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- 話題作&名作のおすすめ台湾ドラマ・映画3選
画像参照:華燈初上Facebook
こんにちは。台湾ブロガーのコバシイケ子です。
今回はここ最近観たもののなかでおすすめしたい台湾ドラマや映画を紹介したいと思います。
昔から台湾ドラマは日本でもそれがきっかけで台湾にはまってしまう人がいるほど、好きな人は大好き!といった感じで、古くは「花より男子(流星花園)」や「いたずらなkiss(惡作劇之吻)」など日本の漫画を原作にしたものも多く、台湾を舞台にしながら原作に忠実で、今でも伝説になっている作品も実は多いのです。
どちらかというと過去の作品は王道な少女漫画的なストーリーが多く、人気アイドルが出演し、大体いつも出ている脇役も同じみたいな雰囲気。それはそれで楽しくもあったのですが、若干マンネリ気味。熱中して観ることも少なくなってきていたのですが、ここ最近は社会派ドラマや女性の生き方を描くなど、ただのラブコメではないような作品も増え、その評価の高さは日本にいても自然と耳に届くようになってきました。
台湾ドラマは日本のそれに比べ放送回数が長いので、気になってもなかなか気軽には手を出せず、観ても途中で挫折してしまうなど、実はそこまで作品数を観ているわけでも語れるほど詳しいわけでもないのですが、その中でもこれは面白い!と完走できた作品と合わせてお気に入りの映画をご紹介します。
1980年代のナイトクラブを舞台にした「華燈初上~夜を生きる女たち~」
画像参照:華燈初上Facebook
いま台湾でも話題なのがNetflixオリジナルドラマの「華燈初上」。昨年11月にシーズン1が配信され、つい先日、3月中旬に最終話を迎えるシーズン3が配信になったばかり。各シーズン8話、全24話でストーリーは展開していきます。
あらすじ
1988年、10代の若者グループが山中で遺体を発見。その数か月前、日系ナイトクラブ・光で働く2人の女が、それぞれ男との関係で悩みを抱えていた。
(Netflixより:https://www.netflix.com/browse?jbv=81477952)
あらすじにもあるように内容はサスペンス。台北にある繁華街、森林北路を舞台に犯人捜しの謎解きや日本式ナイトクラブで働く女同士の嫉妬や友情など、様々な要素が複雑に絡み合い、見応えは相当です。個人的にはサスペンスなどにありがちな激しい暴力シーンやグロさがこの作品にはそう多くなかったので、そういう面でも目を逸らすことなく楽しみながら観ることができました。
森林北路は現在も日本式のスナックや居酒屋が立ち並び、日本語が飛び交う日本人御用達の街。台湾出張などでお気に入りの店があったサラリーマンの方も多いのでは。実際わたしも日本食が恋しくなった時に行く居酒屋やスナックなどにも連れて行ってもらったこともあるので、舞台としても非常に親近感がありました。
画像参照:華燈初上Facebook
そしてさすがのNetflix、製作費もかなり高額で、妥協のない映像や出演者がとことん豪華なのも見どころ。台湾の芸能事情に疎い私でもわかるような主役級の実力派俳優たちがこれでもかというくらいに出演。その演技力や美しさにどんどん惹きこまれていきます。特に2人のママを演じる主役兼総合プロデューサーのルビー・リン(林心如)とシェリル・ヤン(楊謹華)の美しさは一際で、見とれているうちにあっという間に1話が完結。寝不足覚悟な一気見が心地よい作品です。
同世代のリアルが愛おしい「おんなの幸せマニュアル~俗女養成記~」
「おんなの幸せマニュアル~俗女養成記~」は2019年に放送された連続ドラマ。台湾でも平均視聴率の3倍もの高視聴率を獲得し、2020年には台湾版エミー賞といわれる「金鐘獎」にて3部門を獲得。2021年には続編も制作され、初回からシーズン1最終回の視聴率を上回る数字を叩き出すなど、快進撃を続けた作品です。
あらすじ
家なし車なし子なしで何の取り柄もない地方出身の39歳独身女性が、仕事や私生活で悩みを抱えながら生きていく姿を描く。女性が社会で受ける年齢差別や結婚と自由を追い求めることの矛盾など、女性が生きていく中で起こりうる物語を丁寧に表現し共感を呼ぶ。原作は同名エッセー。
(Amazonプライムより:https://amzn.to/392OG3g)
画像参照:華視ドラマ紹介ページ
独身のアラフォー女性が主人公。仕事は社長秘書で付き合って4年の彼氏がいて、結婚準備を進めていて……、など文字にするとかなり出来る女性なのではと思いきや、どうもズッコケタイプの憎めない女性。
思うようにいかないことが続いたり、自堕落になってみたりと、主人公を演じるシエ・インシュエン(謝盈萱)があまりにも等身大で親しみやすく、台湾ドラマにしては短い全10話。コメディやユーモアに溢れたヒューマンドラマということもあり、台湾らしい風景を眺めながら笑ったり泣いたりしているうちに、あっという間に完走してしまいました。
画像参照:華視ドラマ紹介ページ
物語は子供時代の回想を交えながら進んでいくのですが、母親がとにかく強いと言われる台湾。現在では婚約者の母に振り回され、過去も強烈キャラの祖母や優しいけれどどこか見栄っ張りな母親たちに可愛がられながらも時々痛い目にもあっている主人公。家族の絆や文化の違い、でもどこか自分の身近にもいそうな登場人物たちのすべてが愛おしい作品です。
「幸福路のチー」から感じる台湾のこれまでのこと
最後はアニメーション映画です。「幸福路のチー」は2017年に台湾で制作され、日本でも2019年の冬に公開になりました。これまで台湾では代表作といえるようなアニメーション映画はなかったのですが、この作品は様々な国際映画祭で賞を受賞、2018年は東京アニメアワードフェスティバル2018でグランプリを受賞、2019年にはアカデミー賞長編アニメーションの25作品にエントリーなど輝かしい実績を残しています。
あらすじ
アメリカで暮らすチーの元に、台湾の祖母が亡くなったと連絡が入る。久しぶりに帰ってきた故郷、台北郊外の幸福路は記憶とはずいぶん違っている。運河は整備され、遠くには高層ビルが立ち並ぶ。同級生に出会っても、相手はチーのことが分からない。自分はそんなに変わってしまったのか――。チーは自分の記憶をたどりはじめる。
空想好きだった幼い頃は、毎日が冒険だった。金髪に青い目のチャン・ベティと親友になってからの日々、両親の期待を背負っての受験勉強。学生運動に明け暮れ、大学卒業後は記者として忙殺される毎日を送った。そして友との別れ。現実に疲れたチーは、従兄のウェンを頼ってアメリカに渡る。そこで出会ったトニーと結婚し、両親にもアメリカで幸せになることを誓ったけれど……。今、夫から離れて幸福路のいるチーは、昔と同じように祖母の助けを必要としている。
実は人生の大きな岐路に立っていたチーは、幸福路である決断をする。
(幸福路のチー公式HPより:https://crest-inter.co.jp/onhappinessroad/)
主人公のチーは1975年生まれなので、世代的には同世代。この作品もまた「おんなの幸せマニュアル~俗女養成記~」と同じように、現代を生きるチーが子供の頃を振り返り、そこから大人へと成長していく彼女のストーリーが描かれているのですが、この作品がすごいのが2時間という短時間に1975年から現代までの台湾の歴史や文化もわかるように作られているところ。
「ALWAYS 三丁目の夕日」ような世界観で、「ちびまるこちゃん」やジブリ映画のような親しみやすく可愛らしいキャラクターというのもあり、映画自体は全く重い雰囲気ではないのですが、同世代でありながらも、チーの育った子供時代はまだ戒厳令のさなか。どちらかというと私の親の世代の時代とぴったり当てはまるのではというくらい、どこか戦後のような雰囲気が感じられます。
親からのプレッシャーや学歴社会、白色テロの被害者だった従兄、台湾語しか家族は知らないのに学校では台湾語を禁止され北京語を学び、民主化への学生運動や大地震など、現代に立つ私とチーの目線は同じ世界を見ているかもしれないけれど、振り返る過去の背景が全く違う。それだけ台湾が複雑な歴史の中、急速に発展してきたことがよくわかる内容でもありました。
台湾をもっと知りたい方にもおすすめしたい、何度でも繰り返して観たい映画です。
(text & photo : コバシイケ子)
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