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ローカルで賑わう人気店

九龍エリア油麻地の広東料理レストラン「粵來順」

著者撮影

「粵來順」は九龍エリア油麻地にある粤菜(広東料理)レストランだ。お客さんは現地の人が中心の人気の一軒だ。

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メニューを開くと1ページ目にスープ料理が登場。これには期待がググッと高まる。中国料理、特に広東料理では湯(スープ)は最も重要な料理。日本料理で言うと出汁に近い感覚だ。よって、ページの最初にスープを配置しているお店の気概に感服した次第である。もちろん、頼んだ事は言うまでもない。

料理を頂いた感想としては、伝統的な家庭料理を上質な調理でアレンジされている点が最大の魅力だと感じた。そして、調理的には油と塩の使用量が穏やかで上品。しっかりした味付けの料理でもパクパクと頂いてしまうのは、技術と調味のセンスに裏打ちされている証左だろう。

生磨杏汁白肺湯($148/2~3人前)

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本当は鶏と魚肚にChinese Herbsを利かせたと言う「蟲草花花膠炖竹絲雞湯」を頂きたかったが、敢え無く売切だったので、こちらをオーダー。結果的には怪我の功名と言うべき嬉しい出会いであった。多種多様な食材を蒸しており、一口目から鶏の風味とゼラチン質をしっかりと感じられる。牛肉やモツ類の風味とコクも加わっている。更にアーモンドミルクも使用しているが、主張しすぎず極めて上品で、香りが良い。サッパリしていて塩気も穏やかなので、素材の旨味で引き込む良きスープである。

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スープの出汁がらは旨味が抜けているので、ちょっとした酒肴的につまむ。鶏の骨が柔らかくなってるところに丁寧な仕事を感じさせる逸品だ。

欖豉骨($78)

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見た目を裏切らず、甘みをしっかり利かせた味付けだ。しかし、決してクドくなく、味わいも複雑であるため飽きがこない。香ばしい炙りの匂いが食欲を刺激し、適度に抜けた脂の旨味の余韻が強い印象。肉の繊維質はホロっと柔らかく、これもパクパク頂いてしまう要因の一つである。オリーブが穏やかにアクセントとなっている点に個性を感じた。

金銀蒜蒸勝瓜($88)

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凄い量のガーリックで圧倒されてしまうほど。蒸しているので柔らかく、甘みも強まっている。

土魷蒸肉餅($88)

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一般的に用いられる咸魚(干し魚)や鹹蛋(塩漬け卵)ではなく、干しイカを使用している。肉の食感が秀逸で、ぷるんぷるんと気持ち良く反発し、筋周りも叩いてるようで、食感豊かな逸品。生椎茸の旨味が利いており、クワイの食感も魅力的だ。ソースは粤菜らしく醤油ベースで飽きが来ない。

 

著者 : yuya

手料理も愛するタベアルキスト。ハタチの頃からバックパッカー旅行をしており、世界を丸っと食べ歩き。特に東南アジア諸国と中国が大好きで、屋台メシを食べて、現地の市場で調味料や調理器具を買い付けてくるのが旅の楽しみ。日本国内でも、出来る限り現地に近い味わいのお店を探して日々徘徊。

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