ベトナム
カルチャー
上を向いて歩こう!

知られざる魅力!「ベトナムの二階」は遊び心が満載だ。

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ベトナム観光において、目に映るものばかりがすべてではありません。

フォースを感じるのです…と言うつもりはまるでなく、ちょっと上を見てみてください。

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今回の主役は、

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二階(上階)です。

 

アパートの二階(上階)にはもうひとつの世界が広がっている。

そう、二階。これがなかなかおもしろいんだぞ!という話。

日本の暮らしで、わざわざ視線を持ち上げることはそう多くないかもしれません。それが海外となると、さらに落ち着かないものです。そもそもベトナムは道の舗装状況も良いとは言えず、コンクリートが割れていたり、側溝が落とし穴のように口を開けていたりします。気をつけて歩かねばなりません。しかし、それでも私は、上を向いて歩こう!と言いたい。

ベトナムの住宅は日本に比べて細長く、展望台から街を望むとテトリスの「棒」の部分を縦に敷き詰めたようになっています。つまり、どの建物でも二階以上であることが多く、そこには人知れずカフェが開かれてあったり、ベランダなどには住人の遊び心が現れる場所なのです。

今回はそんな、ベトナムの二階(上階)の魅力をお伝えしたいと思います。

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探してみましょう!

 

暑さ対策?屋上ならぬベランダを緑化する家々

ホーチミン市には、フランス統治時代に植えられた街路樹が今も残ります。これが年中照りつける日光と雨季にもたらされるスコールによってニョキニョキと育ち、都会の中にありながらビル10階相当の巨木になっていることも珍しくありません。

そのお陰で市内には緑深い公園が点在しており、都会のオアシスとなっています。早朝からスポーツにいそしんでいる人々がいることは以前紹介した通りであり、週末となると日がな一日、若者たちがジュースを飲みながら談笑したり、ギターの演奏をしていたりと、とても平和な雰囲気に満ち溢れています。

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中心地にある「4月30日」公園も、

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見上げるとちょっとしたアマゾン。

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隣の街灯と比較してもその大きさが分かるかと思います。

 
そんな緑への愛が高じてか、ベランダに生やしちゃったケースがよくあるのです。

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たとえば、

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こちらの家、

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モ~ジャモジャ!

 
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こっちの家もモ~ジャモジャ!

 
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この家に限っては、

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もはや緑に侵食されてモ~ジャモジャ!

 
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これはもう、

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日光を取り込むことすら拒否してます。

 
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しかし、ときにはこのように綺麗な花を咲かせているケースも。
美しい桜の木にはふもとに人が埋まっていると聞きますが…妄想過剰ですねコレは。

 
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ここに至ってはなんと、ミカンが生えてます。

隣人が刈り取ろうとしたら電線を切ってご近所騒然、という顛末まで想像(妄想)できました。

もちろん、緑ばかりでなく、それ以外の魅力もあります。
たとえば、建物そのものの装飾です。

 

社会主義国家らしい建築から目立ってなんぼの派手装飾も!

バイク社会のベトナムでは、道路を走ることで、建物との間に一定の距離が空きます。それではじめて、その建物の外観に気づける訳ですが、これが徒歩になるとあまりに近すぎて気づきづらいんですよね。でも、よく見てください。なかなかおもしろいものがありますよ。

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たとえばこちら、政府関連の施設かと思われますが。

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装飾がかなり独特、小さな穴がビッシリと並んであります。
そのほかの施設も似たものが多いので、これは社会主義国家の傾向なのかもしれません。

 
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が、民間のお店も負けてない!

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なぜか魚が泳いでいます。

今回は取材だったので気付くことが出来ましたが、これ普段は無視必至でしょう。

夜になったらライトアップするのかな。

 
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こちらは装飾とはちょっと違うかもしれませんが、

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うすーい色で、青、赤、黄、と並んでいるんですよね。
ペンキ職人、またはオーナーの遊び心を感じられます。

 

見るだけではない!実際に入っていけるカフェ

さて、上階がおもしろいよ、という思いは存分に伝わったかと思いますが、それではただ地上から見上げるばかりなのでしょうか?いいえ、そうでもありません。最近は団地の一室をリノベーションし、カフェやレストランとなっているケースもあるのです。

今回は、最後にオススメのカフェを紹介して締めくくりにしましょう。

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歩行者天国でもあるNguyen Hue通り沿いにあるこの団地…。

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住宅として使われながらも、実はかなりの数の部屋がお店として利用されています。

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団地に入って、

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六階へ上がり…。

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見つかるこちらが団地カフェ、「Saigon Oi」。

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店内は、白を基調に無垢材風の家具が多く、清潔感で満たされています。

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このカフェの魅力は何と言っても…!

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ベランダから眼下に広がる、この歩行者天国!!
ベランダの席に人が座っていても、外を見るだけなら自由です。とくに、日暮れ時がオススメですよ。

この「Saigon Oi」を自力で見つけることは難しいかもしれませんが、最近ではこうした隠れ家カフェが増えているので、常に団地やアパートの二階以上に注目することで、ひょっとするとあなただけのカフェを見つけることが出来るかもしれません。

 
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また、すでに有名ですが、ゴチャゴチャと絡み合った電線もベトナムでは見ものです。本当にたまーに見れる、育ちすぎた街路樹を伐採している光景もかなりの迫力。

 
ほかにもこういった、

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とんでもない涼み方が見られることも!?

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視点をちょっと持ち上げることで、これまでとはまったく違ったベトナム観光を楽しめることをお約束します!ただし気を取られすぎて、ひったくりに遭わないように、こればかりは本当にお気をつけて…。

 
Saigon Oi
住所:5階, 42 Nguyen Hue, District.1, Hochiminh city
※現地ではG→1階→2階と数えるため、エレベーターでは「5階」を押してください。

 
(text & Photo:ネルソン水嶋)

 
ネルソン水嶋の「勝手にベトナム観光開発局」
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