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アジアの注目レストランが続々ランクイン

「アジアのベストレストラン50」2021年版が発表。1位は初の香港レストラン

The Chairman/Danny Yip氏 © William Reed Business Media Ltd 2021. All rights reserved.

アジアを旅行するならば、やっぱり楽しみなのがその土地でしか食べられない“美食”ではないだろうか? そんななか美食家注目の名店が並ぶ「アジアのベストレストラン50」2021年版が発表となった。


「アジアのベストレストラン50」は、各地域のフードライターや料理評論家、シェフ、レストラン経営者、有名美食家など、アジアの外食産業に影響力を持っている300名以上の選考員が投票によって決定するランキング。9回目となる2021年版のランキングでは、新型コロナウイルスの影響で旅行に制限があることも考慮して、現地での食事を重視し投票を実施。新たに11店がランクインを果たしたほか、2店が再ランクインに返り咲いた。

特に注目したいのが、香港、シンガポール、タイ、そして日本からの選出だ。

香港のレストランが初のトップに

第1位に輝いたのは香港のレストラン「The Chairman」。香港から1位が選ばれるのは初の快挙だ。2009年オープンの「The Chairman」は、こだわりの素材を使った広東料理と、本物の味を追求する姿勢が評価の鍵となった。「アジアのベストレストラン50」には2013年に初ランクインして以降お馴染みの名店で、今回満を辞してその頂点に躍り出た。なお2019年には「世界のベストレストラン 50」にも初登場で第41位を獲得。今年は「The Best Restaurant in Asia」そして「The Best Restaurant in China」も同時受賞している。

また香港には「The Chairman」のほかにも名店が続々。初ランクインとなる第44位の「Mono」、再ランクインを果たした第28位「Caprice」および第38位「Ta Vie」のほか、エグゼクティブ・シェフを務めるVicky Cheng氏のリーダーシップとその創造的な芸術性が評価され、今年の「Gin Mare Art of Hospitality Award」も受賞した第16位の「Vea」や、第17位の「Neighborhood」、第25位の「Belon」、第33位の「8½ Otto e Mezzo Bombana」、第37位の「Amber」、第47位の「Lung King Heen」、第48位の「Seventh Son」と、なんと11のレストランがランクインする結果に。まさに美食の街・香港といえるだろう。

シンガポールからは8店舗がランクイン

第2位に輝いたのは、「The Best Restaurant in Singapore」を同時受賞したシンガポールの「Odette」。2年連続第1位を獲得していた名店で、“うま味”のあるアジア食材を用いつつフランスのガストロノミーを現代風にアレンジしている。

ほかにもシンガポールからは3店舗が新たにランクインしており、第31位にスリランカ出身シェフのRishi Naleendra氏による「Cloudstreet」、第41位にJason Tan氏手がけるわずか26席のお店「Euphoria」。そして第40位の「Labyrinth」は、“持続可能(サステナビリティ)な調達方針と、最近のパンデミック時におけるコミュニティ支援活動”が評価され「Flor de Caña Sustainable Restaurant Award」を同時受賞した。
これらに加えて第13位に「Les Amis」、第14位に「Burnt Ends」、第23位に「Zén」、第42位に「Jaan by Kirk Westaway」と、計8店舗がランクインしている。

タイには名物シェフがいっぱい!

タイからは注目の復帰劇が。2019年に受賞歴を持ちながら閉店した「Gaggan」の人気インド人シェフGaggan Anand氏が、その名を冠しバンコクに新しくオープンさせた「Gaggan Anand」が第5位に選ばれ、「Highest New Entry Award」も獲得する結果となった。

また「The Best Restaurant in Thailand」を初受賞した第4位の「Le Du」を手がけるシェフThitid ‘Ton’ Tassanakajohn氏は、最新店舗である「Nusara」でも第20位を獲得。このほかタイからは第6位の「Sühring」、第11位の「Sorn」、第46位の「Gaa」と、計6店舗がランクインした。ちなみに、バンコクの伝説的シェフとして知られるSupinya ‘Jay Fai’ Junsuta氏は、「Icon Award」を受賞している。

Jay Fai/Supinya Junsuta氏© William Reed Business Media Ltd 2021. All rights reserved.

トップ10に4店舗ランクイン! 日本レストランの躍進


© William Reed Business Media Ltd 2021. All rights reserved.
日本の最上位である第3位に輝いたのは、東京の日本料理店「傳(でん)」。長谷川シェフが手がけるオリジナリティあふれた懐石料理の数々を味わうことができ、4年連続「The Best Restaurant in Japan」も獲得している。このほか第7位に東京の「Florilège」、第8位に大阪の「La Cime」、第9位に東京の「Narisawa」と、トップ10に日本からは4店舗がランクインしており、これは地域別に見ると最多を誇る。

また東京の「L’Effervescence」は29位ランクアップの第19位に入り、「Beronia Highest Climber Award」を受賞。このほか第12位に東京の「茶禅華」、第27位に東京の「Ode」、第30位に福岡の「La Maison de la Nature Goh」、第35位に東京の「日本料理 龍吟」と、全部で9店舗がランクイン。これは香港に続き、全体で2番目の多さとなっている。

アジアの名店をいつかの旅の目的地に

紹介してきた香港、シンガポール、タイ、日本のほかにも、各地の名店が続々登場。中国本土からは7年連続この賞に名を連ねる第22位の「Fu He Hui」。マカオからは「Wing Lei Palace」が第50位に返り咲き。台湾からは「The Best Restaurant in Taiwan」を獲得し続ける第15位の「Mume」を筆頭に5店舗が選出された。韓国からは第10位で「The Best Restaurant in Korea」にも選ばれた「Mingles」など3店舗、インドからは第18位で「The Best Restaurant in India」の「Indian Accent」など2店舗がランクイン。第29位には「The Best Restaurant in Sri Lanka」も受賞したスリランカ・コロンボの「Ministry of Crab」、第39位に「The Best Restaurant in Vietnam」も受賞したベトナム・ホーチミンの「Anan Saigon」、第49位に「The Best Restaurant in Philippines」を3年連続受賞したフィリピン・マニラの「Toyo Eatery」が登場している。

いつかまたアジアを旅行できるときには、「アジアのベストレストラン50」を参考に気になる名店を目的地に選んでみてはいかが?

■「アジアのベストレストラン50」公式サイト
https://www.theworlds50best.com/asia/en/



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