東南アジア
カルチャー
2級に合格すると旅がもっと楽しめます!

旅好きにマストな資格!世界遺産検定2級のおすすめ勉強法

photo:世界遺産イェーイ!

海外に行くことができない今のうちに勉強をしておこう!ということで、注目を集めているのが世界遺産検定。前回の記事では世界遺産ビギナーにおすすめの世界遺産検定3級についてご紹介しましたが、旅好きな、みなさまには世界遺産検定3級だけでは物足りないのでは?!ということで、今回の記事では、世界遺産検定マイスターで世界遺産アカデミー認定講師も勤める筆者が、世界遺産検定2級に絞って、試験の概要や、効率の良い勉強法をご紹介!世界遺産検定2級でよく取り上げられる東南アジアの世界遺産についてもご紹介します。

 

世界遺産検定2級の概要


photo:世界遺産イェーイ!

「NPO法人 世界遺産アカデミー」が主催している世界遺産検定は、上位からマイスター、1級、2級、3級、4級とあります。前回ご紹介した3級は、日本の世界遺産23件+世界の代表的な遺産100件が試験範囲でしたが、2級の試験範囲は日本の世界遺産23件+世界の代表的な遺産300件となっています。つまり2級は3級よりも世界遺産の件数が200件増えることになります!3級と同様、2級も全てマークシート方式で誰でも受験することができます。

2級の検定試験は年に4回、3月・7月・9月・12月に日本各地で実施されます。なお「CBT」(CBT…Computer Based Testing)試験も行っており、期間中都合の良い日時に自宅の近くや職場の近くのテストセンターで試験を受けることもできます。

2級は100点満点中60点以上で合格。2020年2月検定の結果を見ると、認定率は61.2%となっており、3級の認定率が例年7割~8割程度であることを考えると、難易度が上がっていることがお分かり頂けるかと思います。

前回ご紹介した3級は飛ばして2級から受験したい!という方も多いと思うのですが、やはりおすすめは、3級でしっかりと基礎を固めて、その次のタイミングの試験で2級を受験というスケジュール。というのも、2級から受験してみたものの、想像以上に勉強するボリュームが多かったために途中で挫折してしまうこともあるからなのです。もともと世界史や地理がかなり得意!という方以外は、3級、2級と段階的に受験していく方が無理なく勉強できると思います。

 

世界遺産検定2級合格への勉強法

世界遺産検定2級に合格するには?ということで、傾向と対策や勉強法を一挙にご紹介!世界遺産検定2級は、マークシート形式の試験で試験時間は60分、合格点は100点満点中の60点以上です。例年認定率は5割~6割程度となっており勉強すれば十分合格できる資格。勉強するのに必要な期間は1ヵ月から2ヵ月ほどです。3級合格に必要な勉強期間は1週間から1ヵ月だったので、ある程度の勉強が必要な試験です。

世界遺産検定を受験するにあたって欠かせないのが、公式テキスト。世界遺産検定の2級公式テキストの説明には「2級試験はこのテキストから8割以上が出題されます。」とあるので、まずはこの公式テキストを購入しましょう。2021年3月15日(月)に、新しい公式テキストが発売されたので、今後受験される方は最新のものを用意するようにしましょう。テキストは大型書店やネットなどで入手できます。


公式過去問題集 photo:世界遺産イェーイ!

もうひとつ入手したいのが過去問。世界遺産検定2級も、3級ほどではないですが、過去と似ているような問題が出題されていますので、過去問を繰り返し解いて傾向をつかんでおきましょう。

そしてぜひチェックして頂きたいのが学習アシスト動画。世界遺産検定を主催している世界遺産アカデミーの研究員が、世界遺産の基礎知識や勉強法について解説しています。無料で視聴できるので必ずチェックするようにしましょう。特に問題カテゴリのひとつ「世界遺産の基礎知識」については、公式テキストを見ながらこの動画で勉強することをおすすめします。動画では、出題範囲やどんな問題が出やすいのかについても触れています。

学習アシスト動画-2級 前編
学習アシスト動画-2級 後編

世界遺産検定2級の配点比率を見てみると、「世界遺産の基礎知識」が20%(3級は25%)、「日本の世界遺産」が25%(30%)、「世界の自然遺産」が10%(10%)、「世界の文化遺産」が35%(30%)、「その他」が10%(5%)となっています(かっこ内は3級の配点比率)。3級との違いは、得点が取りやすい「世界遺産の基礎知識」と「日本の世界遺産」の配点がそれぞれ5%ずつ減少し、何が出題されるのか予想が難しい「世界の文化遺産」と「その他」の配点が5%ずつ増えていることです。

そうはいってもやはり2級の試験対策としては、まずは3級と同様「世界遺産の基礎知識」「日本の世界遺産」を徹底的に学習しましょう。「世界遺産の基礎知識」については、先述した通り学習アシスト動画の利用がおすすめ。

そして2級合否の運命の分かれ目と言えるのが「世界の自然遺産と文化遺産」。300件の世界遺産を覚えないといけないので対策が難しいところ。これに関しては公式テキストを何回も読む!というのが合格への近道になります。1回目は興味がある世界遺産をチェック、2回目は全部読む、3回目は過去問を解きながらチェックなど、自分なりのアプローチで300件の世界遺産を覚えていきましょう!

配点比率などの詳細については、世界遺産検定の公式サイトをご覧ください。

 

東南アジアの世界遺産をチェック

現在東南アジアには世界遺産が41件あります。東南アジアにある世界遺産の中で、3級の出題範囲である世界遺産は6件でしたが、2級ではぐっと増えて13件になります!!その中でもぜひ勉強しておきたい世界遺産2件をご紹介!

ハ・ロン湾 (自然遺産):ベトナム


photo:ひさほ ゆう

昔、天から龍が降りてきて侵略者たちを撃退した際に、辺りの山が砕け、深い谷ができ、そこに海水が流れ込んでハ・ロン湾の景観ができたという伝説を持っている世界遺産。ハ・ロン湾の「ハ」は「降りる」、「ロン」は「龍」を意味しています。石灰岩台地の風化によってつくられた、大小様々な形をした島が無数にあり、その景観は中国の桂林にも例えられ「海の桂林」とも言われてます。


photo:ひさほ ゆう

ハ・ロン湾は、ハノイからの日帰りクルーズツアーが一般的。ハノイからクルーズの船乗り場までバスで4時間弱かけて行き、船から不思議な形をした島々を見学したり、洞窟の中を歩いたりするツアーです。洞窟の中では、カルスト地形特有の鍾乳石が色鮮やかにライトアップされています!

フエの歴史的建造物群 (文化遺産):ベトナム

ベトナム最後の王朝、19世紀から20世紀に栄えた阮(グエン)朝の都であったフエには、バラエティに富んだ建造物が多数残されています。


photo:世界遺産イェーイ!

市内にある阮朝の王宮は、中国北京の故宮の4分の3の縮尺で作ったと言われています。約600m四方の城壁に囲まれた王宮内にフラッグタワー、大和殿などの遺跡があります。ベトナム戦争で破壊されたものが多いですが、王宮正門などは補修が施され現在もその姿を残しています!


ミンマン帝陵の崇恩殿 photo:ひさほ ゆう

きらびやかな王宮、フランス統治時代に作られた西欧風のカイディン帝陵 (お墓)、中国式の装飾が美しいミンマン帝陵などを見ていると、フランスや中国に支配されながらも独自の文化を作り上げてきたベトナムの歴史そのものを感じることができます。

 
以上、世界遺産検定2級のご紹介をしてきましたがいかがだったでしょうか。アジア旅行の情報に詳しいみなさんには、今のうちにぜひ2級まで合格して頂きたいところ。3級と比べると難易度は上がりますが、2級に合格できるレベルの世界遺産の知識があると、もっと深いところまで旅が楽しめますよ!

(text : 鈴木かの子)

■世界遺産検定
公式サイト:https://www.sekaken.jp/
公式Twitter:@sekakenpr

(参考文献:『くわしく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト』、『世界遺産検定公式過去問題集 1・2級』)

 

【連載】世界遺産のプロが教える! アジア イェーイな旅

何をむ?

国名・都市名、ジャンルを選ぶと、読みたい記事を絞りこみできます