シンガポール
カルチャー
シンガポールで活躍する女性シリーズ

ギネス世界を持つインドの砂絵ランゴリアーティスト

著者撮影

シンガポールは、主に中華系、マレー系、インド系の人々で構成されていますが、多様な文化に触れることができる面白い国だと改めて感じます。

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シンガポールで活躍する女性シリーズ第3弾は、ギネス世界記録を持つランゴリアーティストのインド系シンガポール人女性のVijaya Mohanさんをご紹介いたします。Vijayaさんはシンガポールをベースにアメリカ、インド、ドバイ、ブルネイ、ベトナム、モーリシャスなど様々な国で、ランゴリアーティストとして25年以上も活動しています。今回、ご自宅にてインタビューをさせていただきました。

 
さて、ランゴリについて馴染みのある方はもしかしたらそれ程多くないかもしれません。Vijayaさんによると、ランゴリはインドの方にはとても大切な儀式の一種で、毎朝の日課として描かれる砂絵のことを指します。朝早くから家中の女性たちが玄関や中庭にフリーハンドで絵を描きながら、神様へ感謝の念を示し、神聖な気持ちで行うものだそう。

インドの子供たちは小さい頃からお母さんやおばあちゃんに描き方を教えてもらい、Vijayaさん自身も3歳から描き始めたとのこと。また、頭を下げて描いていくため、脳が活性化され、頭がすっきりするので、一日の始まりのエクササイズとしてもぴったりとのこと。

ちなみに、Vijayaさんの玄関にはシンプルで可愛いランゴリが描かれてありました。

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ランゴリの呼び名はインドの地域により様々で、コーラム、アリパナ、マダナなどと呼ぶ地域もあります。富を引き寄せ、悪霊を追い払うラクシュミ神を招くために、木、花、魚、象、クジャク、鳥など生きとし生けるものがランゴリによく描かれます。また、左右対称で幾何学模様で表現されます。

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2003年にギネス世界記録として登録されたVijayaさんの記録は、一人で作り上げたランゴリの規模にあります。2756スクエアフィートでバトミントンコート3つ分にあたる大きさのランゴリを、一人で休憩なしの7時間作業で完成しました。ランゴリの作品に打ち込むことで、マインドや体、心や魂が癒されるとVijayaさんは言います。また、ランゴリを製作する過程で忍耐力と集中力、自信が身に付くそうです。そして、ギネス世界記録以外にも、当然シンガポール国内でも数々の賞を受賞。その数はここではご紹介しきれないほど。

アートセラピストしても活躍するVijayaさんは、病院や福祉施設、障がい者施設やコミュニティセンターでも多数のワークショップを開催。またインドやシンガポールの多数の教育機関にも長年携わってきた経歴があります。

Suntecに描かれた床絵  写真提供:Vijayaさん

ご自宅の中の神棚にあたる場所には、蓮の花のランゴリアート。

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蓮の左の一直線はVijayaさんが書いた線と著者がトライした一直線。Vijayaさんは当然まっすぐな一直線ですが、著者はでこぼこの線になってしまいました。

実際使っている粉は米粉とのこと。小鳥などが食糧として食べられるような素材を使っているそうです。

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この米粉に水を含ませ、天然の色素を混ぜることにより絵具のようになります。それをそのまま使用することもあれば、様々な素材を混ぜ合わせながら異なる質感を表現していったりします。

Vijayaさんのランゴリの特徴は、他の方がなかなか使わないような素材を使用してオリジナリティあふれるランゴリを作り出していることにあります。

例えば、発砲スチロールの小さなボール。

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また、小さくカットされたストローなど。

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そしてカットしたストローとボールペン、ペットボトルの蓋を使ったランゴリ。

こちらは果物と花を使ったランゴリ。

Marine Paradeにて  写真提供:Vijayaさん

Vijayaさんやランゴリにご興味ある方は是非SingaRangoliのサイトをご覧になってみてください。

異文化が混ざり合うシンガポール。それぞれの文化を大切にして、様々な方法で表現していく人達があふれるこの国にはたくさんの魅力が溢れています。そして、この地で輝くエネルギッシュなたくさんの女性たち。今後もご紹介していきたいと思います。

 
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