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- 待望のタイ人Jリーガー!タイ代表のスター選手がコンサドーレ札幌に加入
著者撮影
この夏、Jリーグに東南アジアから注目のプレーヤーがやってくる。7月から北海道コンサドーレ札幌への加入が発表されたチャナティップ・ソングラシン選手。「タイのメッシ」と呼ばれるタイ代表のスター選手で、東南アジア出身の選手が日本のトップリーグ「J1」でプレーするのはこれが初めてのこととなる。
Jリーグは2012年頃から「アジア戦略」として、東南アジアの国々との連携を強化。リーグ間やクラブ間で提携が結ばれ、さまざまな交流が行われてきた。Jリーグが積み上げてきたノウハウを成長著しい東南アジアの国々と共有することでアジア全体のレベルアップをはかり、ビジネスの面での効果も期待されている。
Jリーグが特に力を入れてきたのが、東南アジアの選手をJリーグでプレーさせること。すでにベトナムやインドネシアなどからはJリーガーが誕生しており、一定の効果を見せてきた。たとえば水戸ホーリーホックはベトナム人選手を獲得したことによりベトナム航空をスポンサーにつけることに成功、茨城空港にはベトナムからの直行便が飛ぶようになった。
チャナティップ・ソングラシン選手 著者撮影
タイは「アジア戦略」において最重要国として位置づけられている。経済規模やサッカーの実力で東南アジアのトップを走り、昨年は訪日タイ人が90万人を突破するなど年々その存在感を強めている。だが、国内リーグの急発展によって年俸が急激に上がったことなどがネックとなり、昨季までタイ出身のJリーガーはゼロ。チャナティップ選手の札幌加入は、Jリーグにとっても待望のことだった。
現在行われているワールドカップ予選でもアジア最終予選に進出するなど、サッカーの実力も急上昇中のタイ。チャンティップ選手はその成長を象徴する存在となっている。身長は160センチに満たない非常に小柄な体格ながら、傑出した俊敏性と高いテクニックで攻撃を操るプレースタイル。その能力の高さは、すでにアジアレベルでも注目を集めつつある。
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今季、初めて出場したAFCアジアチャンピオンズリーグではJリーグ王者の鹿島アントラーズに対しても気後れすることなく持ち味を発揮。所属するムアントン・ユナイテッドを勝利に導き、試合のMVPも獲得した。さらに、英メディア『Four Four Two』が独自に選出する「アジア選手トップ50」の2017年版では15位にランクイン。これは日本人選手も含め、Jリーグに所属する選手では最高位だ。
チャナティップ選手の獲得に尽力した札幌の三上大勝ゼネラルマネージャーは、「レギュラークラスの戦力と確信している」とその実力に太鼓判を押すと同時に、日本とタイをつなぐ役割も期待している。
「コンサドーレとしては、サッカーを通してシティープロモーションもやっていきたい。そういったなかで、チャナティップはタイでも非常に有名で人気のある選手。彼が来ることによって、より多くのタイの方に北海道や札幌をもっともっと知ってもらうことになるんじゃないかと。戦力面とそういった面の両面で彼の加入を心待ちにしていました」
チャナティップ選手はその実力だけでなく、愛嬌のあるルックスやファンサービスなどを徹底して行う人柄もあって、タイ国内での人気は凄まじいものがある。SNSでは約190万人(2017年6月時点)がフォローするなど、その存在はサッカーの枠を超えた国民的なものとなっている。
チャナティップ選手がJリーグでプレーすることとなったため、タイのケーブルテレビ局「true visions」が毎週、Jリーグの試合を中継することも決定。今やアジア屈指のプレーヤーと言っても過言ではないチャナティップ選手がJリーグで輝けば、そのプレーを通して日本とタイの関係がさらに深まることになるだろう。
(text & photo : 本多 辰成 )
スポーツコラム「スポーツが繋ぐ! 東南アジアと日本の新時代」
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