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マレーシア在住ママの間でも話題

大自然を舞台に親子で学ぶ「虫育」! 「マレーシア昆虫教室」体験記

Tomomi Koizumiさん撮影

昆虫たちの楽園 フレイザーズ・ヒルへ

マレーシアの首都・クアラルンプールから車で約2時間の位置にある高原「フレイザーズ・ヒル」は、山々の間にある高原を切り開いて作られた、避暑地として知られるエリア。宿泊施設や行楽スポットのすぐそばに手つかずの自然が広がっており、知る人ぞ知る昆虫たちの楽園となっています。

そんなフレイザーズ・ヒルで開催されているのが、クアラルンプールに17年住んでいた河谷隆司さんが主催する「マレーシア昆虫教室」。「日本では出会えない、珍しい大きな昆虫たちに会える」 「子どもが自然とふれあう貴重な体験になる」 と、マレーシア在住ママたちの間でも話題にのぼります。「親子で貴重な体験ができる」という噂を聞きつけて、我が家も参加してきました!

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筆者撮影

GW中の今回は、日本・シンガポール・マレーシアの3ヵ国から3家族、合計11名の参加。河谷さんは、全参加者に目が行き届くようにという理由から、最大でも5家族までと参加者を制限されているそうです。

参加した幼稚園生~小学生の子どもたちは、早速新しいお友達に興味津々!「昆虫」という同じ目標をもって参加しているので、シャイな子でも打ちとけやすいんだそう。我が家の小2の娘も「虫カゴどんなの持ってきた?」 「僕はコーカサスオオカブトを捕まえたいんだ!」 と会話がはずみ、すぐにお友達になっていました。

河谷さんが作った昆虫教室には印象的なルールがあり、それは「この3日間はスマホを使わない」「子どもを叱らない」というもの。そこには、「虫という目標を通して親が子どもと正面から向き合い、濃密な時間をすごしてほしい」という思いが詰まっています。

参加者の自己紹介が終わったら、宿泊場所近くを散策がてらさっそく昆虫探しがスタート。するとすぐにコーカサスオオカブトのメスを発見! 大人も子どもも大興奮し、じっくりと観察タイムがスタートします。その後も、巨大でカラフルなカミキリムシや、巨大ヤスデなど次々と虫を見つける子どもたち。虫カゴを嬉しそうにのぞいています。

コーカサスオオカブトのメスを発見。すごい力でなかなかとることができません筆者撮影

筆者撮影

 

いよいよ本番!夜の昆虫採集に出発

さて、休憩や夕食をはさんで日がとっぷりと暮れたら、夜間昆虫採集に出発。昆虫たちは夜間にエサを探し、強い光へと寄ってくる性質があるため、夜が一番の採集タイムなんだそう。各スポットに車で向かい、河谷さんにレクチャーしてもらいながら、それぞれが目的の昆虫を探します。

普段は寝ている時間ですが、子どもたちの目はキラキラ! ワクワクした気持ちをおさえきれないようです。さすが、20年以上もフレイザーズ・ヒルでこの活動をされている河谷さん。昆虫スポットを熟知しており効率よくサクサクとまわるため、子どもたちも飽きずに熱中しています。

河谷さんレクチャーのもと、採集スポットを巡ります筆者撮影

「こんなところに昆虫が集まるの?」 と思うような意外なスポットを次々と巡り、昆虫をゲット! 河谷さんが地元の協力者の手助けで開拓した各スポットには、たくさんの昆虫たちが集まっていて 「捕まえた!」 「こっちにもいるよ!」 と続々と声があがります。

多くの子どもたちが「捕まえてみたい」と希望する、アジア最大のカブトムシにして世界最強のコーカサスオオカブトをオス・メス両方をつかまえる子も! 虫が苦手で近寄ることすらできなかった長女も、大きなヒメカブト2匹とカミキリムシ、日本では見られない大きさのカナブンなどを捕まえてご満悦の表情です。自分の体を使って探し、見つけ、自らの手でつかまえる。図鑑やゲームを眺めるだけでは得られない、強烈な原体験となりました。

すっかり仲良くなったお友達と協力して昆虫をゲット筆者撮影

虫カゴが足りなくなるほど沢山つかまえました筆者撮影

 

ネイチャーウォークやカフェでのひと時も

2日目は朝7時から昆虫採集へ。昨夜は遅くまで採集をがんばった子どもたち、眠い目をこすりながらも採集スポットへと向かいます。高原の澄んだ空気を吸いながら、夜の内に集まった昆虫たちが残っていないかをチェック。夜とはまた違うフレイザーズ・ヒルの表情を楽しみながら、みんなで和気あいあいと過ごしていきます。ここでは、テントウムシなどの小さくてかわいらしい虫との触れ合いを楽しむことができました。

筆者撮影

Tomomi Koizumiさん撮影

昆虫教室には、河谷さんガイドによるネイチャーウォークや、カフェで優雅にティータイムを過ごせるフリータイムが設けられているなど、昆虫採集以外にも楽しみがあるのが親にとっては嬉しいポイント。特にママたちに好評だったのは、おススメのカフェでいただくアフタヌーンティー。イングリッシュガーデンを眺めながらお茶するひと時は、子どもにしっかりと向き合う中でのちょっとしたブレイクタイムとなりました。

我が家は夫の仕事の都合であいにく日程途中の1泊2日で下山となりましたが、その後夜間に行われた昆虫採集では、なんととても珍しいオウゴンオニクワガタがあらわれたとのこと! 参加した子どもたちは、コーカサスオオカブトに続いての大物ゲットに再び大興奮だったようです。

2日目に行われたネイチャーウォーク筆者撮影

珍しい植物がいっぱいの森のなかを進んでいきます 筆者撮影

貴重なオウゴンオニクワガタにも会えた!河谷さん撮影

右手にコーカサスオオカブト、左手にはオウゴンオニクワガタ(Tomomi Koizumiさん撮影)

 

最後まで子どもたちの成長ポイントがいっぱい

昆虫教室の最後には、とても大切なイベントが待っています。それは、捕まえた昆虫たちにお別れを告げ、自然へとリリースすること。フレイザーズ・ヒルは自然保護区のため、昆虫たちをたとえ死骸であっても持ち帰ることはできません。頑張ってゲットした昆虫たちとの別れに泣きだしてしまう子も多いのだとか。しかし、昆虫たちにとってベストな環境は生まれ育った自然の中で、ルールは守らなければいけません。河谷さんやパパ、ママに優しく諭され、子どもたちは虫たちとお別れします。「別れを乗り越える強い心」 「ルールを守る大切さ」を、身をもって知る子どもたち。ここにも大きな成長ポイントがありました。

巨大カミキリムシともお別れです著者撮影

ヒメカブトさん、バイバイ!著者撮影

教室では、通常4回の昆虫採集を予定していますが、疲れていたら参加をスキップできるため、小さなお子さん連れでも大丈夫。普段は忙しくてなかなか向き合うことができない子どもと、“同じ目標に向かって行動し、達成感を味わう”経験は、私たち親にとっても貴重な初体験。見たことがない娘の表情やがんばりを間近で見ることができ、嬉しい経験となりました。ちなみに娘はこの教室をきっかけに、怖がらずに虫にさわれるように! これには、私も夫も驚いています。

体を動かしながら昆虫に対する興味や知識などの知的好奇心を満たし、たくましくなり、虫たちとの別れを経験する。子どもの大きな成長を感じることができ、親子の絆を深めることができるため、昆虫好きな子だけでなく、虫が苦手なお子さんにもおすすめです。

河谷隆司さん主催のマレーシア昆虫教室は、GWや夏休み・マレーシアやシンガポールの連休などに定期的に開催中。本やゲームでは味わえない、忘れられない親子での思い出作りにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

■マレーシア昆虫教室
https://beetlemanfh.wixsite.com/malaysia

■マレーシア昆虫教室・Instagramアカウント
https://www.instagram.com/malaysiabeetleprogram/

■参加費(2泊3日)
・12歳以上~:36,000円
・3歳~11歳:27,000円
・2歳以下:無料
・リピーター割引:20%オフ
※子どもの年齢は開催初日時点での年齢
※おじいちゃん・おばあちゃん:18,000円
(両親が参加せず、祖父母と孫のみでの参加の場合は、おじいちゃん・おばあちゃんは1人36,000円)

[参加費に含まれるもの]
・2泊3日の宿泊、2日目のランチ以外の全食事(朝・昼・夜)、ネイチャーウォーク、3日間の昆虫採集指導、室内での3回の昆虫教室

※現地までの往復交通費は含まれておりません
※自家用車で参加しない方は、現地で採集スポットをまわる際に車のチャーターが必要です。詳細は昆虫教室のウェブサイトをご覧ください。

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