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- アジアの街をゆく 〜ベトナム・ロンスエン編〜
ホーチミンからバスに揺られロンスエンにやってきた。ロンスエンはベトナム南部アンザン省の省都でホアハオ教の中心都市といわれるれる。ホアハオ教は僧侶や寺院を置かず仏像の代わりに紫色の布を信仰の対象としているのが特徴だ。
ホーチミンのような雑踏も道路を埋め尽くすようなバイクもない。街にはのんびりとした空気が流れていた。30分も歩かないうちに街の中心部らしきエリア出た。市場があったが午後ということもあり閑散としている。ハンモックで昼寝をしている人もいた。市場のすぐ近くにメコン川が悠々と流れている。ロンスエンはメコン川沿いに栄えた街でカンボジア国境のチャウドックまで約50kmクメール系の住民も多い。
市場から船着き場に出ると岸に渡るフェリーが停まっていた。フェリーは大きくは無かったがトラックやバイクも一緒に乗り込むタイプの船だ。船着き場を出た船はゆっくりとメコンを航行した。ちょっと喧しいディーゼルエンジンの音が響く。途中、軽いスコールに遇い約20分ほどして対岸に到着。煩いバイクタクシーの客引きもない。拍子抜けするほどのんびりとしていた。バイクにまたがったおばちゃんがチラリとこちらを見た。もしかするとおばちゃんがバイクタクシーなのかも知れない。
船着き場から延びる一本道をブラブラと歩いた。両側に民家が疎らに点在するだけだった。1時間ほど歩いただろうか。少し大きな通りに出たところで来た道を引き返した。再び船に乗り市街地へ向かう。太陽が西に傾きメコンの水面がキラキラと輝いていた。
翌日、朝の市場に散策に出かけた。朝の市場は活気に溢れブラブラしているだけで楽しい。市場を抜け船着き場に向かった。小さな船をチャーターし運河の水上マーケットを見に行った。メコンデルタ地帯では多くの場所で水上マーケットを見ることが出来るが、場所によってはかなり観光開発されている場所も多い。ロンスエンはさほどでもなく、船の船頭もあまり英語が通じない。身振り手振りで周辺の水路を案内するといった感じが微笑ましい。
支流に入ると貨物船や商品を積んだ船、食べ物を売る屋台船が水路を行き交っていた。水上家屋にすむ人々は、船を呼び止め買い物をしたり、食事を注文したりしていた。水辺に暮らす人々の生活を垣間見ることができた。
(photo & text : 中島貴義)
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