シンガポール
カルチャー
歴史好き必見!

シンガポール発展の歴史を学べる「チャイナタウン・ヘリテージ・センター」

写真提供 : China Town Heritage Centre

シンガポールには国立博物館やアジア近代博物館など、国立の有名な博物館があります。今回ご紹介する「チャイナタウン・ヘリテージ・センター」はプライベートの博物館なので、他の博物館に比べると知名度はありませんが、民族博物館としては国立の博物館よりも見学者の興味を引く作りになっています。また、現代シンガポール発展の影には多くの移民の歴史がありますが、その中でも中華系移民の歴史を展示しているとても興味深いミュージアムです。

本文を読む

入場料が15ドルと他の博物館に比べると高額ですが、こちらは多言語対応のオーディオガイドの料金も含まれています。必ず入口で日本語のオーディオガイドを入手して下さい。オーディオガイドの説明を聞く事にこの博物館の価値があります。

筆者撮影

イギリス植民地時代より中国からの労働者の移民は「苦力(クーリー)」と言われて来ました。これはそのクーリーの部屋を再現したものです。一人のクーリーが部屋を借り、それを二人に貸して三人でこの狭い空間に暮らしたいた、と言う時代でした。

筆者撮影

これは一階に住む大家さんのトイレとシャワーです。大家さんの多くは一階に自分達の住居を構え、二階は小さな部屋に仕切り、貸していたそうです。

筆者撮影

シンガポールに出稼ぎに来ていたのは男性ばかりではなく、女性も同じように肉体労働に従事していました。これらの女性はサンスイ・ウーマンと呼ばれていました。主に中国広東省山水から移民としてやってきたので、そう呼ばれていますが、彼女たちは赤い頭巾をかぶっていたので、漢字では「赤い頭巾」と字を書きます。彼女たちは稼いだお金を頭巾の中に貯めていたと言われています。

筆者撮影

サンスイ・ウーマンの部屋の再現。紺色の作業着に赤い頭巾が目印だったそうです。彼女たちは中国本土に仕送りする為に、肉体労働に従事していました。女性の数が絶対的に少ない時代、男性と同じ様に建設現場で働き、今日のシンガポールの発展に貢献した女性たちです。

筆者撮影

今の近代的なシンガポールを見ていると、この博物館に展示されている事はずいぶん昔の生活だったのだろうと思いがちですが、実は設定年代は1960年代後半です。日本では東京オリンピックも終わり、大阪万博が開催されようと言う時代です。

展示物のほとんどがレプリカなので、歴史的価値がある展示物がある博物館ではありません。しかし、近代的なシンガポールの発展の歴史を、目で見て肌で感じる事が出来ます。

歴史好きな方は、ぜひ訪れてみて下さい。

何をむ?

国名・都市名、ジャンルを選ぶと、読みたい記事を絞りこみできます

RECOMMEND COLUMN
連載コラム

RECOMMEND
COLUMN
連載コラム