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リオ オリンピック金メダルへ!桃田、奥原の挑戦

バドミントン最強王者のインドネシアと日本人トレーナー

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毎年ジャカルタで開催される国際大会「インドネシア・オープン」の模様

日本のバドミントン界が盛り上がっている。先日、UAEのドバイで行われた世界のトップ選手が集う「スーパーシリーズ・ファイナル」でも男子シングルスで桃田賢斗選手(世界ランク5位)、女子シングルスで奥原希望選手(世界ランク7位)がそろって日本勢として初優勝。リオデジャネイロ五輪でも金メダルが期待されている。

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昨年は2年に一度開催される男子の国別対抗戦「トマス杯」でも初の世界一に輝くなど、近年の成長は著しい。

 

世界屈指のバドミントンが盛んなエリア「東南アジア」

実は東南アジアは、世界でも屈指のバドミントンが盛んなエリア。
特にインドネシアやマレーシアはバドミントンが国技となっており、世界でもトップクラスの強豪国だ。「トマス杯」の歴史を振り返っても、日本が初優勝するまでは全27大会中、インドネシアが13回、中国が9回、マレーシアが5回(マラヤ連邦時代の3回を含む)と3カ国で優勝を分けあっていた。東南アジアのレベルの高さがわかるだろう。

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世界トップレベルの実力を誇るインドネシアと、そこに関わる日本人トレーナー

バドミントンの盛んな東南アジアのなかでも、最強の王者として君臨するのがインドネシア。その王国・インドネシアのバドミントン界に関わる日本人がいる。インドネシア代表のトレーナーを務める堀川琢也さんだ。

堀川さんは日本のバドミントンチームでトレーナーを務めたあと、2011年にインドネシアへ。当初はクラブチームのトレーナーを担当していたが、2013年からはナショナルチームのトレーナーを務めている。

インドネシアのバドミントンに関わって5年目。現在はナショナルチームのトップ選手が出場する大会を中心に年間20近い大会に帯同しているという堀川さんは、インドネシアにおけるバドミントン熱の高さを肌で感じている。

 
「インドネシアにとってはオリンピックでメダルを狙える唯一の競技なので、国民の期待は非常に大きいです。インドネシアは北京五輪まですべての大会で金メダルを獲得していたのですが、ロンドンで初めてメダルを逃しました。それもあって、来年のリオデジャネイロ五輪では『最低でも金メダル1個』という思いが強い。オリンピックが近づくにつれて緊張感が高まるのを感じています」
 

バドミントンがオリンピックの正式競技となったのは、1992年のバルセロナ大会。男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの計5種目が行われている(混合ダブルスは1996年のアトランタ大会から)。

インドネシアはバドミントンがオリンピックの正式競技となって以来、これまでに金メダル6つを含む18のメダルを獲得。2008年の北京大会まではすべての大会で、いずれかの種目の金メダルを手にしてきた。

今年インドネシアで開催された世界選手権で優勝したインドネシアの男子ペア
今年インドネシアで開催された世界選手権で優勝したインドネシアの男子ペア

 

オリンピックで金メダルを狙える唯一の競技への想い

東南アジアの国々では、オリンピックは日本ほど盛り上がりを見せない。

出場できる種目が限られており、メダルを狙える競技となるとほとんど存在しないため、「オリンピックは大国のための大会」とどこか覚めたところがある。実際、「東南アジアのオリンピック」と呼ばれる東南アジア競技大会(SEA Games)の方が注目度ははるかに高い。それだけに、オリンピックで金メダルを狙える唯一の競技への思いは特別だ。

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東南アジアには、インドネシア以外にもオリンピックでメダルを狙える国がある。

インドネシアに次ぐ強豪国であるマレーシアでは、男子シングルスで北京大会、ロンドン大会と2大会連続で銀メダルを獲得した国民的英雄のリン・チョンウェイ選手が悲願の金メダルを狙う。また、タイには2013年の世界選手権で女子シングルスを史上最年少の18歳で制したラチャノック・インタノン選手がおり、こちらは同国初のメダル獲得の期待がかかる。

日本にとっても、オリンピックでメダルが大いに期待される種目となったバドミントン。

来年のリオデジャネイロ大会では、日本と東南アジアの国々がメダルをかけて争うことになるのは確実だ。大舞台で日本と東南アジアが世界の頂点を争う競技は少ないだけに、ぜひ注目してほしい。

 
( text : 本多 辰成 )

 

スポーツコラム「スポーツが繋ぐ! 東南アジアと日本の新時代」
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