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- ブルネイの経済・文化・歴史が丸ごと分かる、日本人駐在員の奮闘記
著者撮影
皆さんは旅行中に本を読みますか?
私は旅先でその土地の文化や歴史に関する本を読み、ディープな一面を知ることが大好きです。初めてブルネイを訪れた時も、ブルネイに関する書籍を探していたところ、ある1冊の本に出会いました。
ブルネイ旅行者は必読の書と言えるほど、ブルネイの魅力がぎゅっと詰まった本です。
異国の地で奮闘する日本人の実話
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『ブルネイでバドミントンばかりしていたら、なぜか王様と知り合いになった。(集英社インターナショナル)』は、ブルネイ日本大使館に赴任した著者・大河内博さんによる実話です。
赴任当初は独特なブルネイ社会に挫折の連続でしたが、意外なことに”バドミントン”をきっかけに現地の人々及び国王からの信頼を勝ち取り、ブルネイと日本の架け橋となる外交活動を成功させるというストーリー。
異国の地で体当たりで奮闘する大河内さんの姿に、ときに爆笑、ときに感動し涙することも。
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また、経産省の出向でブルネイ日本大使館の駐在員をしていた著者ならではの分かりやすく的確な分析で、1冊読めばブルネイの文化・歴史・経済状況をまるっと知ることができます。
文化や歴史に関する本は専門的で固い内容が多く、途中でギブアップしてしまうこともありますが、スピード感のある面白いストーリーのおかげで、たった2時間で一気に読破できました。
ブルネイについて真面目に学びながら、読み物としても面白い本で、一石二鳥です!
イスラムの教えを忠実に守る、ブルネイの生活風景
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ブルネイに来て多くの人が驚くのは、街のきれいさでしょう。東南アジアと言えば、にぎやかな街の喧騒や香辛料の香りなどを思い浮かべる方が多いと思いますが、ブルネイは街中も道路もきれいに整備されており、ここが東南アジアであることを忘れてしまうほど。
そんなブルネイで生活する人々は実際にどんな生活をしているんだろう?という興味が湧いてきますが、本の中では、ブルネイ社会にどっぷり浸かった大河内さんの視点で、現地の生活模様が描かれています。
ブルネイの街をあちこち歩きまくって気づいたのは、この国ではイスラム教の戒律が厳密に守られているということだった。ブルネイは豊かな国なのだが、いわゆる歓楽街やネオン街はいっさい存在しないし、若者のたまり場らしき場所もないように見えた。
マレーシアなど近隣のイスラム国家と比べても、とても実直にイスラム教の教えを守った暮らしを送っているブルネイ。独自に発展したイスラム文化を守りながら、毎日を丁寧に生きるライフスタイルは、忙しい生活を送る日本人に自分の生活を見返すきっかけを与えてくれるかもしれません。
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世界一の大富豪、ブルネイ王室との交流
ブルネイ王室は世界一大富豪であることが知られていますが、その規模がどれほどすごいか具体的なエピソードが紹介されています。
国が小さいにもかかわらず、イスタナ・ヌルル・イマン(王宮)の敷地面積は世界一を誇り、その広さは東京ドーム敷地面積約四個分。自家用ジェットにヘリコプター、車五〇〇〇台を保有と、何でも桁違いだ。自ら飛行機を操縦して外遊に出かけるため、行く先々で迎える側を驚かせておられる。
想像を超えるお金持ち具合に、ただただ、圧倒されてしまいますね。
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また、バドミントンを通じて国王およびそのロイヤルファミリーと親交を深めた著者。王族がどのような人柄で、国民にとってどんな存在であるか、物語を読み進めていく中で次第に明らかにされます。
他にも、王族それぞれのキャラクターや人柄も描かれており、異国の地の王様たちをぐっと身近に感じることができるでしょう。
日本との経済的な接点
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ブルネイは日本ではあまり馴染みのない国ですが、日本との関わりは決して浅くありません。意外なことに、ブルネイの石油・天然ガスの輸出先は日本がトップです。ブルネイにとっては、日本は重要な貿易相手のようですね。
日本とブルネイは、ブルネイが一九八四年に英連邦から独立して以来、天然ガスの取引で密接な関わりを有している。長年にわたり、日本はブルネイ最大の貿易相手国であり、ブルネイで産出する天然ガスの大半が日本へと輸出されている。
いかがでしたでしょうか。1冊読むだけで、ブルネイ旅行の楽しさが何倍にもなるような本です。Kindle版もあるので、ブルネイにお越しの際はぜひ読んでみてくださいね。
INFORMATION
名称 | ブルネイでバドミントンばかりしていたら、なぜか王様と知り合いになった。 |
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URL | http://www.shueisha-int.co.jp/archives/3250 |
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