうえでも、やっぱり歩くのがベストです」
今年で15県目となる日本の地域の食材とタイ料理のコラボレーションを果たし、大盛況に導いた西田さん。来年1月には、熊本県の食材を紹介するイベントも控えている。食を通じた彼の旅が、今後どんな化学変化を起こすのか楽しみだ。
<プロフィール>
西田誠治さん
特定非営利活動法人Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN代表理事、6次産業化プランナー。日本初のコンセプト「日本列島47都道府県 meets タイ王国77県」をテーマに、全国各地のローカルの魅力をタイ料理をフィルターにして新たに引き出し、各地の食や観光、人の魅力をわかりやすく世界へ発信。産地取材を通じて産地との交流を作りながら、インバウンド&アウトバウンドの活性化事業を全国に提供している。デザイナー、プロデューサーとして全国の一次産業支援も積極的に手掛けている。
Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN
http://yumyam47.com
http://www.facebook.com/yumyam47
<イベント情報>
Yum! Yam! TABLE vol.7
~ハートリレープロジェクト水俣&芦北~熊本県南の旬をたのしむタイ料理
日時:1月18日(日)12:00~15:00(開場11 : 30)
会場:コカレストラン&マンゴツリーカフェ 有楽町店
詳細:http://table07.peatix.com
(text: Izumi Kakeya)
旅をもっと奥深いものにするために!【旅を深めるミニ講座】
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