東南アジア
カルチャー
熱帯写真家フォトエッセイ

東南アジアの街角から

01_Myanmar
ミャンマーのバガンにて(1994年頃)夕暮れの中を帰宅する少女
東南アジアの情景

バックパッカーとしてアジアを彷徨っていた時期がある。日本では忘れられた「何か」を求めていた。アジアの風景も好きだったが、旅先での出会いにより惹かれていた。

生まれて初めての海外経験はタイ。今から約25年前のことである。バンコクのカオサン通りの安宿に滞在していたとき、食事に出ようと宿を出ようとしたら、フロントの女の子に「どこに行くの?食事だったら一緒に行かない?」と声をかけられた。
近くの屋台で、カオニャオ(もち米)、ソムタム(青パパイヤのサラダ)、ナムトックムー(ブタのスパイシーサラダ)を注文した。彼女の出身であるタイ東北地方イサーンの料理だった。彼女はうれしそうに「カオニャオは手で一口大に丸めておかずと一緒に食べるの」といい、一口サイズに丸めたカオニャオとナムトックムーを僕の口に入れてくれた。
「おいしいでしょ?」と笑顔でほほえむ彼女。僕は舌を突き刺すような辛さに涙を浮かべながら「辛いけどおいしいね」と答えるのがやっとだった。何とか食べ終えお会計をすると「あなたは日本から来たお客さんよ。今日は私が払うわ」と彼女は言った。大した額ではなかったけど、彼女のそんな気持ちがうれしかった。
ラオスでは小さな傷が化膿してしまい大きく腫れてしまったことがあった。ルアンパバンで病院に行こうと思い、滞在しているホテルのフロントで尋ねた。するとホテルの受付の女性は、病院まで一緒に付く添ってくれ、先生に症状を説明してくれた。傷口を消毒してもらいホテルに帰った。数日で傷は回復したけど、その間毎日のように「ケガは大丈夫?」と自分のことのように心配してくれた。
そんなアジアの人情に触れたくてアジアを旅していたのかも知れない。
02_Laos
ルアンパバンの空港にて(2013年)
03_Myanmar
ミャンマー、ヤンゴンのシュエタゴンパゴダで見かけたカップル(1994年頃)
04_Cambodia
カンボジア人の知人の息子さんの結婚式に出たときの様子。Chong Kal村にて(シェムリアップから約80km)2013年
05_Cambodia
シェムリアップ夕景(2013年)

 

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