縁起物にラッキーカラー、幸運グルメ…「旧正月」の幸福を招く過ごし方

写真提供：香港政府観光局

旧暦のお正月である「旧正月」。「春節」の呼び名でも知られ、2021年は２月12日（金）がこの日に当たる。旧正月は、平和や繁栄、健康、幸福をもたらすとされており、中国や台湾などアジア圏で広くお祝いされていることは、ご存知の方も多いはずだ。

香港では、ビクトリア公園で旧正月フェアが開かれたり、「車公廟」や「黄大仙祠」でカラフルな風車を購入して、新たな１年の繁栄を祈るといった過ごし方が伝統的として知られている。しかしこのほかにも、香港の旧正月にはさまざまな慣習が今なお受け継がれている。

そこで今回は、香港在住者が教えてくれる、７つの“新年の幸福を引き寄せるための旧正月の過ごし方”を紹介していく。

１.幸福を呼ぶ「海老」＆恋愛運アップの「梅」

香港移住後に知った旧正月の過ごし方を教えてくれたのは、カナダ生まれのVirginia Chanさん。ほかにも旧正月には、赤い服と赤い下着を購入する慣習があるのだそう。　写真提供：Virginia Chan

広東語で「ha」と発音される海老。この音が笑い声に似ており、幸福を呼ぶとされていることから、旧正月の夕食は海老を食べるのが通例だ。また、１年の恋愛運を高めるためには、満開の梅を見つけたら時計回りに３回走る。

写真提供：香港政府観光局

２.健康・富・家族の団結を意味する「竹」や「水仙」＆赤い提灯の飾り付け

写真提供：香港政府観光局

竹や水仙の花は、健康・富・家族の団結を意味するとされる縁起物。また旧正月には、幸運のエネルギーを呼び込むために、赤い提灯を家に飾るのが伝統的だ。

Children’s Medical FoundationのCEO (児童医療財団) Estella Huang Lungさんは、ほかにも今年の干支がどんな影響をもたらすか、気を配るという。 写真提供：Estella Huang Lung

３.富と繁栄をもたらす「みかん」と「金柑」の木

写真提供：Sharon McCutcheon on Unsplash

みかんと金柑の木は、富と繁栄をもたらすとされている。そうした背景から、玄関先に植えられている家もある。

祖母から教えられた旧正月の過ごし方を受け継ぎ、「木から落ちた花を掃かない」ようにしているとも教えてくれた、「The Lion Rock Press」創設者 (家族経営のデザイン雑貨ブランド) のClaire Yatesさん。 写真提供：Claire Yates

４.縁起が良いとされる、「蟹と蟹みその卵麺」

写真提供：Jason Leung on Unsplash

旧正月の定番“幸運メニュー”といえば、縁起物とされている蟹を使った、蟹と蟹みその卵麺だ。ほかにも、「野菜は心身を浄化する」という仏教の教えから、野菜と豆腐乳の煮込みも、旧正月におすすめの一品。なお旧正月前には、キッチン用品はもちろん、家の隅々まで掃除する。

「マンダリン オリエンタル 香港 “Man Wah（文華）”」のエグゼクティブチャイニーズシェフ・Wong Wing-keungさんは、そのほかに運気が下がるのを避けるため、散髪や靴の購入は控えるという。　写真提供：Mandarin Oriental, Hong Kong

５.お年玉「利是（ライシー）」と、悪い運気を払う「赤」

写真提供：香港政府観光局

旧正月における“お年玉”に当たるのが、「利是」だ。幸運を授けるために、年下の家族や友人、子供、従業員などに配る。またお金の入った袋にも使われている赤色は、悪い運気を追い払うとされている色。旧正月の香港を歩けば、赤で彩られた人々や街の光景が見られるはずだ。

ラッキーカラーの赤い服に身を包んだ、「Pepper & Mint」創設者・「Publisher Of Mini Love Tale」著者（子供用靴ブランド、子供向け本）Conny Wongさん。　写真提供：Conny Wong

６.大掃除で古いエネルギーを一掃

写真提供：Karolina Grabowska from Pexels

新年を迎えてからの掃除は、縁起が悪いとされている。そのため大掃除は、旧正月の元旦前にすべて終わらせるのが一般的。家の中を一掃することで、前年の古いエネルギーを入れ替え、新年の豊かで清らかなエネルギーを迎え入れる準備をする。

アカシック ガイド＆メンター＆ソウルコーチ（ヒーリング）のCoco Chanさんは、ほかにも使わないアイテムを慈善団体に寄付することもある、と教えてくれた。　写真提供：Coco Chan

７.ユニークな「ライオンダンス」ロボット

写真提供：香港政府観光局

写真提供：香港政府観光局

「ライオンダンス」と呼ばれる、中国の「獅子舞」。この伝統は、旧正月の大晦日に現れる、邪悪な獣「年獸（Nin）」を追い払うために舞を踊る、というものだ。ちなみにライオンダンスには、「南方獅子」と「北方獅子」の２種類が存在し、香港では南方獅子が一般的だ。　

玩具デザイナー・Wong Yin Foonさんは、『ガンダム』や『トランスフォーマー』に、南方獅子の起源のひとつとされる広東省の「佛山獅子」をデザインに取り入れ、独自のロボット玩具シリーズ「Invincible Mascots（無敵マスコット）」を制作。国内外から高く評価されている。　写真提供：香港政府観光局

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