インドネシア
カルチャー
バリ島から10時間!世界一の波に挑む vol.2

世界一長いバレルへの挑戦!ロンボク島「デザートポイント」に挑む

バリ島から10時間!世界一の波に挑む vol.1はこちら>

 

ついにモンスターウェイブとのご対面!

昨夜は泥のように眠った。
……がやはり頭のことは波でいっぱいだったのだろう。夜明けとともに目が覚める。
そしてすぐさま波チェックをする。

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著者撮影

昨日の夕方は穏やかなデザートポイントだった。さて、今朝はどんな波が待っているのだろう。

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著者撮影

部屋を出てすぐ目の前に現れたのは、この巨大なモンスターウェイブだった。頭半~ダブルはあろう波が次々と割れていた。

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著者撮影

インサイドセクションでは何秒も続くバレル。

とりあえず…………ビビる。

そしてコーヒーを飲みながら「はたしてこれは入れるのか?入っていいのか??」と自問自答する……。

今まで見たことのないパーフェクトウェイブを目の当たりにし興奮しているのと、挑戦したい気持ち、恐怖とが一気に襲ってきて、海に入る前から頭の中はアドレナリン大放出のパニック状態である。

 

デザートポイントの波の特徴とは?

まず、デザートポイントの波の特徴を少し説明しよう。

デザートポイントは宿から海を眺めて左側にあるメインピークから波が割れはじめる。テイクオフは比較的イージーで、水深も腹~胸くらいある。ボトムターンからカットバックをしたりとアクションで波をつなげられる。

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著者撮影

そこから写真の中央に見える、海の中にぽっこり浮かぶ岩を超えたあたりから波はどんどんホレてくる。

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著者撮影

ここでサーファーは一気にスーパー早いロングバレルへと挑戦していくのである。スエルが決まれば1本の波で最長1キロも乗れるといわれ、さらになんと20秒間も入れるバレルの波は世界一長いレフトのバレルと言われる。

ちなみに、この波がホレてくる場所は腰くらいの深さで、そのすぐインサイドの水深はすでにオーストラリア人のスネくらいの深さなのがわかるだろう。

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著者撮影

もちろんここで波から落ちたり、転んだりしようものなら、パワーのある波のリップとともに水中に引きずり込まれ、海底待ち構えている岩とサンゴが、私たちサーファーの身体を切り刻むのである。

命の危険をも感じる波、それがデザートポイントの波なのだ。

そんな波を前にして一人パニックに陥っている間にも、何人ものサーファーが岩とサンゴの餌食となり流血したり、ボードを折ったりして海から上がってきていた。

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著者撮影

私の2倍の太さはありそうな二の腕を持ち、10倍の体力、100倍のクレージー精神を持つであろうオーストラリア人サーファー達が…………。

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ちなみに何度も言うが、ここにいるサーファーはみんなサーフィンの腕に自信のあるエキスパートかプロサーファーである。

そんなサーファーでも怪我をしたり、大切なボードを折ってしまうデザートポイント。本当に私なんかが入っていいのだろうか?悩んでいるうちに1時間以上が経過してしまった。

 

意を決して、いざデザートポイントの海の中へ!

実は今回のデザートポイント挑戦のために、新兵器を導入していた。

それは……

◯家パー子さんもびっくりのピンクヘルメット(しかもGoPro水中カメラ付き)!!!

「これで波に巻かれても頭は守れる。よし、とりあえず入ろう。入ってから考えよう。無理なら戻ってくればいいのだ。」

女も私一人、ボディボーダーも私一人で、そのうえパー子さんもびっくりのピンクヘルメットをかぶり、海に入る前からかなり目立ってしまっているので、波に乗らずに陸に打ちあがるなんて恥ずかしいが、そんなこと言ってられない。命の危険を感じたら潔く、スープの波に飲まれながら戻ってこよう。

 
そして意を決していざ、デザートポイントの海の中へ!!!!

……と思ったら、今までの巨大な波がウソのように消え、湖のようなフラットで穏やかな海になってしまった。

「え???波消えた??今までダブルあったのに??なに??イリュージョン??夢??」

湘南マジックに慣れている私でもびっくりのデザートマジックだった。

「結局デザートの波は1本も乗れなかったの??ここまで10時間かけて来たのに。」

さきほどまでのアドレナリンは一気に引っ込み、同じくらい激しい後悔の念に駆られた。

「わー!!波なくなったー!!一本も乗ってないのにー!!」

と騒いでいると、隣にいたオーストラリア人が言った。

「大丈夫、夕方また同じ波が現れるから。待て。」

 
そう、ここデザートポイントはロータイドのみ波が割れ、ロータイド時にダブルサイズの波があっても、ハイタイドには波がなくなり湖の様になってしまうことも珍しくないのだという。(その後なんどかデザートポイントに通いハイタイド時に波がある日もあった)

オーストラリア人のいうことを信じ、夕方、またロータイドになるのを待った。

そして再度モンスターはわたしの前にその姿を現してくれたのである。

また朝のような後悔をしてはいけない……。

「いま、入ろう!」

 

海の中から見る大迫力の波

もう迷いはなかった。新調したピンクのヘルメットをかぶり、ストラップをきつく締める。

「よろしく頼んだよ、私の頭を守っておくれ」

そしてデザートポイントの波の割れるピークへパドルした。海の中から見るデザートポイントの波はさらに迫力がある。

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著者撮影

しかし、ここは世界のエキスパートが集まるデザートポイントである。そうそう簡単に波を取れるわけがない。

テイクオフしようとするが、さらに奥からオーストラリア人サーファーが波に乗ってくる。

「ダメだ……。こんな上手い人達の中で波がとれるはずがない。」

ときおり運よくセットの波が私の前にやってくるも、他のサーファーに前乗りされてばかりである。

結局いい波には1本も乗れずに夕暮れを迎えてしまった。

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著者撮影

デザートポイントは大きなウネリが必要で、ウネリの方向にも敏感なため、次の日には波がなくなってしまうこともしばしばである。

「明日も波は残ってくれるだろうか。こんな形でバリに帰るのは心残りだ。」

その夜は悔しくてなかなか眠りにつけなかった。

 
結局デザートポイントの波には乗れるのか?!そして筆者を襲う不幸とは?!

次回、vol.3へ続く……

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