タイ
カルチャー
【旅を深めるミニ講座】

日本とタイを結ぶ「美味しい」かけはし 〜前編〜

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少しクセのあるハーブやスパイスが、食欲をどこまでも掻き立てる、タイ料理。初めて食べたときの異食体験を忘れられない人も多いのでは? 

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本格タイ料理と日本の地方食材のコラボレーションで“新タイ料理”を開拓し、食を通じて人と人、地方と地方とを繋げる活動を行う「Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN」代表の西田誠治さん。彼もまたタイという国、そしてその味の虜になった一人だ。彼が、導かれるようにしてタイ料理の世界に飛び込んだワケとは? その魅力と旅のストーリーを聞いた。

 

電撃結婚のような、タイとの運命的な出会い

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©Tourism Authority of Thailand

西田さんが初めてタイを訪れたのは約20年前。何となしにバックパック一人旅の目的地として選んだのが、古都チェンマイだった。

「当時、僕は勤めていたデザイン事務所を辞めたばかりで、転職までの空いた時間を使って気分転換にとタイ旅行に出ました。すると、たまたま着いた日がソンクラン(水掛け祭り)前日で、バンコクの街中はもう祭り騒ぎ一色でした。そして翌日、チケットのキャンセル待ちの末に飛行機でチェンマイに向かったのですが、実はチェンマイこそソンクランがタイで一番盛り上がる町で。道を歩けば水をかけられるし、バックパックの中の服もびしょびしょになり…祭りは一週間も続くのです。当初の予定では、チェンマイから一週間かけてバンコクに南下するはずだったのですが、予定を取り消してチェンマイに留まって、もう水掛けをやるしかないと腹をくくり、結局バケツ3、4個壊すくらいまでやりました(笑)」

 

そのときに、「直感で、自分はこの国にずっと来るんだろうな」と、ある種の運命を感じたという西田さん。

「人も街の雰囲気も全て気に入りましたが、中でも料理が美味しかった。日本でタイ料理をまともに食べたことはなかったのですが、現地では腹が減ったら屋台で食べるたびに『うまい!』と感激していました。旅の初日は、バンコクのホテルすぐ近くの食堂で食べたのを憶えています。一人で食べていたら、別のテーブルにいた軍人のおじさまの奢りで、頼んでないおかずが次々出てきて。結局朝まで一緒に飲みましたね。その時に食べた赤貝が見事に当たって、帰国の飛行機の中は悪夢でしたが、お腹を壊したのはその一回だけ(笑)。それで、日本に帰ってきてからすぐ、タイ料理レストランの厨房に入れてもらいました。巡り合うべくして巡り合ったという感じです」

 

一人一人のストーリーがある、タイ料理の奥深さ

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Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN vol.15|青森県ver.より

 

デザイナーから料理人へ、異色の転身を果たした西田さん。タイ料理に寄せる思いはまた、さらに違う形として膨らんでいく。

「レストランで働いていた頃は、自分のタイ料理店を開きたいと思っていたのですが、体を壊してしまい、その後は、飲食店の立ち上げに携わるようになりました。『Yum! Yam!』の構想は、その中で芽生え始めました。タイが好きな人って、例えばパクチーが苦手だとか、料理にまつわるそれぞれのストーリーや言い分をみんな持っている。『あれが美味しかった、これがまずかった』『あの料理で腹壊した』みたいに、“俺の(私の)タイ”というものを語り出すのが面白いんです。美味しいのはもちろん、いろんな旅のエピソードを語り合えるのがタイ料理の面白いところ。そこでタイ料理を通じて、人と人が繋がる場所を作りたいと思って、2010年から活動をスタートしました」

 

「Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN」では、タイ料理を日本全国の地場食材を使って創作。国内でタイ料理の可能性を広めると同時に、希少な食材を国内外の人々に紹介している。

「最近では、タイに日本の地産食材を持っていき、料理を紹介するイベントも開催しています。タイにはいま約1,700軒の日本料理店が出店しているのですが、他店で取り扱っていない食材の情報を求めているシェフやオーナーが多いのが現状。そのため、僕たちは足を運んで出会った少量多品種の食材を現地で紹介することにより、生産者と現地の取引に繋げることに力を入れています。タイ人の食に対する関心も高まっているので、いろんな意味で日本とタイを繋ぐ交流の場を作ることを目指しています。いまでは、イベントに参加していただいた方同士が意気投合して、一緒に食事に行ったり別のイベントを開催したり、少しずつ人の輪が広がっている実感があります」

 

食を通して、知らない人と場所をより身近なものに。国の垣根を越えたスタイルを発信する西田さんが、大事にしている旅のスタイルとは? 引き続き、食&タイ旅行のこだわりを聞きます。

後編はこちら>>
<プロフィール>
西田誠治さん
特定非営利活動法人Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN代表理事、6次産業化プランナー。日本初のコンセプト「日本列島47都道府県 meets タイ王国77県」をテーマに、全国各地のローカルの魅力をタイ料理をフィルターにして新たに引き出し、各地の食や観光、人の魅力をわかりやすく世界へ発信。産地取材を通じて産地との交流を作りながら、インバウンド&アウトバウンドの活性化事業を全国に提供している。デザイナー、プロデューサーとして全国の一次産業支援も積極的に手掛けている。
Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN
http://yumyam47.com
http://www.facebook.com/yumyam47

 

<イベント情報>
Yum! Yam! TABLE vol.7
~ハートリレープロジェクト水俣&芦北~熊本県南の旬をたのしむタイ料理
日時:1月18日(日)12:00~15:00(開場11 : 30)
会場:コカレストラン&マンゴツリーカフェ 有楽町店
詳細:http://table07.peatix.com

 

(text: Izumi Kakeya)

 

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