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地方の世界遺産は魅力が満載!

絶景トレッキングに歴史探訪!韓国で訪れたい6件の世界遺産

済州島にある城山日出峰 photo:世界遺産イェーイ!

韓国の世界遺産は全部で14件。今回の記事では、ソウルから日帰りで行ける世界遺産8件に続き、済州島や慶州、安東からアクセスできる世界遺産6件をご紹介!ソウルからちょっと足を伸ばして、大自然を満喫したり、由緒あるお寺をまわったりとバラエティ豊かな世界遺産を訪れてみませんか?

 

1.  済州火山島と溶岩洞窟群


城山日出峰と済州島の守り神「トルハルバン」 photo:世界遺産イェーイ!

1件目にご紹介する「済州火山島と溶岩洞窟群」は韓国で唯一の自然遺産。韓国最南端に位置する済州島は、手つかずの自然を満喫できることから近年人気を集めています。世界遺産に登録されているのは、城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)、漢拏山(ハルラサン)自然保護区、拒文岳(コムンオルム)溶岩洞窟群、3つのエリアです。

城山日出峰


城山日出峰の山頂 photo:世界遺産イェーイ!

済州島の東側に位置する城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)は、海底噴火によって誕生した標高約180mの火山です。入り口から山頂まで30分程度。噴火口が残っている頂上には展望台があり美しい海を見渡せます。済州島を代表する観光スポットでもあるのでぜひ訪れたいところ。

漢拏山自然保護区


漢拏山 photo:世界遺産イェーイ!

済州島中心にある漢拏山(ハルラサン)は標高1,950mと韓国最高峰の山。頂上は雲がかかっていることも多いです。登山コースが整っており、頂上までは約2時間半。


頂上の様子 photo:世界遺産イェーイ!

入山下山の可能な時間が季節によって細かく定められているので、登山計画をしっかりとたてて登りましょう。なだらかな道が多くそれほど急な登山ではないのですが、距離が結構あるので油断は禁物です。ベストシーズンは、ツツジが咲く4月~5月。


ハルラボン photo:世界遺産イェーイ!

漢拏山を登る時にぜひ持っていきたいのが、済州島を代表する特産品「ハルラボン」。日本のデコポンと似ていて甘酸っぱいので登山の疲れをとるのにぴったりです。登山コースの道中には売店があり、韓国ならではのピリ辛カップラーメンや海苔巻が売られていました。

拒文岳溶岩洞窟群


萬丈窟 photo:世界遺産イェーイ!

拒文岳(コムンオルム)溶岩洞窟群は、約30万~10万年前の噴火によって生まれたものです。いくつかの洞窟が世界遺産に登録されているのですが、その中でも有名なのが萬丈窟(マンジャングル)。萬丈窟は観光用に約1km公開されており、保存状態のよい洞窟の様子を見ることができます。


ライトアップされた溶岩石柱 photo:世界遺産イェーイ!

ラグジュアリーなリゾートホテルも多く、マリンレジャーも充実している済州島。大自然を満喫した後は、リゾートホテルでのステイを楽しむのも素敵な過ごし方ですね。

済州火山島と溶岩洞窟群

登録 2007年
登録基準 「自然の景観美」、「地球の歴史」
アクセス ソウルから済州島まで飛行機で約1時間。済州市内から、城山日出峰まで車で約80分、漢拏山まで車で約50分、萬丈窟まで車で約50分

 

2.  韓国の歴史的集落群:河回と良洞


photo:世界遺産イェーイ!

朝鮮王朝時代の支配者「両班(リャンパン)」が生活していた集落。山の中につくられた集落は瓦屋根や土の壁、わらぶき屋根などが特徴で、朝鮮王朝時代の儒教文化を垣間見ることができます。


photo:世界遺産イェーイ!

世界遺産に登録されたのは、安東市の河回村(ハフェマウル)と慶州市の良洞村(ヤンドンマウル)の2カ所。筆者が訪れた安東河回村は観光しやすく整備されており、民家の中を見学したりすることもできました。


コミカルな仮面劇 photo:世界遺産イェーイ!

見逃せないのが河回村で伝承されてきた仮面劇。支配者両班と庶民とのやりとりをコミカルに演じたもので、韓国語がわからなくてもクスリと笑ってしまう内容になっています。


甘辛い味付けがクセになる安東チムタク photo:世界遺産イェーイ!

安東からは後ほど紹介する世界遺産「『八萬大蔵経』版木所蔵の海印寺」の海印寺(ヘイインサ)や「書院、韓国の新儒学の教育機関群」の陶山書院(トサンソウォン)にもアクセス可能です。韓国世界遺産めぐりをするならぜひ泊まりたい街のひとつ。名物でもある鳥の煮込み料理「安東チムタク」も味わいたいところです。

韓国の歴史的集落群:河回と良洞

登録 2010年
登録基準 「文明の証拠」、「建築技術」
アクセス 「河回村」ソウルから安東までバスで約3時間、安東市内から河回村まで車で約50分 「良洞村」ソウルから慶州までバスで約2時間、慶州市内から良洞村まで車で約30分

 

3.  慶州歴史地域


大陵苑(テヌンウォン) photo:世界遺産イェーイ!

慶州(キョンジュ)は、歴史上初めて朝鮮半島を統一した新羅の首都、金城として栄えた都市です。歴史的に重要な寺院や石仏、石塔、古墳などが点在しているため、慶州は「屋根のない博物館」とも呼ばれています。


鮑石亭 photo:世界遺産イェーイ!

見どころは、20以上の古墳が点在している大陵苑(テヌンウォン)、かつて離宮として建てられたが現在はアワビの形をした石が残る鮑石亭(ポソクジョン)、東洋最古の天文観測施設だと言われている瞻星台(チョムソンデ)など。慶州の市内からまわることができます。


瞻星台 photo:世界遺産イェーイ!

慶州歴史地域

登録 2000年
登録基準 「文化交流」、「文明の証拠」
アクセス ソウルから慶州まで電車で約2時間。慶州市内から主な遺跡までは車で20分~30分。

 

4.  石窟庵と仏国寺

慶州郊外にある石窟庵(ソックラム)と仏国寺(プルグクサ)は、統一新羅時代を代表する仏教建築物で、統一新羅時代の宰相、金大城(キムデソン)によって作られたと言われています。仏国寺と石窟庵は吐含山(トハムサン)にあり、シャトルバスで結ばれています(所要約15分)。

石窟庵

751年、前世の父母のために金大城によってつくられたとされるのが石窟庵。石窟庵は仏国寺の背後にある吐含山の山頂近くにあります。


石窟庵 photo:世界遺産イェーイ!

石窟庵は自然の洞窟のようにみえますが、実は山を削った斜面に花こう岩を積み上げた人工石窟。内部には釈迦如来像が安置され、ガラス越しに参拝することができます。残念ながら写真撮影は禁止です。


内部の様子 photo:世界遺産イェーイ!

仏国寺


仏国寺の安養門(手前)と紫霞門 photo:世界遺産イェーイ!

金大城によって現世の父母のために建設をはじめたとされる仏国寺は、金の死後774年に完成しました。吐含山のふもとにあります。写真奥は仏国へ上がる階段があるとされる紫霞門。


仏国寺の釈迦塔(手前)と多宝塔 photo:世界遺産イェーイ!

釈迦塔の中からは世界最古と言われている木版印刷物が発見されています。仏国寺は1592年の文禄の役の時に大半が焼失してしまいましたが、1970年代から整備され現在のような姿になりました。

山のふもとにある仏国寺と、頂上にある石窟庵。シャトルバスに乗れば15分ですが、かつての巡礼者のように歩いて登ることもできます。

石窟庵と仏国寺

登録 1995年
登録基準 「人間がつくった傑作」、「建築技術」
アクセス 慶州市内から仏国寺までバスで約50分。仏国寺から石窟庵までシャトルバスで約15分。

 

5.  『八萬大蔵経』版木所蔵の海印寺


photo:世界遺産イェーイ!

韓国南部、伽耶山(カヤサン)の山麓に位置する海印寺(ヘイインサ)は、『八萬大蔵経』の版木を所蔵する、韓国三大名刹のひとつでもあるお寺です。


photo:世界遺産イェーイ!

『八萬大蔵経』は仏教の経典や戒律を集大成したもの。海印寺所蔵のものは版木が8万枚以上あることから『八萬大蔵経』とよばれています。『八萬大蔵経』は、高麗時代モンゴル軍に侵攻された際、これに打ち勝とうということでつくられましたが、1232年に消失。現在あるものは1251年に復刻されたもので700年以上もの間大事に保管されてきました。


内部の詳細はパネルで photo:世界遺産イェーイ!

内部の構造は版木を保存するために、窓に扉がなく常に風が循環するように工夫がなされています。観光客は外からのぞいて見ることはできるのですが、内部の写真を撮ることはできません。

『八萬大蔵経』版木所蔵の海印寺

登録 1995年
登録基準 「建築技術」、「出来事や宗教、芸術」
アクセス ソウルから大邸まで電車で約1時間50分。大邸市内から地下鉄とバスで約1時間40分 ※安東から大邸までバスで約1時間40分なので安東から日帰りもできる

 

6.  書院、韓国の新儒学の教育機関群


photo:ひさほゆう

韓国中部から南部に点在する9つの書院とよばれる教育機関が、2019年世界遺産に登録されました。安東からアクセスできる「陶山書院(トサンソウォン)」は、朝鮮を代表する儒学者、李滉(イファン)をたたえて弟子たちが建てたもの。もともとは李滉が「陶山書堂」として使っていたものを、彼の死後に書院として整備しました。


photo:ひさほゆう

李滉は1000ウォン札の肖像画にも描かれています。緑あふれる中にひっそりとたたずむ木造建築の書院を訪れ、この地で学問を深めた李滉に触れてみてはいかがでしょうか?

書院、韓国の新儒学の教育機関群

登録 2019年
登録基準 「文明の証拠」
アクセス 安東市内から陶山書院までバスで約40分

(text : 鈴木かの子)

【連載】世界遺産のプロが教える! アジア イェーイな旅

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