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- 京都・東山で過ごす非日常…自然派ラグジュアリーリゾート「シックスセンシズ 京都」

1995年の創業以来、サステナビリティ、ウェルネス、地域コミュニティとの共生を掲げ、“自然派ラグジュアリーリゾート”の先駆者として時代をリードし続けているシックスセンシズ。そのシックスセンシズが日本初上陸、しかも京都に誕生すると発表されたのが2019年のこと。多くのホテルラバーと同様に胸が高鳴り、開業に想いを馳せたことを記憶している。
2024年4月にオープンした「シックスセンシズ 京都」は、ローマに続き二軒目の都市型プロパティ。東山エリアに位置し、豊国神社に隣接。清水寺や祇園へも徒歩圏内で京都駅からも車で10分弱というアクセスの良さ。ところがホテルの中に一歩足を踏み入れると、観光地の喧騒が嘘のような静穏な空間が広がる。エントランスを抜けると非日常の世界へ…特別な時間がはじまる。
シックスセンシズが魅せる雅やかさ
日本庭園に向かって左手には京都の伝統的な焼物「楽焼」タイルを 504 枚使用した屏風。モチーフは源氏物語の舞台のひとつ鞍馬山。レイキ(霊気)発祥の地でもある神聖な場所。右手には日本最古の漫画とも言える、京都・高山寺の国宝絵巻「鳥獣人物戯画」のメタルアート。逆さまのうさぎが隠れている遊び心も。
デザインは平安時代に生まれた“雅”の概念に着想を得ている。日本の芸術文化が花ひらいた当時の洗練さ、秩序を重んじる心、自然を愛でる感覚を取り入れ、現代的なデザインに再構築。そこにシックスセンシズらしい “遊び心”が加わっている。
シーズナルダイニング「Sekki(節気)」のテラス
源氏物語の折り本をイメージしたユニークな天井をはじめ、木、石などの自然物を多く取り入れた建築、美しい庭園など、自然とのつながりを感じられるデザインもシックスセンシズならでは。
静寂に宿る安らぎの空間
「デラックス ツイン」の客室
客室は全81室、42~238㎡の12タイプで、スイートは日本庭園の中庭付き「プレミア スイート ガーデン」から、238 ㎡の広さを備えた「3 ベッドルーム ペントハウス スイート」まで8室。それぞれに自然豊かな中庭、豊国神社の庭園、町屋が続く京都の街を眺望。客室のデザインも、日本の伝統様式や装飾による雅やかさをベースに自然との調和を重視。洗練された中にも温かく落ち着いた雰囲気でゲストに安らぎを与えてくれる。
プライベートな日本庭園付きの「プレミア スイート ガーデン ツイン」
ここで体感したいのがウェルビーイングの基本にある質のいい睡眠。シックスセンシズ 京都では、Sleep With Six Senses(快適な安眠環境を提供するシックスセンシズ式快眠プログラム)を元に、ハンドメイドの特注オーガニックマットレスや温度調整枕、羽毛布団、コットンのシーツを完備。さらにリクエストに応じて睡眠計測デバイスや専用のスリーププログラムも利用できる。滞在中、体の緊張が完全に解け、ベッドに全身を委ね深い睡眠をとることができたのが印象的だった。寝起きの気持ちよさは格別だ。
見事な桜の大木を臨む「デラックス キング」の客室
(左)ウェルカムスナックはシェフチームの自家製。ターンダウンサービス時には眠りを促す「Sleepy Banana Tea」のサービスも。(右)TENTIALの「BAKUNE Pajamas Gauze」とのコラボレーションパジャマ。キッズサイズ(80cm~)も用意されている。
尚、睡眠に特化した宿泊プラン「Sleepcation(スリープケーション)」も3月より新たに登場。シーズナルダイニング「Sekki(節気)」では睡眠の質を向上させるための栄養素を多く含む特別メニューが用意され、「シックスセンシズ スパ 京都」は、指にトラッキングリングを装着して睡眠パターンを把握する睡眠トラッキングや、不眠症対策のための研究が進められている CBD 成分を含むボディオイルを使ったマッサージなどを含む「スリーププログラム(2 日間)」を提供。睡眠に悩みを抱える人にはもちろん、忙しい現代人にとって睡眠の重要性を再認識する貴重な機会になるはず。
(左)体の内側を測定する「ウェルネス スクリーニング」 (右)「眠りのヨガ」とも呼ばれるヨガニードラ
二十四節気と巡る美食の旅
シックスセンシズ 京都では「Eat With Six Senses」(天然由来で、地元での持続可能な栽培法による食材を用いたシックスセンシズ流の食体験)をもとに、日本の二十四節気をベースにした食体験を提供している。二十四節気とは、日本の四季をそれぞれさらに6つの季節に分けた暦で、「立春」「夏至」「秋分」「冬至」などがその一例。古来より季節の移ろいの目安となり、行事などが行われてきた節目だ。心身の状態も節気によって移ろい巡ることから、レストランの食事や飲み物は、節気に合わせて用意されている。
「Sekki(節気)」のディナーメニュー。食材へのリスペクトを感じる盛り付けにも注目したい ※コースメニューは2週間ごとに変更
シーズナルダイニング「Sekki(節気)」では、朝食、ランチ、アフタヌーンティー、ディナーを楽しむことができる。エグゼクティブシェフ 宍倉 宏生氏が地元の農家や生産者と連携し、季節に合わせた旬食材を使った料理を提供。さらに塩麹、醤油麹、甘酒、コンブチャ、キムチなどを手作りし、腸活に繋がる発酵を積極的に取り入れたりと、体にも心にも優しい食体験が叶う。
取材時(立春)のアフタヌーンティー。 ※メニューは2週間ごとに変更 奥に設えられたウォールアートは、京の狐や天狗などの神話の生き物による愉快な宴を描き、よく見ると金時人参、聖護院大根などの京野菜が隠れているユニークなもの。西陣織の作品であることに驚かされる。
節気ごとに内容が変わるアフタヌーンティーは、発酵食品を多く取り入れ全てのメニューがグルテンフリー。体にも環境にも優しいアフタヌーンティーはここでしか味わえない特別なもの。
「Sekki(節気)」アフタヌーンティーの詳細はこちら> Coming Soon
“隠れ家”とはまさにこのこと…そう思わせくれるバー。入口周辺にあしらわれた狐の足跡にも注目してみて。
ユニークなのが、「九尾の狐」をモチーフにしたカクテルバー「Nine Tails(ナインテイルズ)」。コンセプトは、夜な夜なキツネたちがお気に入りの酒を楽しむ秘密の場所。薬屋にあった百味箪笥が鎮座し薬局をイメージした空間が広がる。季節の食材や香辛料、自家製シロップを使ったオリジナルカクテルに加え、京都名物をモダンにアレンジしたおつまみの数々にも遊び心が光る。
心身と向き合うホリスティックなウェルネス体験
トリートメントルーム。個室は4室。うち1室が2名で利用可能。
最先端の科学と伝統的なヒーリング手法、そこに京都の「禅」思想を組み合わせたウェルネスプログラムを提供するのが「シックスセンシズ スパ 京都」。お香を使った京都限定の「阿吽(あうん)」をはじめ、ゲストの体質や体調、習慣などに合わせて内容をアレンジする「OMAKASE」など、様々なトリートメントが用意されている。より深く自分の体に向き合うなら、たった数分で体の内側を測定する「ウェルネス スクリーニング」を。結果に合わせて専門家よりメニューの提案や、日々の生活のアドバイスを受けることができる。
(左)屋内プール。7時〜12時までは15歳までの子供の利用も可能。(右)開放的な温浴施設。サウナ完備。
温浴施設やプールも併設され、プールエリアには京都府唯一の心身の状態を整えるために水中で行うボディワーク専用プール「WATSU(ワッツ)/水中ボディワーク」も完備。さらに「バイオハック リカバリー ラウンジ」も。最先端機器を活用して到着時の時差ボケや旅の疲れを速やかに回復させてくれる。
(左) 「WATSU」。慢性的な痛みや関節のこわばり、ストレス、睡眠障害におすすめ。感情の解放を伴うセラピーの要素も。(右)「バイオハック リカバリー ラウンジ」
「シックスセンシズ スパ 京都」の記事はこちら> Coming Soon
滞在中に育むサステナビリティ・リテラシー
スパに併設する「アルケミーバー」
シックスセンシズにとって最も大切な価値観であるサステナビリティを学べるのが、「アルケミーバー」や「アースラボ」でのワークショップ。ホテル内の無農薬ガーデンで採れたハーブを使ったバスソルト作りや、蜜蝋を使ったラップ作りなど、生活の中に取り入れやすいサステナブルなアイテムを気軽に作ることができる。無料で参加できるプログラムも数多く用意されている。
(左)アースラボ (右)取材時は蜜蝋ラップ作りに挑戦。完成したものはラッピングして部屋まで届けてくれた
また、「アースラボ」では飲料水を再生可能な瓶にボトリングする施設も併設。この取り組みによって、2024年のオープンからなんと約8万本ものペットボトルを削減しているというから驚きだ。ちなみにシックスセンシズ全体では年間200万本ほど削減しているとか。日々、当たり前にあるサステナビリティを目の前で学ぶことができる。
子供がよろこぶキッズフレンドリーなサービス
子供連れの旅行ならキッズクラブ「Grow With Six Senses」を利用してみてほしい。専門スタッフが常駐し、厳選された世界中のおもちゃや絵本が用意されている。日本の伝統を楽しく学べるアクティビティも多数あり、海外からのゲストには折り紙も人気だそう。子供連れのゲストのチェックイン時には、専門スタッフが子供を迎え入れてくれるというキッズフレンドリーなサービスも。
5歳以上は子供のみで利用可能。5歳未満は保護者同伴必須。 (右)チェックイン時、取材に同行してくれた3歳娘に折り紙をプレゼントしてもらった
「Grow With Six Senses」の記事はこちら> Coming Soon
今回の滞在を経て、印象的だったことは数知れないが、そのひとつにホスト(ホテルスタッフ)の魅力がある。様々なセクションの方と話す機会に恵まれたのだが、多くの方からシックスセンシズというホテルブランドに対するリスペクトと誇りを清々しいほどに感じた。シックスセンシズの哲学を探究し、「サステナブルとは何か。日本の地でどう表現するか。」を思考し、各人のライフスタイルにもきちんと落とし込まれている。ブランドを体現するかのように、心身ともに健やかなホストの方々と接していると、真のホスピタリティとは何か、気づきを得られるはず。
■シックスセンシズ 京都
https://www.sixsenses.com/jp/kyoto
取材・文 / 田中亜衣


