タイ
グルメ
ハーブ使いが秀逸

(東京・東中野)タイ料理フリークに愛される名店「ロムアロイ」

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今回ご紹介するタイ料理店「ロムアロイ」は東中野にあってタイ料理フリークを惹き付ける隠れた名店だ。席はカウンターのみで、お店の電話番号は携帯電話と言う事もあってか、まだまだ「隠れた」と言って良いように感じる。僕は4年以上前に初めて伺った時、その味わいに衝撃を受けた。

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オーナーシェフであるヌディンさんの料理の特徴は、ひとえにハーブ使い。フレッシュで香り高いハーブを惜しげも無く使い、玄妙な組合せで鼻と口を楽しませてくれる。特にハーブが瑞々しく美味しくなる夏に伺えば、魅力を最大限楽しめる事かと思う。

この度は6,000円のコースを13名で予約し、6品の料理を頂いた。尚、コース以外で頂く場合、メニューはあって無いようなもの。ヌディンさんに聞いて頼むのが良いだろう。

 

生春巻

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今やどこのお店にもある生春巻だが、シェフの腕によって味わいは変わる。こちらの生春巻はミントが鮮烈に香り、パクチー、バイホーラパーなどもバシッと抜ける!ベトナム料理でも同様だが、やはり生春巻はハーブ使いこそが要であり、巷にはびこるハーブ抜きの生春巻は邪道だと感じる。

 

トードマン・クン

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海老だけで作ったタイ風さつま揚げ。揚げている時から実に美味しそうな香りが漂ってきたが、実際に頂けば悶絶級の美味しさ。海老の香りが力強く立ち上がり、食欲を否応なしに刺激。そして、凝縮された海老の旨味が弾け、プリプリした食感もたまらない。

 

カノム・パン・ナー・プー

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もう一品の揚げものは、タラバガニを用いた揚げパン。トードマン・クンと同様にスイートチリソースの味わいだが、カニペースト部分が美味しいのでノンストップで頂いてしまう。

 

ラープ・ペット

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鴨肉を用いたラープ。味付けはイサーンやラオスに比べて優し目だが、ハーブ使いに個性あり(ちなみに、ヌディンさんはバンコク出身)。鴨肉はかなり肉肉しい叩き加減で、皮はカリカリに揚げられており香ばしい。素揚げしたバイマックルー、たっぷりのカオクア(煎り米)、ガランガル、レモングラスが絡まり合い、後を引く香りの奔流。

 

ゲーン・マッサマン

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一躍超有名になったカレーだが、タイ料理フリーク、カレーフリークには今一ウケが悪いマッサマン(笑) その理由は、甘みが旨味を超えてしまい、味覚的継続性・中毒性を喚起しない為ではないだろうか。しかし、こちらのマッサマンはイメージを裏切る完成度の高い味わい。甘みが抑制され、マッサマンとしては少し辛めに仕上げており、旨味が実に奥深い。そして、八角やシナモンなどがスカッと抜ける。濃厚でありながら爽快さもある為、ご飯が止まらない。ペーストだけでなく、まるごとピーナッツも食感的、風味的に良い仕事をしている。

 

ホーモック・タレー

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魚介のカレー風味の蒸し物。様々なシーフードをココナッツミルクとバイマックルー、カレーペーストと蒸しているようで、特にカミン(ターメリック)が強めに利いているところが個性的。魚介の出汁がしっかりと馴染んでおり、手間を掛けている事が分かる味わい。

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ロムアロイ
・住所:東京都中野区東中野1-55-5 土田ビル 1F
・時間:19:00~23:00

 

著者 : yuya

手料理も愛するタベアルキスト。ハタチの頃からバックパッカー旅行をしており、世界を丸っと食べ歩き。特に東南アジア諸国と中国が大好きで、屋台メシを食べて、現地の市場で調味料や調理器具を買い付けてくるのが旅の楽しみ。日本国内でも、出来る限り現地に近い味わいのお店を探して日々徘徊。

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