ラオス
カルチャー
熱帯写真家フォトエッセイ

アジアの街をゆく ~ラオス国道13号線をバイクで走る!~

01_DSC00705バンビエンのナムソン川夕景。水遊びする少女  著者撮影

ラオスの首都ビエンチャンからバンビエンを目指し国道13号線をバイクで走っていた。バイクといっても125ccのスクーターだが。


バンビエンはビエンチャン県にあり、ラオスの観光地のひとつ。緑豊かな山々とナムソン川に囲まれた街道沿いの小さな町だ。90年代にラオスが個人旅行を開放すると『沈没地』としてその名は広くバックパッカーたちの間に広まった。自分も今から20年ほど前に数日間滞在したことがある。

02_DSC00623ビエンチャンからバンビエンまでは約160km  著者撮影

ビエンチャンの市街地は車両が多く、思うようにペースが上げられない。しかも所々舗装が剥がれ穴が空いていたりするからやっかいだ。前に車がいると直前まで分からずにいきなり『ガタン』となり冷や汗が。。。ようやく郊外に出て60km/hくらいで順調に走る。炎天下の中、太陽がジリジリと肌に突き刺さる。喉が渇いたので路肩にバイクを止めて一休み。国道沿いのキロポストは36km。ビエンチャンを出て1時間以上走ったのに。。。バンビエンまで120km。バスでビエンチャンから約4時間。まだまだ、先は遠い。

03_DSC00635日本の援助により架けられた橋  著者撮影

途中、日本の援助で架けられた橋があった。集落を迂回するバイパスルートになっていて、近くにある古い橋は車一台がやっとの幅。写真を撮っていると大型トラックが走り過ぎた。続いてタイナンバーのトレーラー、ベトナム、中国ナンバーのトラックともすれ違った。かつての国道13号線は赤土のダートで、ビエンチャンからルアンパバーンまで24時間近くかかったこともあった。当時の物流はメコン川を行き交う船。道路が整備され今では物流の主役はトラックになった。日本の援助によりラオスの物流も変化したのだろう。

04_DSC00644バンビエンに到着 著者撮影

ビエンチャンを出発して4時間30分『Welcome to Van Vieng』と書かれたゲートにたどり着いた。旧道に入るとかつての閑散とした街道沿いの小さな町は、ゲストハウスやレストランが軒を連ねる一端の観光地の雰囲気だ。特に西洋人と韓国人の旅行者が目立つ。ゲストハウスにチェックインして、ナムソン川まで歩いた。川沿いにはホテルやバンガロー、レストラン。垢抜けないリゾート地に変貌していた。太陽が西に傾く頃、川にかかる木製の橋から飛び込み水遊びしている少女を見る昔のバンビエンの光景が蘇った。

05_DSC00651何も無かった水辺にはレストランやゲストハウスが並ぶ   著者撮影

 
(text & photo : 中島貴義)

 
熱帯写真家フォトエッセイ「アジアの街角から」
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