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ネクストブレイクの予感

カンボジアのビーチリゾート! シアヌークビル沖のロン島

ロン島西部のソクサンビーチリゾート。キメの細かさ、白さ、どちらもかなり上質な白砂ビーチ 著者撮影

アンコールワットと組み合わせて、世界遺産+ビーチの楽しみ方ができるカンボジアの新興ビーチリゾート、シアヌークビル。その沖に浮かぶ2つの島、ロン島とロンサレム島が面白いとのウワサを聞きつけ、訪れてみることにしました。

シアヌークビルの桟橋から船で約45分(雨季に行ってしまったため、1時間30分かかりましたが……)。中央がくびれた南北に細長い島をやや傾けたようなロン島は、面積78平方キロメートル。メイン桟橋があるコ・タッチビーチ周辺に、バックパッカー向けの小さなバンガローが集中しています。

オンザビーチにあり、リビングとベッドルームからなるスイートタイプの「シービューシャレー」 著者撮影

この島が注目を集めたのは、2012年あたり。海外のテレビシリーズ『サバイバー』のロケ地として島の自然が映し出され、美しいビーチに目のないバックパッカーやリゾーターの心をわし掴みに。そして2016年、島の西部ソクサンビーチの撮影スタッフのベースキャンプが、「ソクサンビーチリゾート」として一般にも開放され、人気に火が付きました。

シービューシャレーのリビング。地元のウッドを多用したナチュラルな風情 著者撮影

このソクサンビーチは2つの岬に囲まれた、約7キロにわたる純白のロングビーチ。ソクサンビーチリゾートと、もうひとつロイヤルサンズ・コ・ロンがある以外は小さなビレッジがあるくらい。ネイチャー系ビーチ好きにはゴキゲンな環境です。

海からみたソクサンビーチリゾート。約7キロ続くビーチに、リゾートホテルは目下2軒のみ 著者撮影

97室のソクサンビーチリゾートは、客室タイプのバリエーションが豊富。ニッパ椰子の葉で葺いた屋根のクメール様式のシャレーや、二階建てのロフトやファミリー向けのパビリオン、3ベッドルームのヴィラなど、あらゆる旅のスタイルに対応。オンザビーチもあれば、ガーデンビューもあり、予算に応じてチョイスできます。どの部屋も地元産のウッドを使ったナチュラルなテイストは共通です。ちなみに、ソクサンビーチリゾートにはクメール式マッサージが受けられるスパや乗馬も可能。トータルにビーチリゾートが楽しめて、コストパフォーマンスも上々です。

小柄でやさしい性格のカンボジアの馬。ビーチで乗馬もアレンジOK 著者撮影

ソクサンビーチを出発してロン島を時計回りにボートで回ってみました。
リゾートの岬を超えた入江はスノーケリングが楽しめ、「サバイバー」で参加者たちがジャンプしていた断崖“クリフ・チャレンジ”があります。北上して北部には漁民一家が暮らす小さなドッグ・アイランドと椰子の合間にバンガローがあるロンリービーチ。このあたりのハイダウェイ感もネイチャービーチ好きには大好物なはず。

ソクサンビーチリゾートのスタッフと島一周の冒険へ 著者撮影

緑に埋もれるようなバンガローがあるのみの、北部のロンリービーチ 著者撮影

東に回りこんだ北東部には水上ビレッジのプレック・サヴァイ村があります。川の入り口には洋服やフルーツを売るよろず屋さんがあり、川に沿って民家が数軒、立ち並んでいます。川に張り出したデッキに、漁に使う網の手入れをしている人、洗濯物を干している人、ハンモックで昼寝をしている人、地元の暮らしが垣間見られます。川を上っていくと、サルやイグアナに遭遇することもあるとか。

川沿いに築かれた水上ビレッジのプレック・サヴァイ村 著者撮影

プレック・サヴァイ村の入り口にある、よろず屋さんの店先で遊んでいた子供たち 著者撮影

川から海へ戻って南下を続けると、沖に高級リゾートのソンサー・プライベートアイランドを望むパームビーチやラブビーチ(旧Virak Beach)、さらに進んでメイン桟橋のあるコ・タッチ村へ。東海岸は乾季(11~4月)になると、海況が荒れてしまうそうです。

パームビーチ沖に浮かぶウルトラ・ラグジュアリーな1島1リゾート、ソンサー・プライベートアイランド 著者撮影

ロン島から船で約20~30分に浮かぶ、小さなロンサレム島も、ここ4~5年でバンガローが急増しています。湾曲したEの字のような形をした島は面積24.5平方キロメートル。メインのサラセンビーチには、ずらりとバンガローやプチリゾートが並んでいます。ロンサレム島は西側にポツンとあるレイジービーチが最初に見いだされ、メインのサラセンビーチにおいてはオーキッドリゾートの誕生が開発のはじまりだったそうです。サラセンビーチには、安宿からおしゃれなリゾートまでバラエティ豊かなステイ先が揃っています。

ロン島よりも小さいロンサレム島。サラセンビーチには多種多様なステイ先が揃っています 著者撮影

本土からのフェリーが行き来するロン島のコ・タッチ村。バックパッカー向けの宿が充実 著者撮影

地元の人によると、本土のシアヌークビルには3年間で100軒規模のカジノホテルの建設が予定されているとか。「マカオのようになってしまう……」と、戸惑うように、ぽそり。ロン島やロンサレム島はまだ自然がたっぷりと残されていますが、早いとこ行っといたほうがよさそうな、ブレイク前の気配がしました。ちなみに、おすすめの旅行シーズンは11~4月です。

 
(text & photo : 古関 千恵子)

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