タイ
観光
エアアジアでタイ周遊の旅 前編

芸術的な仏教寺院とフュージョン料理を楽しむ!バンコクからタイ北部へ

著者撮影

タイの首都バンコクの魅力と言えば、都会らしさや買い物の利便性が挙げられますが、さまざまな地方へ行く“ハブ”であるということもお忘れなく。今回は、バンコクからチェンライ、チェンマイ、クラビ、そしてまたバンコクへと戻ってくる、タイの北から南まで巡る“タイ周遊の旅”へ!まずは、北部編。チェンライとチェンマイの旅を紹介します。


 

エアアジアで、バンコクを経由してチェンライへ!

著者撮影

今回の旅で利用したのは、ワールドベスト・ローコスト・エアライン賞を9年連続受賞しているエアアジア。LCCならではの価格の安さもさることながら、機内サービスのカスタマイズ性、“空飛ぶベッド”プレミアムフラットベッドの快適さも評価されています。バンコク往復便は成田国際空港、関西国際空港どちらも就航しているのも便利ですね。

著者撮影

さて、バンコクの空の入り口、スワンナプーム国際空港から国内線に乗換え、約1時間20分。チェンライ国際空港に到着しました。

 

「タイのサクラダファミリア」は、地獄か天国か

著者撮影

チェンライに到着してまず向かったのは、白い寺院「ワット・ロンクン」。アーティストであるチャルムチャイ・コーシッピパット氏が1997年に建立した比較的新しい寺院ですが、未完成のうえに完成の目処が立っていないことから「タイのサクラダファミリア」と呼ばれているのだとか。

著者撮影

白亜の寺院の外観にはガラスのタイルが埋め込まれており、少しの太陽の光でもキラキラと反応して大変美しく、一見すると天国のようですが、近づいて見てみると……。

著者撮影

地獄を表現した場所も。

天に向かって突き刺さりそうな鋭利な装飾や、無数の手が地獄へと手招きする装飾はあまりにもリアルで思わず顔をしかめてしまうほど。少々不気味に感じました。ところが、内部に入るとバットマンや、ドラえもん、ピカチュウ、スパイダーマンなど、ポップカルチャーのアイコンたちが壁面に描かれており、なんともシュール。100年後、200年後、またはそれ以降に価値のある建造物になることを目指したというワット・ロンクン。キャラクターたちはその歴史のもの言わぬ証人となるのでしょう。

著者撮影

寺院の内部だけでなく、敷地内では、チャルムチャイ・コーシッピパット氏の作品がいたるところにあり、建築デザイン、絵画、装飾デザインと彼のマルチな才能をうかがうことができます。

著者撮影

このパネルの方がチャルムチャイ・コーシッピパット氏。ミュージアムやショップも併設されています。農村地で観光資源に乏しかったチェンライに、一大観光地をつくったという意味でも、彼をチェンライの英雄と見る人は多いようです。

ワット・ロンクン Wat Rong Kun
———————————
・住所:Pa O Don Chai Road, Muang Chiang Rai, Chiang Rai 57000
・URL:http://www.watrongkhun.org/

 

ホワイトの次はブルー! 眩しいほど青い寺院「ワット・ロンスアテン」を訪ねる

著者撮影

先ほどの白い寺院をつくったチャルムチャイ・コーシッピパット氏の弟子であるスラーノック氏によって建てられたこの青の寺院は、外観から内部まで真っ青! 空の色に負けない強い青さと、ヌタっとした質感のマットゴールドに圧倒されます。

著者撮影

元は白い仏様も、ライトアップで真っ青に。

著者撮影

天井、装飾、ライトアップされた仏像、すべてが青い! 青は仏教をイメージさせる色とされていることと、仏教が広まっていくイメージを、水が流れゆく様子と重ね合わせ、水の色=青ということで改修の際に青くしたのだと言われています。

著者撮影

仏様とご対面。青くライトアップしている上からさらに赤や緑のLEDライトを当てているので、荘厳な雰囲気の中になんだかポップさを感じさせます。

著者撮影

先の白い寺院、この青い寺院に加え、「黒い家」という意味を持つ美術館バーン・ダムの「三色」をまとめて見にいくツアーが観光客に人気です。

 

ワット・ロンスアテンの由来

お寺の近くにある小さな川を野生の虎が行き来しており、その姿がまるで踊っているようだったことから、これが由来となり、ワット=寺、ロン=小さい川、スア=虎、テン=踊る と名付けられたと言われています。この由来にちなんだ虎の彫り物を発見。表情がなんとも可愛らしいですね。

著者撮影

ワット・ロンスアテン Wat Rong Sua Ten
———————————
・住所:Rim Kok, Mueang Chiang Rai District, Chiang Rai 57100
・電話:(+66)82-026-9038

 

タイ北部料理とモダン料理の華麗なるフュージョンに舌鼓!

チェンライ、チェンマイを代表するタイ北部の料理の特徴といえば、蒸したもち米を食べることや、辛さが際立ち、かつ甘めで濃い味付けの料理が多いということがあげられます。香辛料ともち米を合わせた豚のソーセージ「ネーム」や、ひき肉のピリ辛炒めの「ラープ」などが代表料理とされていますが、現代人や観光客の口にも合うように、モダンにアレンジされているものも多いのです。

著者撮影

チェンライの「Art Bridge Chiang Rai」内にあるレストラン「Ma long ter lanna fusion food restaurant」では、オーガニックの野菜やきのこをふんだんに使った伝統的なタイ北部料理をベースとしながらも、現代の味覚に合うようにアレンジしたフュージョン料理がいただけます。いくつかの料理をご紹介しましょう。

著者撮影

主食であるもち米に紫米を混ぜてヘルシーに見た目にも楽しく。家庭では蒸したもち米をちぎって汁などに浸して食べることも多いそうです。たくさんのおかずをよそって、「ターン ラ ナ カー!(いただきます!)」

著者撮影

プラカンという川魚のトムヤムスープ「トムヤムプラー」。すっきりとした酸味とレモングラスの香りが食欲をそそります。“きのこのエンジェル”というあだ名を持つヘッナンファーはタイではおなじみのきのこで、オーガニック栽培のものなのだそう。

著者撮影

プリップリの海老と大粒のライチのサラダ。タイの初夏の訪れを告げる果実、ライチは、日本で出回るものとは段違いの大きさで、大変みずみずしく蜜漬けにしたのかと思うほど甘く、筆者の「この旅のナンバーワン料理」でした。

著者撮影

丸くて大きなお皿に入っているのは、「ネーム(発酵ソーセージ)」、「サイウワ(炙りソーセージ)」、「ケープムー(豚の皮の素揚げ)」のオードブル。スパイシーさがクセになる味わい。豚のソーセージはタイ北部料理の代表で、もち米と一緒に食べるのが一般的。噛めば噛むほど味が出て、おつまみというより、食事のソーセージですね。

Art Bridge Chiang Rai / Ma long ter lanna fusion food restaurant
———————————
・住所:Paholyothin Road, Chiang Rai 57100
・電話:(+66)88-418-5431(Art Bridge Chiang Rai)
・URL:www.artbridgechiangrai.org

 

スウェーデン料理とのフュージョンも!

チェンライの「Chivit Thamma Da Coffee House, Bistro & Bar」は、Kok川のほとりにある美しいロケーションが自慢の一軒家ビストロです。まず外観の可愛さにノックアウト!観光客も多く、チェンライのおしゃれスポットの代表となっています。

著者撮影

このレストランの特徴は、ずばり「タイ料理とスウェーデン料理のフュージョン」。オーナーがスウェーデン人のため、料理もトラディショナルなタイ料理というよりは、ソースにベリーなどのフルーツの甘さを合わせたり、強い香辛料を使わない料理や、スパゲティがメニューにあったりと、刺激の強いタイ料理にちょっと胃腸が疲れた人にもおすすめしたいレストランです。

著者撮影

夜になると雰囲気もよし。Kok川からの風が心地よいテラスがあるのも人気の秘訣。ここが熱帯タイであることを忘れさせる爽やかさです。レストランは2棟あるため席数は十分ですが、テラスのいい席を確保したければぜひ予約を。

著者撮影

鴨のローストは、ガーリックトーストと柑橘を合わせて。フルーツと合わせるところに北欧の料理の影響を感じます。コーヒー、果物、野菜、ハーブ、豚肉、鶏肉、卵は、チェンライのDoi Mae Salong地区で育てられたものを使用しており、季節によってもメニューは頻繁に変わるのだそう。

著者撮影

バーテンダーがシェイカーを振ると、お客さんも店員も一緒に拍手! カクテルは240バーツ(約800円)から。日本酒やウイスキーなども数多く取り揃えています。実は、タイは醸造王国。チャーンやシンハーなどのビールだけでなく、ラムや米焼酎、ウイスキーなどもお土産に喜ばれそうです。

著者撮影

白玉入りココナッツスープ「ブアローイ」はタイの定番デザート。モチモチとした食感の色とりどりの白玉は手が止まらなくなる美味しさ。白ごまがいいアクセントになっています。地元の人で行列ができる美味しいブアローイ屋さんでわざわざ仕入れているのだとか。

著者撮影

お酒の種類の豊富もさることながら、丁寧に淹れられたコーヒーやフレッシュフルーツのスムージーも名物。デイリーに使えるお店です。

Chivit Thamma Da Coffee House, Bistro & Bar
———————————
・住所:PHAHON YOTHIN ROAD, Chiang Rai 57100
・電話:(+66)81-984-2925
・URL:www.chivitthammada.com

 

チェンマイの「Oasis Spa(オアシススパ)」で満たされた時間を過ごす

チェンライから南西へ車で3時間、タイ第2の都市チェンマイへ移動。チェンマイ県内で4店舗を展開する人気スパ「Oasis Spa」の中でも、市内の喧騒から離れ、隠れ家のような趣のある「Oasis Oriental Secret Spa」へ足を運びました。

著者撮影

日本でもタイマッサージのお店が数多くありますが、人気が広がったのはやはり効果がある証拠。その特徴は、こり固まった筋肉を、手やハーブボールと呼ばれる温めたハーブを布で包んだ道具でほぐしていく施術方法にあります。血の巡りが良くなり、自律神経のバランスが整い、人間が本来持つ免疫力や自然治癒能力を高める効果があるとされています。

著者撮影

しかし強く筋肉に刺激を与えるので、筋肉の状態や体調によってはとても痛く感じることも。 「そんな時には『パオパオ!(弱く!)』と言ってくださいね」と話すのは、ゲスト担当マネージャーのJayさん。

今回は、ジンジャーをメインとした4種のタイハーブのハーブボールを使った2時間のボディーマッサージ「King of Oasisコース(3900バーツ/約13,000円)」を体験してきました。

 

イタ気持ちいいがクセになる、丁寧な施術

スパイシーでエキゾチックな香りで満たされた部屋に案内されると、鼻で大きく吸い、少しずつ長時間かけて吐く、というように自然と呼吸が深くなります。とても静かで満たされた時間、自分へのご褒美時間がやってきました。

著者撮影

人肌よりも温かく、ハンドボールほどの大きさで適度な重さを感じるハーブボールと、マッサージ師の手によって、移動でむくんだ足を特に丁寧に施術してもらいましたが、骨に沿った筋肉までもほぐしてもらっている感覚で、イタ気持ち良さが徐々に心地よく感じられます。

足から、背中、腕、肩、首、頭と手際よく、でも丁寧に施術は進み、幸いなことに一度も「パオパオ!」と言う機会はありませんでした。温めたオイルで全身を整え、2時間が終了。起き上がった時の体の軽さに驚きましたが、マッサージ後の体のダルさがなく、翌日以降の揉み返しのなさにも驚きました。

著者撮影

Oriental Secret Spa, Rattanakosin
———————————
・住所:35 Rattanakosin Road, Wat Gate Muang, Chiang Mai
・営業時間:10:00 – 22:00
・URL:https://www.oasisspa.net/destination/chiangmai/

 

次は南部のリゾート・クラビへ!

タイ北部では美しい仏教寺院と食、リラクゼーションを満喫し、いよいよ南部のリゾート地クラビへ。チェンマイの空港からクラビまで、約2時間の空の旅。そして、船で行く美しい島々のビーチのレボートも!

著者撮影

後編に続く!

 
(text & photo : Yu Ebihara)

 
エアアジアでタイ周遊の旅
前編 芸術的な仏教寺院とフュージョン料理を楽しむ!バンコクからタイ北部へ
後編 タイ北部から一路、タイ南部のクラビへ!自然のダイナミズムを感じる旅

何をむ?

国名・都市名、ジャンルを選ぶと、読みたい記事を絞りこみできます