ミャンマー
グルメ
独自性に富んだ料理の数々!

【閉店】(東京・高田馬場)ミャンマー・カチン族の家庭料理が絶品の店「マリカ」

※閉店しました。  

著者撮影

「リトル・ヤンゴン」と呼ばれ、ミャンマー料理店の宝庫となっている高田馬場。当サイトでは、過去に2軒のお店を紹介したが、今回は新たにカチン州のミャンマー料理を頂けるお店「オリエンタルキッチン マリカ」を紹介したい。

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カチン州はミャンマーの最北に位置するエリアであり、州境の大半が中国と接している。それゆえか料理には中華料理の影響も少し感じる。筆者はかなり多くのミャンマー料理店を巡ってきたが、こちらの料理はとりわけ独自性に富んでいる。そして、非常に美味しい。「ミャンマー料理」と言う枠組みを超えて、純粋に料理としての完成度が高いと思う。

シェフは塩気、酸味、辛味、油、発酵調味料を巧みに用い、一体感の強い料理を作る事に成功している。お店は家族経営で非常に和やかな雰囲気だが、料理人としての腕前は相当なものだ。

 
お通し
著者撮影

いりこにフライドオニオン、フライドガーリックを混ぜ、魚醤(タイのナンプラー、ミャンマーではンガンピャーイェー)で味付けした自家製のおつまみ。
カリッカリな食感と色々な風味で食欲がアップする。なお、日本の居酒屋も同様だが、お通しが美味しいお店は間違いない。期待が高まる。

 
マリカサラダ (700円)
著者撮影

これには驚いた。味わいの一体感が素晴らしく、山間部らしい食材も楽しめる。レモンのフレイバーがスカッと香り、それでいて酸味は強くない。そして、ビリビリッと程良い辛味が訪れ、ピーナッツとゴマのペーストがまろやかに味をまとめる。オクラとゼンマイ、キクラゲ、タケノコ、エノキ、シメジなどの具が様々な食感を演出し、見事なオリジナルサラダだと感じた。

尚、入店後に「現地同様の味わいで作ってください!」とキッチリ伝えた。
この魔法の言葉によってハーブ使いや辛味が変わるのがエスニック料理である。

 
カチンガーオゥン (900円)
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白身魚のバナナリーフ蒸し。
ニンニクとハーブをしっかり利かせ、魚に香りが染み込んでいる。魚の身は柔らかく仕上げており、ホロッとした食感と香りが堪らない。

 
アメーウーツウンチェッ (950円)
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カチンのモツ煮込み。
モツ類は臭みが無く、丁寧な下処理が施されている。
味わいは非常にさっぱり味で、日本で言う「塩モツ煮」。薄切りの玉葱と生姜が味を支え、生唐辛子の辛みもアクセントになる。

 
カチンアメーターシンコー (950円)
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ハーブを用いて炒め煮にした、ドライな牛肉そぼろ。
濃厚な旨味と牛の力強さをハーブがまとめる。ハーブの風味が複雑で分析不可能だったので伺ったところ、3種類用いており、一つはミャンマー固有のバジルとの事。タイのバイガパオやバイホーラパーとは異なる品種らしい。

 
サッターチョットウッ (950円)
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鹿肉ジャーキーを用いた和え物!
これまた絶品で、カリカリ、シャクシャクな身を噛み締めると、旨味が怒涛の如く押し寄せる。オイリーなのだが気にならず、むしろそれ故に味わいに深みが出ている。塩と油の使い方が素晴らしく、レッドチリ、グリーンチリ2つの辛味もアクセントに。

ハッキリ言って、やたらめったら美味い(笑)

 
トーフジョー (600円)
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ひよこ豆をすりつぶして揚げた料理。
表面のサクサク感と、中身のふわとろ感が魅力的。豆の旨味が濃厚で、香りも良い。

 
豚耳のあえもの (700円)
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当日のオススメメニューにあったので、ミャンマー語の料理名は不明。
レモンをベースとした甘酸っぱいチリソースで合えており、辛みは控えめ。こちらも下処理が良く、耳は大ぶりながらに歯切れ良し。

 
ウェッナンターキン (1,200円)
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カリッカリに揚げており、のっけから香ばしい。付け合せの調味料にセンスが光り、お酢にすり胡麻、パクチー、唐辛子を混ぜている。

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タイ料理のタムさんもそうだが、付け合せの調味料には非凡なセンスが現れるもの。
カリカリ感、豚の脂の旨味、調味料の酸味と辛味が、とても良い。

 
ジィンポーシャッジャッム (850円)
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ミャンマー風石焼き炒飯。北部名物。
微塵切りのハーブを米に纏わせており、お米の一粒一粒が美味しい。具は鶏肉、キノコ、タケノコ、山菜類。これは日本人ならば嫌いな人はいないだろう。

 
ミーシェーカオッスオエ (750円)
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雲南省の過橋米線(グオチャオミーシェン)やベトナムのブンのような米粉麺。
スープは丁寧に出汁が取られており、鶏ガラ由来のコクが非常に強い。頂いて、発酵感があったので、「おや?」と思ったが、聞くところによるとミャンマーの味噌を使用しているとの事。ベースは塩味なので味噌の主張はほとんど無いのだが、コクと香りを付加しており面白い。また、具の豚肉叉焼もたっぷりで嬉しい。

 
色々とお話を伺ったが、お店は2008年から続いているらしい。ライトな料理と飲み会を求める学生から、エスニック通まで幅広く満足させる味わい故に、長らくお客さんに愛されているのだろう。

著者撮影

料理人=お父さん、接客=お母さんと息子さんという、アットホームな雰囲気にも癒された。尚、お値段も良心的で、ポーションも大きいので満足度が高い。
エスニック料理を好きな方であれば、是非とも一度夜に訪問される事をオススメする。

 

著者 : yuya

手料理も愛するタベアルキスト。ハタチの頃からバックパッカー旅行をしており、世界を丸っと食べ歩き。特に東南アジア諸国と中国が大好きで、屋台メシを食べて、現地の市場で調味料や調理器具を買い付けてくるのが旅の楽しみ。日本国内でも、出来る限り現地に近い味わいのお店を探して日々徘徊。

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