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熱帯写真家フォトエッセイ

バンコクからぶらり旅 ~旧泰緬鉄道のハイライトを巡る〜

アルヒル桟道橋を行く列車とクウェー川  著者撮影

サンクラブリーからの帰り道、せっかくなので旧泰緬鉄道の史跡を巡ることにした。まずは『アルヒル桟道橋』に立ち寄る。断崖絶壁を手掘りと発破で崩し、架けられた鉄道橋。線路は崖スレスレ沿うように曲がりくねり、谷側には遥か下にクウェー川が悠々と流れている。

 
橋はタムカセー駅の手前(カンチャナブリー方面)にある。途中、寄り道したりしてタムカセー駅に着いたのは、列車が通過する約10分前だった。急いで橋の方まで走り撮影場所を探した。

橋の上を歩く  著者撮影

列車がやって来たのは、予定時刻から1時間近く経ってからだった。遠くから汽笛とディーゼルエンジンの音が聞こえた。列車は歩くほどのスピードでゆっくりと橋を通過して行く。乗客(ほとんどが観光客と思われる)は、身を乗り出し写真やら動画の撮影をしている。列車がタムカセー駅に着くとほとんどの乗客が降り、ガラガラだった橋を眺めるレストランが満席になった。橋の上は記念写真を撮る観光客で溢れた。橋の上は列車が来ない時は歩くことが出来るが十分に注意しよう。

タムカセー駅でほとんどの乗客が下りる  著者撮影

次は『チョンカイの切通し』に向かう。カンチャナブリーからクウェー川鉄橋を渡るとすぐに通り過ぎるのがここだ。岩山を人海戦術、つるはしのみで掘りぬいたと言われている。列車の幅スレスレに岩山が切り抜かれ、窓から手を伸ばすと岩肌に触れることが出来るほどの距離だ。危険なのでくれぐれも身を乗り出すような事はしないように。カンチャナブリーから列車に乗った場合は注意しておかないと、あっという間に通過してしまう。

チョンカイの切通し  著者撮影

カンチャナブリーまで戻り、クウェー川鉄橋に向かった。列車の本数が少ないのもあり、橋の上は常に記念写真を撮る観光客で溢れている。もはや過去の悲惨な歴史より『インスタ映え』の方が重要なのかも知れない。カンチャナブリーというと戦争の歴史的史跡というイメージがあるが、周辺には滝や温泉、その先のサンクラブリーと自然豊かなアクティビティーが溢れ、時間があればゆっくりと観光したい。

カンチャナブリークウェー川鉄橋  著者撮影

 
(text & photo : 中島貴義)

 
熱帯写真家フォトエッセイ「アジアの街角から」
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