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- フィリピンの歴史を世界遺産で追う
スペインの面影が残るビガンの歴史地区 photo:ひさほ ゆう
7,000以上もの美しい島々からなるフィリピン。青い海をバックに島でリゾートを楽しんだり、マニラで最先端のシティライフを満喫したりフィリピン旅行の楽しみは尽きません。最近は英会話留学でも注目を集めています。
フィリピンは長い間スペイン、アメリカ、日本などに統治された歴史を持つため、さまざまな外国文化が生活の中に根付いています。キリスト教を信仰する人が多い、英語を話せる人が多いというのには、そういった背景があります。
フィリピンには世界遺産が6件あるのですが、今回の記事では、文化遺産3件に注目してフィリピンの歴史を簡単に振り返ります。
先史時代からマゼランが到達するまで
古くからフィリピンには、マレー人などを中心に様々な民族が生活をしていました。15世紀頃イスラム教が伝わり、フィリピンの多くの島がイスラム化します。そんな中、大航海時代の1,521年、スペインが派遣したマゼランがフィリピン諸島に到達。これ以降スペインによる統治時代が始まります。
■コルディリェーラ山脈の棚田
photo:ひさほ ゆう
最初にご紹介するのは悠久の歴史を持つ棚田の世界遺産。ルソン島の北部に位置する「コルディリェーラ山脈の棚田」は、少数民族イフガオ族によって作られたもので斜面に広がっています。特筆すべきは、2,000年以上にわたって口承で農耕技術が伝えられてきたこと。長きに渡って同じ方法で農作業を続けてきているのです。
石段で作られています photo:ひさほ ゆう
イフガオ族が2,000年以上自然との調和を守りながら水を大事にして稲作を営んできた棚田は、その美しさから「天国への階段」とも言われています。
■コルディリェーラ山脈の棚田
登録 | 1995年 |
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登録基準 | 「文明の証拠」、「建築技術」、「伝統的集落」 |
アクセス | 日本からマニラまで直行便で約4時間。マニラからバナウェまでバスで約9時間。 |
スペイン統治時代
さて、マゼランの到達後スペインはフィリピンの島を次々と占領し1,571年にはマニラを陥落。スペインは、植民地支配を安定させるためフィリピンの人々にカトリック教を広め、教会を建築していきました。そのため、現在でもフィリピンの各島にスペインの聖堂をモデルとした教会やスペイン風のコロニアルな街並みなどが残されています。
スペイン統治時代の世界遺産を2つご紹介します。
■フィリピンのバロック様式の聖堂群
スペイン統治時代に建設されたバロック様式の教会4つが世界遺産として登録されています。フィリピン特有の地震や台風、そして西欧の攻撃から建物を守るため、石でつくられているのが特徴です。
サン・アグスティン教会 photo:ひさほ ゆう
フィリピン最古の教会と言われているマニラ市内のサン・アグスティン教会。重厚な造りの外見ですが、中に入ると美しいシャンデリアや荘厳な祭壇などがあり華やかです。
ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アスンシオン教会 photo:ひさほ ゆう
ルソン島北部ビガン郊外サンタ・マリアにある教会。堅牢なつくりで要塞も兼ねていました。
■フィリピンのバロック様式の聖堂群
登録 | 1993年 |
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登録基準 | 「文化交流」、「建築技術」 |
アクセス | 日本からマニラまで直行便で約4時間。サン・アグスティン教会はマニラ市内。ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アスンシオン教会は、マニラかラワグまで飛行機で約1時間。ラワグからビガンまでバスで約1時間半。ビガンからバスで約1時間。 |
ビガンの歴史地区
スペイン風の聖ポール大聖堂 photo:ひさほ ゆう
大航海時代のスペインの面影が残る「ビガンの歴史地区」は、街がまるごと世界遺産として登録されています。ルソン島北部の港町ビガンは、中国やメキシコとの貿易の拠点として栄えました。
photo:ひさほ ゆう
外観はスペイン風ですが、建築様式はフィリピンや中国の様式が採用されたため、石と木を組み合わせた家屋。異国情緒あふれる街並みは、フィリピンの歴史を現在に伝えています。
■ビガンの歴史地区
登録 | 1999年 |
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登録基準 | 「文化交流」、「建築技術」 |
アクセス | マニラからラワグまで飛行機で約1時間。ラワグからビガンまでバスで約1時間半。 |
アメリカ合衆国統治時代
1,898年、アメリカとスペインによる米西戦争が起こり、アメリカはフィリピンに侵攻、スペイン軍を降伏させました。これによりスペイン統治時代は終焉を迎え、アメリカがフィリピンの統治権を奪います。その後独立を目指すフィリピン大統領アギナルドを中心にアメリカと対立するのですが、アメリカ軍によって鎮圧。アメリカ占領時代が始まります。
語学学校「QQ English ITパーク校」のマンツーマンレッスンの様子 ©TRIPPING!
占領時代、アメリカ政府はフィリピンの学校で積極的な英語教育を進めました。その英語教育は現在でも引き続き行われているため、フィリピンは高い英語力を持つ方が多いことでも知られています。現在フィリピンは、リーズナブルで質の高い英語留学の渡航先としてブームになっています。
独立!民主国家フィリピン共和国誕生
第2次世界大戦中の1,941年から45年までフィリピンは日本軍の支配下にありました。日本の敗戦により一旦アメリカに占領されますが、1,946年にアメリカから独立。民主国家フィリピン共和国が誕生し現在に至ります。
(text : 鈴木かの子)
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