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アクセス良好なマカオは10月からベストシーズン!

異国情緒あふれる街並みを楽しもう!マカオで世界遺産めぐり

聖ポール天主堂跡 photo:世界遺産イェーイ!

東洋と西洋の文化が入り混じったコロニアルな街並みが魅力のマカオで、世界遺産めぐりを楽しんでみませんか?マカオの面積は東京都世田谷区の約半分ほど。その中に点在している22箇所の歴史的建造物と8箇所の広場、合計30箇所の施設が1つの世界遺産「マカオの歴史地区」として登録されており、世界遺産めぐりはマカオ観光のハイライトです。これに加えて最近では、まるでテーマパークのようなゴージャスなホテルが続々とオープンし、カジノ、ショッピング、グルメとエンタメ部分にも注目が集まっています。

日本からは直行便があり、成田=マカオは1日2便、関西と福岡からも1日1便運航とアクセスも良好!(2019年9月現在) これまでは香港からの日帰りがメジャーでしたが、マカオに泊まって楽しむ!という方も増えてきました。

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現在は中国の特別行政区であるマカオには、大航海時代の16世紀半ばからポルトガル人が住むようになりました。キリスト教を布教するアジアの拠点であったため多くの教会などが残されています。昔ながらの中国の景観と西洋の教会が点在する街並みは、2005年に世界遺産として登録されました。今回の記事では、マカオのメイン観光スポットでもあるセナド広場から歩いてまわれる世界遺産をご紹介します。

 

聖ポール天主堂跡

photo:世界遺産イェーイ!

マカオのランドマーク的存在でもある「聖ポール天主堂跡」。ここにはかつて「ローマ以東で最も美しい教会」と讃えられた聖母教会がありましたが、1835年の火災で焼失。現在は石造りのファサード(正面部分)のみが残っています。ファサードは小高い丘の上に建てられているため見晴らしが良いです。

彫刻に注目 photo:世界遺産イェーイ!

ファサードの彫刻が大変精密で美しいことでも知られています。上から2段目にはイエス・キリストの像が、また3段目には聖母マリアの像が置かれています。

上が少年時代のイエス・キリスト像、下が聖母マリア像 photo:世界遺産イェーイ!

もう少し近づいて見てみるとちょっと珍しいものを見ることができます。

photo:世界遺産イェーイ!

7つの頭を持つ龍を踏みつける聖母マリアの彫刻があったり、漢字が掘られていたりと、東洋の教会らしさを感じることができます。

裏側から見たファサード photo:世界遺産イェーイ!

裏側には博物館や納骨堂があります。実はこの納骨堂には、日本人の遺骨も納められているのです。17世紀に日本で禁教令が出されたため、日本のキリスト教徒は国内から追放されてしまいました。その何人かはマカオにたどり着き、イエズス会士カルロ・スピノラの指揮のもとでファサードの建築に携わったのです。マカオで生涯を終えた日本人のキリスト教徒に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

地下が博物館と納骨堂になっている photo:世界遺産イェーイ!

 

聖ドミニコ教会&聖ドミニコ広場

photo:世界遺産イェーイ!

コロニアル調の鮮やかなファサードが印象的なバロック式の教会。パステルイエローの壁と緑色のドアとのコントラストが見事です。聖ドミニコ教会は16世紀にメキシコのアカプルコからやってきた、3人のドミニコ修道会のスペイン人修道士によって建てられました。毎年5月13日の「聖母ファティマの日」には、教会内に祀られている色鮮やかな聖母像を掲げてパレードを行うことでも知られています。

photo:世界遺産イェーイ!

夜になるとライトアップされ幻想的な風景に!教会の前にある聖ドミニコ広場の流線形の石畳もみどころのひとつです。

 

セナド広場

photo:世界遺産イェーイ!

マカオの中心にあり現在もイベントなどが行われるメイン広場。広場の周りにはパステルカラーのコロニアルな建物が立ち並びます。こちらも波型模様の石畳が印象的。クリスマスシーズンはツリーなどが飾られて華やかなので、訪れるのにおすすめの時期です!

以下セナド広場周辺にある世界遺産をご紹介していきます。

仁慈堂

photo:世界遺産イェーイ!

この白い建物は「仁慈堂」と呼ばれ、キリスト教の慈善福祉施設として使われてきました。現在こちらの2階が博物館となっておりイエズス会の宗教関係の美術品などが展示されています。

 
アズレージョのベンチ photo:世界遺産イェーイ!

セナド広場周辺を散策していると、街の至るところに美しいアズレージョが。アズレージョとは、白地に青で花などの絵柄が描かれたタイルのことで、ポルトガルの伝統芸術のひとつです。バラエティ豊富なアズレージョを見つけながら街歩きを楽しんで下さいね。

三街会館(関帝廟)

photo:世界遺産イェーイ!

セナド広場からちょっと足をのばすと、中国式寺院、三街会館(関帝廟)があります。旧マカオ市場があった場所にひっそりと立つ関帝廟は、地元の中国人に信仰されてきました。西洋風のセナド広場のすぐそばに中国式寺院が見られることから、東洋と西洋の融合を感じられるスポットでもあります。

 

聖オーガスティン教会周辺

セナド広場から少し南に歩くこと約10分。マカオ南西部にある聖オーガスティン教会周辺のエリアはポルトガル人が最初に居住した地域であるため、ポルトガルらしい風景を見ることができます。この周辺にある世界遺産をご紹介します。

聖オーガスティン教会

photo:世界遺産イェーイ!

スペインの聖オーガスティン修道会の修道士によって16世紀末に創られ、後にポルトガル人イエズス会に継承されたもの。内部には十字架を担いだキリスト像が祀られており、マカオで最も有名なキリスト教のお祭り「パッソス聖体行列」を司ることでも知られています。

ドン・ペドロ5世劇場

photo:世界遺産イェーイ!

聖オーガスティン教会のすぐ近くにある、パステルグリーンの外壁と真っ白な円柱が印象的な新古典様式の建物。1860年に中国初の西洋式劇場として建設され、かつては社交場として重要な役割を担っていました。実はこちらは現役のシアターとしても使われているので、タイミングが合えば鑑賞してみるのも一興です。

ロバート・ホー・トン図書館

photo:世界遺産イェーイ!

こちらも聖オーガスティン教会のすぐ目の前にある南欧風の図書館。もともとは19世紀に建てられたポルトガル人ドナ・キャロリーナ・クーニャの邸宅だったものを、香港の実業家ロバート・ホー・トン卿が購入し別荘として使用。彼の死後マカオ政府に寄贈され、現在はマカオ最大の図書館として公開されています。旅行者でも利用可能なので中を見学することもできます。

また聖オーガスティン教会の近くには、日本にキリスト教を伝えたことでも知られるフランシスコ・ザビエルの遺骨がある聖ヨセフ修道院や、教会内部の装飾が見事でブルーの天井が美しい聖ローレンス教会などもあり、こちらも世界遺産に登録されています。

 
聖ポール天主堂跡 photo:世界遺産イェーイ!

以上セナド広場から歩いて行けるマカオの世界遺産をご紹介してきました。ご紹介した以外にもタクシーで訪れたいギア要塞や、エスカレーターで登れるモンテの砦なども世界遺産に登録されており、ぜひ足を伸ばしてみたいところです。世界遺産に登録されている30箇所全てをまわるのは大変なのですが、筆者は次回マカオを訪れた時は全制覇したいと思っています。

マカオの観光に適したシーズンは10月から3月。まさにこれから雨が少なく過ごしやすい季節になるマカオで、異国情緒にあふれた世界遺産散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。

マカオの歴史地区

登録年 2005年
登録基準 「文化交流」、「文明の証拠」、「建築技術」、「出来事や宗教、芸術」

(text : 鈴木かの子)

【連載】世界遺産のプロが教える! 東南アジア イェーイな旅



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