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熱帯写真家フォトエッセイ

バンコクの空に思う〜雑踏の中で魅せる様々な空の表情〜

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バンコクの夜の空。星とスワンナプーム空港に離発着飛行機の光跡を長時間露光で撮影。

バンコクにいると都会の雑踏に流され、あまり空を見上げることは無かった。激しい渋滞による大気汚染でそんなに キレイな空はない。そう勝手に思い込んでいた。

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高層タワーマンションに暮らしていれば、バンコクの摩天楼からの展望も期待できるのかも知れないが、ローカルのアパート暮らしでは窓から見えるのは、生活観あふれるタイの下町の光景だ。そんな光景を見ては「ああ、バンコクって いいな」と思いながら暮らしていた。

 
バンコクに住むようになって半年が過ぎたころ、スクムビット通りの東、BTSスカイトレインのオンヌット駅近くに引っ越した。中心部の様な派手さは無いが、ローカル色も残しつつBTS沿線ということもあり、ここ数年バンコク在住の外国人に人気のエリアとなっている。引っ越したのは、築30年以上は経っていそうな古いローカル向けのマンションだった。お洒落とはいい難いが、南西角部屋で風通しもいいのでしばらく住んでみることにした。

 
近くに高層マンションが無いこともあり、窓からの眺めは良好だった。薄紫に染まる朝焼け、熱帯の青い空、赤く染まる夕刻の空、満天の星空の中を飛び立っていく飛行機。そんな様々な空の表情はビールを飲むときの最高の「おつまみ」になった。ボロアパート暮らしながら、少しリッチな「時間」を楽しむ余裕が出来た。そんなある日の深夜、ふと空を見上げると無数の星が見えた。窓を開けてカメラをセットし長時間露光で星の写真を撮影してみると、肉眼で見る以上の星が写っていた。

 
間もなく雨季に入るタイ。雨季の期間は、澄み切った青空や星空は望めないだろうけど、雨季ならではの空を楽しめると思う。引っ越してから、意味も無く空の写真を撮ることが増えた。時間帯が同じでも全く同じ写真はなかった。忙しくなると立ち止まって 空を見上げる余裕もなくなってしまいがち。しかし、そんな時こそ足を止めて空を見るべきだな。と思うようになった。

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ピンクに染まる雲と青空。快晴だとこのようにはならない。自宅の窓から

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空に大きく広がる雲。モノクロで迫力ある表情になった

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都会バンコクを象徴するような夕景。

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夕暮れの空を沈みゆく三日月。

 
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