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清宮に続け!野球のU-15アジア選手権が日本で開幕

タイ野球を育てた日本人!青山監督率いるタイ代表の未来

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著者撮影

先月、野球の「U-18ワールドカップ」が日本で行われた。日本は決勝でアメリカに敗れて惜しくも世界一を逃したが、早稲田実業の清宮幸太郎選手ら夏の甲子園を沸かせた球児たちが世界を相手に熱い戦いを見せた。

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そして、10月8日からは「U-15アジア選手権」が再び日本を舞台に開催され、東南アジアからタイが出場する。

同大会は2000年の第1回大会から2年に一度をベースに開催されており、今回が第8回大会。静岡県伊豆市の志田スタジアムに日本、台湾、韓国、中国、パキスタン、タイの6カ国が集って15歳以下の野球アジアナンバーワンが争われる。

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タイ代表チームを率いるのが、日本人の青山功監督。タイ野球を育ててきた「タイ野球の父」とも言える存在だ。高校時代は山梨県の高校で強打の捕手として鳴らした青山さんは1990年、大学卒業後に就職のためタイへやってきた。当時のタイは、野球不毛の地。それでも、「とにかく、純粋に野球がやりたかった」という青山さんは、日本人駐在員などを集めて「ジャパニーズ・ベースボール・クラブ」という野球チームを自ら立ち上げた。

ちょうどその頃、日本の普及活動によってタイに野球が伝えられ、1993年には「タイ・アマチュア野球連盟」が設立。翌年の広島アジア大会を目指して初の野球タイ代表が結成されることになり、立ち上げから青山さんも深く関わった。もちろん、当時のタイに野球経験者はいなかった。青山さんは仕事の合間を縫って大学の運動部をひたすらまわり、選手をスカウト。やり投げなど、野球につながる要素のある競技の選手を見つけて、手当たり次第に声をかけた。

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当時のタイではバットを持って歩くだけで不審者扱いされたというから、野球のナショナルチームを作ることの難しさは想像できる。どうにか選手候補はかき集めたものの、全てはゼロからだった。タイ陸軍の演習場で行われたという初めての練習は、みんなで特設マウンドを作るところから始まった。グローブが配られると選手たちのほとんどは右手にはめようとして戸惑い、ボールを手にすれば不思議そうに匂いを嗅ぐ者もいたという。ルールも実践しながら、一から地道に指導した。タイ野球の歴史はそこから始まった。

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青山さんは、その後もタイ野球の発展に関わり続けてきた。タイ代表監督なども歴任したが、次第に限界を感じるようになった。大人に一から野球を叩き込んでも限界があると考えた青山さんは、2001年にタイ初の少年野球チーム「バンコク・サンダース」を結成。子供たちに一から日本野球を伝えることに力を注ぐようになった。国籍は関係なく、「野球をしたい子はみんな集まれ!」というスタンス。現在は日本人35名、タイ人25名ほどの小中学生がチームに所属している。

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そして、今大会のU-15タイ代表チームも15名中9名がバンコク・サンダースのメンバー。青山さんの功績もあって少しずつ地方にも野球チームが生まれており、残りの6名はセレクションによって他のチームから代表入りしている。

前回のインド大会ではタイは1勝もすることができなかったが、今大会へ向けて青山監督は手応えを感じているという。

「今大会の目標はずばり、ランキングでタイの上に位置するパキスタンと中国に勝つこと。今の両チームがどんな状況かはわかりませんが、前回大会を見た印象では今のタイならいい試合ができるのではないかと。上位国に勝って、一つでもランキングを上げたいと思います」

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バンコク・サンダースを卒業したあとに野球を続ける環境がないことなど、まだまだタイ野球には問題が山積している。前回のWBC(ワールドベースボールクラシック)予選には参加できたものの、次回大会ではタイに代わって急成長するパキスタンに参加資格が与えられることが決まった。

苦しい状況下だからこそ、国際大会でタイ野球の存在感を示す必要がある。青山さんによって「日本野球」が叩き込まれたU-15タイ代表が、日本でアジアの強豪国に挑む。

 
(text : 本多 辰成 )

 

スポーツコラム「スポーツが繋ぐ! 東南アジアと日本の新時代」
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